ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

不妊・不育症 支援事業(長野県)

2020年08月15日 | 不妊・不育症 支援事業

長野県では不妊・不育症に悩む方への治療費助成制度(特定不妊治療、男性不妊治療、不育症治療)があり、不妊・不育症などの治療費の一部助成を行っています。
不妊・不育症治療支援事業のご案内(長野県)
不妊に悩む方への特定治療支援事業について(長野県)
不育症治療費に対する助成制度(長野県)

特定不妊治療費に対する助成制度

● 特定不妊治療とは?
体外受精または顕微授精に係る治療を指します。

● 特定不妊治療に対する助成制度
長野県では「不妊に悩む方への特定治療支援事業」において特定不妊治療費に対する助成を行っています。

● 助成対象者の要件
夫婦の一方または両方の住所が長野県内(長野市は除く)にあり、次のいずれにも該当する方が対象です。
(1) 法律上の婚姻をしている夫婦であって、体外受精・顕微授精以外の治療では妊娠の見込みがないか又は極めて少ないと医師に診断されていること。
(2) 夫婦の前年所得(1~5月の申請については前々年の所得)の合計が730万円未満であること。
※所得額の算出方法

● 助成の対象となる不妊治療
長野県並びに他の都道府県、指定都市及び中核市が指定する医療機関で実施した体外受精及び顕微授精。ただし、夫婦以外の第三者からの精子・卵子・胚の提供による不妊治療、代理母・借り腹による不妊治療は除きます。

● 助成を受けられる回数
① 初めて助成を受ける際の妻の年齢が40歳未満の夫婦(※注1)
 通算6回まで(※注2)
 (年間回数、通算期間の制限なし)
② 初めて助成を受ける際の妻の年齢が40歳以上の夫婦(※注1)
 通算3回まで(※注2)
 (年間回数、通算期間の制限なし)
③ 妻が43歳以上の夫婦(※注1)の治療は助成対象外
※注1 治療開始時の年齢
※注2 他の自治体で助成を受けた場合は、その助成回数を控除する

● 助成の額及び期間
一組の夫婦に対し、1回の治療につき15万円(治療ステージC及びFについては7万5,000円)を限度に、通算6回まで(初めて助成を受ける際の治療開始時の妻の年齢が40歳以上の夫婦は通算3回まで)助成します。ただし、初回の特定不妊治療(治療ステージC及びFを除く)に限り30万円まで助成します。また、特定不妊治療の一環として行われる男性不妊治療(精巣内精子採取術)を行っている場合は、当該男性不妊治療費につき15万円まで助成します。ただし、平成31年4月1日以降に開始した男性不妊治療について、初回の治療に限り30万円まで助成します。

別表 体外受精・顕微授精の治療ステージと助成対象範囲

● 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う対応
新型コロナウイルス感染症防止の観点から一定期間治療を延期した場合、時限的に年齢要件を緩和します。また、新型コロナウイルスの影響により所得が急変した場合、所得判定の見直しを行います。

男性不妊治療費に対する上乗せ助成

体外受精・顕微授精に至る過程で精子を採取する手術を行った場合、特定不妊治療費に対する助成に上乗せして助成金を給付します。

● 助成の対象となる治療は?
次の治療が対象となります。
・精巣内精子生検採取法(TESE)
・精巣上体内精子吸引採取法(MESA)
・その他精子を精巣または精巣上体から採取する手術

● 助成対象者の要件
「不妊に悩む方への特定治療支援事業」と同じです。長野市にお住まいの方は、長野市保健所へ申請お願いします。

●助成額および助成回数は?
初回治療時は30万円、2回目以降は15万円を上限として助成します。「不妊に悩む方への特定治療支援事業」における女性上限回数に達するまでの治療について助成します。

不育症治療費に対する助成制度
長野県単独(H27年4月スタート)

● 不育症とは?
妊娠後に流産を繰り返す反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)のことを指します。

● 助成の対象となる治療
国内の医療機関において行われた次の検査及び治療費(保険適用・保険適用外)を対象とします。
(1)不育症の診断に係る検査
(2)ヘパリン療法
(3)アスピリン療法
(4)ステロイド療法
(5)その他知事が特に必要と認めたもの

● 助成対象者の要件
夫婦の一方または両方の住所が長野県内(長野市を含む)にあり、次のいずれにも該当する方が対象です。
(1) 法律上の婚姻をしている夫婦であって、体外受精・顕微授精以外の治療では妊娠の見込みがないか又は極めて少ないと医師に診断されていること。
(2) 夫婦の前年所得(1~5月の申請については前々年の所得)の合計が730万円未満であること。
※所得額=所得合計額-8万円(社会保険料等相当額)-諸控除額

● 助成額および助成回数
1回の妊娠に係る検査および治療につき上限5万円を上限、通算6回までとなります。ただし、妻の治療開始時の年齢が治療期間の初日において40歳以上の場合は、通算3回までとなります。

治療費助成制度の申請窓口、問い合わせ先
お住まいの市町村を管轄する保健福祉事務所(保健所)へ申請書類をご提出ください。
佐久保健福祉事務所、上田保健福祉事務所、諏訪保健福祉事務所、伊那保健福祉事務所、飯田保健福祉事務所、木曽保健福祉事務所、松本保健福祉事務所、大町保健福祉事務所、長野保健福祉事務所、北信保健福祉事務所

長野市にお住まいの方へ:
・「不妊に悩む方への治療費助成制度」は長野市保健所へ申請をお願いします。
・「不育症治療費に対する助成制度」は長野保健福祉事務所へ申請をお願いします。

※ 市町村でも独自の助成制度を設けている場合があります。

参考Webサイト:
1)不妊に悩む方への特定治療支援事業について(長野県)
2)長野県不妊に悩む方への特定治療支援事業実施要綱
3)不育症治療費に対する助成制度(長野県)
4)長野県不育症治療支援事業実施要綱