第5話
『初試合!守備を捨て(秘)ドサクサ打法爆発!
苦学生の大決断と恋の三角関係』
城徳の練習試合の相手が赤岩父の企みで武宮高校に決まった。
折角、野球部に寄付したバッティングネットが
邪険な扱いを受けているのを見て根に持ち、
武宮高校に最初は手加減して最後は本気を出すよう持ちかけた。
名付けて『天国から地獄作戦』とのこと。
一方、練習試合が決まった城徳では・・・
「野球で言えば強豪校には明確な目標が設定されている。
つまり、甲子園に出たいという強い希求がある。
弱小高が同じ希求で勝負して勝てるだろうか。」
「純粋に勝ちたいという気持ちではダメなんですか?」
「それは・・・前提の更に前提だ。」
「校歌を歌いたいというのは?」
「歌いたいのか?」
「いえ、それほどでは・・・」
青志は打撃に特化したチーム作りをするために
フルスイングの練習をメニューに加える。
当てる確率を高めるよりも当たった時に遠くへ飛ばす確率を高める作戦だ。
例えば、10回スイングして弱いスイングなら5回弱い打球を飛ばせるとする。
しかし結果はゼロとなる。
一方、10回スイングして強いスイングなら1回強い打球を飛ばせるとする。
この場合、結果はプラスワンだと。
青志の教え通りに素直に練習する部員たち。
そんな中、亀沢は吹奏楽部の女子部員に
「野球って楽しい?」と聞かれ、「超楽しい!」と答える。
しかし、家に帰ると両親が突然やって来ていた。
部屋を掃除してもらい、「これで勉強の合間に素振りが出来る」と
木の棒をバット代わりに振る。
が、睡眠不足となり練習中に倒れた。
保健室へ運ばれた亀沢は付き添っていた青志に、
家の商売が上手くいってないようだと告げる。
「お前の家庭の事情に深く介入はしない。
お前のご両親にもお前にもプライドがあるだろうから。」
「プライド・・・ですか・・・」
岡留と一緒にいた牛丸は、江波戸との関係を聞いた。
が、その時、陸上部員たちが通りかかり、
「陸上競技から逃げた」と非難される岡留。
「違う・・・俺は無敵になった・・・
そしてチームメイトのために戦う責任を背負ったんだ!」
それを聞いた牛丸は「かっこいい」と呟く。
赤岩と白尾も青春真っ只中。
柚子に対する赤岩の態度に煮え切らない白尾。
「俺は樽見には本当に好きな人と付き合ってもらいたい・・・
しかし、お前がそれをいいことにぬるま湯に浸るなら、
俺は今度の試合で負けたら樽見に告白する!」
「なんなんだ?」
「お前を追い込んでいるんだよ。」
翌日、赤岩の暴投で白尾が負傷していた。
大事をとって試合は休むことに。
白尾抜きで打順を決めた青志。
1 ピッチャー 赤岩
2 キャッチャー 江波戸
3 セカンド 樫山
4 レフト 牛丸
5 ショート 光安
6 ライト 伊勢田
7 サード 志方
8 ファースト 亀沢
9 センター 岡留
「何故、足の速い岡留がラストバッターなんですか?」
「何度も言わせるな。 1番が出塁して2番がバントで送り、
3番、4番が打って返すセオリーなんて、
ウチの野球部には必要ないんだ・・・っていうか無理なんだ。
打って打って打って大量得点でコールド勝ちしか、
勝利の道はないんだと信じろ。」
「はい!」
そして練習試合開始。
打って打って打ちまくって、3回表で16-0で城徳がリード。
しかしそれは赤岩父の策略によるもの。
けど試合の途中で自分が誤解していたことを知った赤岩父は
方針を変更し武宮の監督に本気モードを命じた。
するとあれよあれよと大逆転され、4回裏で16-26に。
このままでは5回10点差コールドのルールに従い、
敗戦濃厚となる城徳野球部。
委縮してたちまちスイングが小さくなる城徳。
5回の表、先頭打者は8番・亀沢。
亀沢はフルスイングで三振となるが、
「今までで最高のスイングだった」と褒める青志。
その思いは9番・岡留に響き、強打で出塁。
1アウト一塁、打席には1番・赤岩。
フルスイングで空振りするも、岡留が盗塁成功。
またもフルスイングした赤岩の打球は三塁強襲。
岡留に気をとられた三塁手が赤岩の出塁を許し、
1アウト一、三塁に。
そして打順は2番・江波戸。
1人返せばコールドゲームを逃れることが出来る。
岡留を返せば1点取れる、転がせば岡留は帰って来れる。
色々な思いと重圧が江波戸に重く圧し掛かる。
そして・・・江波戸はバントをしてしまった。
「あれほどフルスイングをしろって言ったのに、バカが・・・」
打球はフライとなり、飛び出した岡留もさされダブルプレー。
5回10点差コールドでゲームセット。
弱いけれど勝つために打撃に特化するという仮説の
最初の実験は失敗に終わった。
しかしチームメイトは誰も江波戸を責めない。
その思いを江波戸も感じていた。
城徳高校野球部の初勝利は持ち越しとなるが、
選手たちは手ごたえを感じたよう。
そして負けたので柚子に告白しようとする白尾を赤岩が止める。
「今回は・・・ナシだ。 お前が試合に出ていないからな。」
「うん、いいよ。 今日のお前はかっこよかったから。」
「何? なんの話?」
「弱くても勝てる。 そういう強い意志を持て!」
そう部員たちに告げる青志。
1人の大人気ない大人が、
高校生を使ってやり込めようとするって・・・
やっぱりどうなんだろうね(‐∀‐;)
相手の高校生にも失礼な気がする。
高校野球にインチキはダメよ!!
それにしても徐々にではあるけど
成長している部員たちを見るのはいいね~。
今時の高校生にしては素直に先生の言うこと聞くし(笑)
弱くても勝てる日がくるのを楽しみに待ってるよ♪
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