ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

ケアマネジャー試験対策

2020年10月23日 | 介護

ユーキャンのケアマネジャー講座 
ケアマネジャー試験対策全国統一直前模擬試験
ケアマネジャー:一問一答(アプリ)

父が要介護状態になった時に担当のケアマネさんに大変お世話になり、世の中にそういう職種があることを初めて知りました。要支援2とか要介護3とか言われても何のことかさっぱりわかりませんでしたし、介護施設にしても特養とか老健とかいろいろあって何がどう違うのか全くわかりませんでした。介護福祉系の世界は知らないことばかりで、必要最低限の知識を得たいと思ってちょっと調べてみたところ、自分にもケアマネジャー試験の受験資格があることがわかり、この際いっそのこと、介護福祉系の基本的なことを学んでケアマネジャー試験を受験してみようと決断しました。2017年の春でした。

試験は10月なので試験本番まで半年間しかなく、試験対策として何をやったらいいのか全くわかりませんでしたので、とりあえずユーキャンのケアマネジャー講座 を申し込みました。しばらくすると教材が送られてきました。メインテキストは6冊で、各テキストごとに添削課題があり、最後に総合模擬試験もありました。過去問題集「でるケア Best 200」という要点を200項目にまとめた小冊子もありました。介護福祉系の法律は毎年頻繁に改正があり、ユーキャンのテキストは前年の改正まで記載されていて、その年の夏までの法改正の最新状況も毎月知らせてくれました。また、通信講座以外に、ユーキャン:ケアマネジャー試験対策全国統一直前模擬試験があり受験しました。他に、ユーキャン:一問一答ケアマネジャーというスマホのアプリもありスキマ時間によく利用しました。ケアマネ試験対策の通信講座、対策本、アプリはいろいろありますが、私の場合はユーキャンの教材だけを集中的にやりました。全くの初学者でもわかりやすくて、とてもいい教材だと思いました。


ユーキャン:ケアマネジャー講座 テキスト


ユーキャン:一問一答ケアマネジャー アプリ

ケアマネジャー試験対策の勉強もやってみれば意外に面白く、その半年間は明けても暮れてもケアマネの勉強ばかりしてましたので、10月のペーパー試験は合格しましたが、その後、勤務の関係で介護支援専門員実務研修を受ける時間が取れず、いまだにケアマネジャーにはなれてません。介護保険制度や認知症などの最低限の知識は得られましたので、ケアマネジャーの方々と連携しやすくなり、ケアマネ試験対策で得た知識は日常の診療活動に十分役に立ってます。2018年12月に認知症サポート医養成研修会に参加して認知症サポート医になりました。介護分野で何かわからないことがあると、介護支援専門員基本テキスト(八訂版)を読んでます。この本は3分冊で計1500ページ以上あり、情報量が多すぎてケアマネ試験対策用にはとても使えませんが、介護福祉分野のいろいろな疑問点はこの本で調べるとだいたい解決します。でも、そろそろ次の改訂版(九訂版)が発行される時期だと思います。


