初めてフランスに行ったのは2014年8月で、この際せっかくだからフランス語を勉強してみようと急に思い立って、旅行に出発する10日くらい前にユーキャンのピンズラーフランス語講座を申し込みました。出発する直前に届いた教材のCD16枚(16時間の音源)をICレコーダーに取り込んで、渡仏の際の行きと帰りの飛行機の中でもずっとフランス語のレッスンを聞き続けました。一つの課が30分のレッスンで第30課まであります。テキストはなく音声のみで学べる教材なので、ちょっとしたスキマ時間や移動時間でも耳だけで学習することができますので、3週間の旅行中に第30課までのレッスンを一通り聞くことができました。
このユーキャンのフランス語講座は、米国で生まれたピンズラーメソッドの中の "Pimsleur French Level 1" の日本語版です。日本人にとって、フランス語学習の入門段階では、英語のガイドより日本語のガイドの方が断然やりやすいので、ユーキャンの通信講座の中にピンズラーメソッドのフランス語入門講座があって本当に助かりました。日本語⇒フランス語⇒日本語⇒フランス語と音声が流れて非常に取り組みやすい教材です。覚えたてのフランス語で現地のフランス人と簡単なコミュニケーションがとれて、初めてのフランス国内旅行を楽しむことができました。それ以来、ピンズラーメソッドのフランス語学習を6年間続けてます。
英語版のピンズラーフランス語コース はLevel 1からLevel 5までありますが、Level 2 以降の日本語版はないので、ユーキャンのフランス語講座終了後は、アマゾンで Pimsleur French Level 2~Level 5 を購入して学習を続けました。レベル1からレベル5まで全部で150レッスン(CD80枚、80時間)です。
最初は1つのレッスンを1週間くらいかけて、リスニング、リピーティング、ディクテーションとやっていき、3年くらいかけて最終教材までたどり着きました。今でも、自動車運転中、ウォーキングや水中運動などをやりながらピンズラー教材を繰り返し聞いてます。英語版では、英語⇒フランス語⇒英語⇒フランス語と音声が流れていくので、英語とフランス語を同時に練習できて、この教材はとても気に入ってます。各レッスンのトピックスは非常に多岐にわたり、例えば、旅行、レジャー、気象現象、地理、気温、環境。家庭生活。不動産、家具、電化製品、衣類、ランドリー、掃除、車のメンテナンス。パーティー、お祝いの言葉。ボーイフレンドとガールフレンドの会話、別れ、再会。結婚、離婚。身体と健康、身体の部分、痛み、症状と治療法、医師と患者の会話、睡眠と覚醒、悪い生活習慣といろいろな話題があります。会話のスピードはだんだん速くなっていきます。テキストはなく音声のみのレッスンが主体です。
2019年から仏検を受け始めました。ピンズラー教材(150レッスン)でリスニングとスピーキングの練習はある程度やってきましたが、リーディングやディクテーションの練習はあまりやってこなかったので、仏検対策として仏検合格読みトレ3級(甲斐基文編、2017)、仏検合格読みトレ準2級(甲斐基文編、2019)でリーディングやディクテーションの練習を始めました。2019年の春試験で3級に合格し、秋試験で準2級に合格しました。2020年の春試験で2級を受験する予定でしたが、新型コロナ感染拡大の影響で試験が中止になりました。報道によれば、仏検などの第二外国語の検定試験の実施団体は存続の危機にあるそうです。
いまだ貧弱な単語力で、読解力も不十分、6年もやってる割には進歩は遅いけど、ピンズラーメソッドはとても楽しいです。今後も楽しみながら、認知症予防対策の脳トレとしてピンズラーメソッドのフランス語学習を続けていきたいです。今はフランスはコロナ禍で大変なことになっていて行くことができませんが、新型コロナウイルス感染症の流行が収束したらフランスにまた行きたいです。
参考:存続の危機にある「仏検」
フランス語教育振興協会は6月からホームページ上で寄付を呼びかけている 日本経済新聞、2020/8/27
仏検事務局から自宅に「実用フランス語技能検定試験(仏検)存続のためのご寄付のお願い」の文書が郵送されてきました。仏検は春と秋の年2回実施されてきました。日本の第二外国語学習者の中でフランス語の学習者は比較的多い方だとは思いますが、英検の年間受験者数400万人に対し、仏検受験者は年間2万人しかいません。仏検を実施してるフランス語教育振興協会は事業収入の9割を仏検の検定料に頼っているので、今年の春季試験が新型コロナウイルスの感染拡大で中止されて約6000万円の予定収入が途絶えました。この上、秋季試験まで開催できなくなった場合には、協会の存続すら危ぶまれている非常に危機的な状況なんだそうです。
私も今年6月の仏検の受験を申し込んで名古屋のホテルを宿泊予約してましたが、試験の中止により受験チャンスを失いました。仏検受験者のほとんどは十代~二十代の若者達です。そんなところに老人がのこのこでかけて行って多くの若者たちと長時間同じ会場にいると、知らぬ間にコロナウイルスに感染してしまう可能性も少なくないと思われます。現状では当分の間県外に出かける気が全く起こらないので、もし今年の仏検秋季試験が開催されることになったとしても私は受験しません。でも仏検が廃止になってしまっても困るので寄付はしました。
語学検定試験は、若い人達にとって入学や就職に際して客観的に自分の語学能力を証明して、自分をアピールするための大切な手段ですが、今年は試験自体が実施されなくて、自分の語学能力をアピールするチャンスを失って困っている人も多いと思います。中高年世代にとっても、語学検定試験を受けることは外国語を学ぶ時のモチベーション維持の手段として非常に有用です。私は50歳を過ぎてから、趣味として英検やTOEICを受け始め、60歳を過ぎてからは新たに仏検を受け始めました。英検や仏検などの語学検定試験の受験者は若者がほとんどですが、中には年配者の姿もちらほら見かけます。語学学習は認知症予防対策の脳トレとして最適だと思います。
英語以外の第二外国語は、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語、中国語、韓国語、アラビア語などなど非常に多くあります。これらの検定試験実施団体はすべて民間団体で、新型コロナウイルスの感染拡大で検定料収入が途絶え、多くは存続の危機に陥ってます。寄付を募るだけでは存続は難しいでしょう。国の支援が必要だと思います。