ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

産科救急の研修会(ALSOデモンストレーションコース)

2013年12月05日 | 周産期医学

12月3日、長野県看護協会会館(松本市)にて、県内の分娩取扱い施設に勤務する助産師を対象に、産科救急の研修会が実施されました。飯田市立病院から持ち込んだBLS用の蘇生練習用マネキンと、C大学からお借りした3体の分娩トレーナーを使って、妊婦心肺蘇生や肩甲難産などのシミュレーション訓練(ALSOデモンストレーションコース)を行いました。県内各地の17施設から多くの助産師が参加してくれました。『ALSOプロバイダーコースに参加を希望し、インターネットで参加申し込みを何度もしているんだけど、希望者多数でなかなか参加できない。県内でもまたALSOプロバイダーコースを開催してほしい。』というような声も多く聞きました。新生児蘇生法や母体急変時対応のシミュレーション訓練の研修会は、チームで繰り返し参加し続けてこそ本当の意味があり、趣味というかライフワークとして、今後も関わっていきたいと思ってます。

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NCPR講習会は県内各地域で年数回づつ実施されて、分娩に関わる産婦人科医、小児科医、助産師、NICU看護師、救急救命士などが多く受講してます。私も新生児蘇生法は全くの素人で長年にわたりデタラメなことをやり続けてましたが、数年前にNCPRインストラクターになって、いろいろな病院のNCPR講習会に繰り返し参加するようになり、新生児仮死に遭遇した時に何をしたらいいのかようやくおぼろげながら理解できるようになって、新生児仮死に遭遇しても以前ほどにはびびらなくても済むようになってきました。また、BLS、ACLS、ICLSなどに参加するようになってから、夜中に入院患者の心肺停止があって館内一斉放送で緊急に呼び出されて、万一、心肺停止の患者さんの元に一番に到着してしまったとしても、蘇生チームの一員としてとっさに何をやったらいいのかだんだん理解できるようになってきたので、突然の心肺停止による緊急呼び出しの館内一斉放送に反応して、間髪入れず現場に向かって走り出せるようになってきました。

産科の急変事例もいつどの患者さんに発生するのか全く予測不能ですから、常日頃から産科救急のシミュレーション訓練を繰り返して、『いざという時にはこういう風に対応するのだ!』ということをスタッフ全員に徹底的に浸透させておく必要があります。産科救急のシミュレーション訓練の学習会を、NCPR講習会並みに、院内で定期開催したいと考えています。そのためにも、まずは分娩トレーナーを自前でそろえたいです。