試験結果開示

参考文献:(財)長寿社会開発センター[八訂]介護支援専門員基本テキスト、2018


有酸素運動中のリスニング教材

2020年10月23日 | 外国語学習

今まで外国語を勉強しようとするときは、ついつい検定試験の受験対策だけに終始しがちでした。十数年前、英語学習にはまっていた時期があり、英検やTOEICを何度も受けました。英検は、中学生や高校生の受験者が大半を占める地元の会場で2級から受け始めて、慣れてきたところで準1級を何度か繰り返し受けました、地元の会場の準1級受験者はいつも一人か二人でした。TOEICは地元で受けられなかったので、東京や名古屋の遠方の会場まで足をのばして何度も受けました。受験慣れして試験のスコアは徐々に上がりましたが、英語学習にはまっていたその頃でも、外国人との実際の会話では相手が何を言っているかあまり理解できませんでしたし、自分が言いたいこともスムーズに口から出てこなくて、全然まともな会話になりませんでした。映画も字幕なしでは楽しめませんでした。本を読む速度が遅すぎて、英語の長編小説を読破するなんてことは全く夢のまた夢でした。過去の自分の外国語学習方法ではうまくいかなかったので、今は机の上の外国語のお勉強はこの際一切やめにして、有酸素運動の際にオーディオブックの英語の簡単な朗読を聞くことにしてます。辞書やテキストなどは一切使わず、まずは幼児でも楽しめるような簡単な英語の朗読をひたすら繰り返し聴いて楽しんでます。テキストを見ないでリスニングだけで楽しめるお話のレベルをだんだん上げていきたいと思ってます。私が今利用しているaudiobook.jpの聴き放題プランは月額750円ですが、このプランで楽しめる英語や日本語の朗読も非常に多くて、何作品ダウンロードして聴いても追加料金なしで楽しめます。とりあえずは聴き放題プランの中の作品だけでも十分楽しめそうです。朗読を聞くのは楽しいので、ウォーキングの1日の歩数も増えて一石二鳥です。


走れメロス

2020年10月23日 | 外国語学習

太宰治の「走れメロス」は、中学校の国語教科書で初めて出会いました。メロスは計画性に乏しく、先の見通しが甘く、行き当たりばったりに自分の信じた道を一直線に突き進んで、周りの人達を災難に巻き込んで迷惑かけ通しですが、周りの多くの人々から信頼され愛されてます。メロスは自ら招いた絶体絶命の危機を不屈の精神で打開しました。この「走れメロス」は私の五十数年来の愛読書で、日本語の原文や英語翻訳の朗読を長年楽しんできました。


乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?

2020年10月23日 | 出産・育児

SIDS : Sudden Infant Death Syndrome

睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう
それまで元気で、ミルクの飲みもよく、すくすく育っていた赤ちゃんが、眠っている間に突然死亡してしまう。これが乳幼児突然死症候群(SIDS)という病気です。事故や窒息死とは違います。SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気です。平成30年には60名(概数)の乳幼児がSIDSで亡くなっており、我が国の乳児期の死亡原因としては第4位です。

SIDSの原因はまだ解明されていませんが、以下の3つのポイントを守ることにより、SIDSの発症率が低くなるというデータがあります。

1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう
医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。この取組みは睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。

できるだけ母乳で育てましょう
母乳で育てられている赤ちゃんの方がSIDSの発生率が低いということが研究者の調査からわかっています。

たばこをやめましょう
妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。

参考:あおむけ寝がいいか,うつぶせ寝がいいか?(歴史的変遷)

乳幼児突然死症候群(SIDS)について、厚生労働省


あおむけ寝がいいか,うつぶせ寝がいいか?(歴史的変遷)

2020年10月14日 | 出産・育児

(2006年1月14日に投稿した記事)

「ゆりかごの死―乳幼児突然死症候群(SIDS)の光と影」阿部寿未代著より抜粋

生後数カ月間の子供は、自分で寝返りがうてません。ですから、あおむけ寝で育つか、うつぶせ寝で育つかは、親が決めることです。

もともとは日本でも欧米でも、あおむけ寝あるいは横向き寝が主流でしたが、1930年代になってからアメリカで、「よく寝て手間がかからない」「頭の形がいびつにならない」などの理由でうつぶせ寝が始まりました。ヨーローッパでは、1970年代以降、イギリス、オランダ、北欧などに急速に広まりました。

オランダでは、1970年頃からうつぶせ寝が広まり始め、1980年頃には乳児の60%がうつぶせ寝で育つようになりましたが、ちょうど同じ頃、乳幼児突然死症候群(SIDS)による死亡も急増しました。1969年から1971年にかけて、オランダのSIDSは出生1000人に対して0.46人に過ぎなかったのに対して、1986年になると1.30人、1987年には1.13人と2倍以上に増えました。そこで、乳児検診や妊婦の健康指導に当たる国の機関Nationaal Kruisverenigingは、「うつぶせ寝をしないように」と指導をし始め、オランダのうつぶせ寝は急減し、1988年にはうつぶせ寝で育つ子は26.8%になりました。これに伴ってSIDSも激減し、1988年のSIDSは出生1000人に対してわずか0.76人と前年より一気に40%も少なくなりました。

イギリスでも、1991年10月にうつぶせ寝反対キャンペーンが始まり、その結果、1992年にはSIDSの数は前の年に比べて一気に46%も減少しました。

オーストラリアでは、1988年以来、(1)うつぶせ寝をしない、(2)赤ちゃんを暖めすぎない、(3)母親の妊娠中、あるいは子供の近くで喫煙を避ける、(4)できれば母乳で育てる、の4点を柱に、国を挙げてのキャンペーンが行われました。1988年頃には1000人に2人前後だったSIDSが、1993年にはわずか0.76人になりました。

ニュージーランドでも、1991年、(1)うつぶせ寝にしない、(2)母親の喫煙を避ける、(3)母乳で育てる、の3点を柱にキャンペーンが全国的に繰り広げられました。その結果、うつぶせ寝で育つ子供は、1年で全体の42%から2%まで減り、SIDSも出生1000人に対して6.3から1.3まで激減しました。

アメリカでも、1994年7月、NICHD(国立小児保健発達研究所)主導でうつぶせ寝反対の全国キャンペーンを開始し、1996年には、うつぶせ寝は24%(1992年70%)、SIDSは出生1500人に1人(1992年850人に1人)にまで減少しています。

日本では、昔からあおむけ寝が主流でした。戦後まもなく進駐軍の指導でうつぶせ寝が一時広まりましたが、日本式の柔らかい布団での窒息が続出したため、またあおむけ寝に戻り、その後はあおむけ寝育児が続いていましたが、昭和63年(1988年)~平成元年(1989年)頃、『平たい頭,胴長短足の日本人イメージは過去のもの』『欧米人のようなスタイルになる』という唄い文句に魅せられて、うつぶせ寝は瞬く間に全国的な大ブームとなりました。(日本がうつぶせ寝ブームに湧き立っているちょうどその頃、ヨーロッパでは,全く逆の「うつぶせ寝反対キャンペーン」が巻き起こっていました。)うつぶせ寝の流行に伴って、日本でも赤ちゃんの窒息死が急増しました。昭和63年に起きた赤ちゃんの窒息死は、奈良県が前年の5倍になったのを始め、各府県とも2~3倍に増えました。生後6カ月以内の赤ちゃんがほとんどで、いずれもうつぶせに寝かせたうえに家族が長時間目を離していた間に発生しました。加えて、たび重なる託児所での赤ちゃんの死亡事故が問題となりました。平成元年6月、横綱千代の富士の三女愛ちゃんがSIDSで死亡し、新聞、テレビ、週刊誌にも「乳幼児突然死症候群:SIDS」という文字が踊るようになり、全国的にこの病気の名前が知れ渡りました。

平成5年、「SIDS家族の会」が発足し、この病気に関する啓蒙活動を始めました。平成7年、うつぶせ寝で死亡した子供達の母親20人あまりが,「うつぶせ寝を考える会」を結成し、窒息事故が多いという側面からうつぶせ寝に警鐘を鳴らしています。

日本の場合、欧米と違って、原因不明の乳幼児の死亡の場合でもまず解剖されることがなく、たまたま死亡確認した臨床医(小児科医、産婦人科医、救急医など)が、死亡診断書に『SIDS』と書くか、『窒息』と書くかで、死亡原因が決定されているので、日本におけるSIDSの実態については不明な点も多いのが現状です。

うつぶせ寝は、SIDSのいくつかあるリスク因子のうちの一つですが、どこの国の統計でも、うつぶせ寝をやめさせることでSIDSの発生頻度は一気に減少しています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?

参考文献:
「ゆりかごの死―乳幼児突然死症候群(SIDS)の光と影」阿部寿未代著