ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

犬島を散策

2012年11月28日 | 日記・エッセイ・コラム

先日、岡山市東部・宝伝の沖約3kmの犬島を訪れました。その日の犬島は素晴らしい晴天で、島内をゆっくり散策しました。

犬島は古くから石の採掘で知られていた岡山市唯一の有人島で、良質の花崗岩は「犬島みかげ」と言われ、岡山城、大阪城などの石垣にも使われています。 明治40年代には採石の他に銅の精錬業も盛んになり、この小さな島に5,000人~6,000人が生活していたそうです。その後、時代の変化とともに製錬工場も閉鎖になり、人口減少、高齢化が進み、今では精錬所跡などが廃墟として当時の面影を残す島となりました。

平成20年4月27日に、財団法人直島福武美術館財団による犬島アートプロジェクト「精錬所」が開館しました。犬島の歴史的背景を舞台に展開された「精錬所」に対し、犬島「家プロジェクト」では犬島の集落の中に展開するプロジェクトで、日常の中にアート空間が優しく滑り込み、集落が新たな風景へと生まれ変わっています。 また、平成22年7月19日~10月31日の間、瀬戸内国際芸術祭2010が開かれた際には、犬島も会場の一つとして多くのアート作品が展示され、来島者数は延べ84,000人と大いに賑わい、閉会後も作品の一部が公開されています。

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犬島ガイドマップ

****** 定期船(宝伝⇔犬島)

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宝伝

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犬島港

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定期船より

****** 犬島海水浴場

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****** 犬島「家プロジェクト」 

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******  犬島アートプロジェクト「精錬所」

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第53回日本婦人科腫瘍学会・学術講演会(於:岡山市)

2012年11月25日 | 日記・エッセイ・コラム

この週末は第53回日本婦人科腫瘍学会学術講演会(於:岡山市)に参加しました。

婦人科腫瘍専門医試験の受験資格取得や資格更新のために出席が義務付けられている早朝からの教育セミナーは、初日も二日目も大会場がほぼ満席になってました。私自身、最近は周産期医学関連の学会や講習会へ参加することが多くなって、腫瘍関連の学会はだんだん縁遠くなりつつあり、今回の日本婦人科腫瘍学会に参加するかどうかも学会開催日の直前まで決めかねてましたが、結局参加することにしたのは、専門医資格更新のためのポイント稼ぎが主な目的でした。しかし、義務感のみで出席した二日目の教育セミナーの緩和医療に関する講演(岡山大学・緩和医療学講座・松岡順治教授)にいたく感銘し、今回の学会に参加して本当によかったと思いました。緩和医療の具体的な処方や技術の解説ではなく、主に緩和医療に関わる医師としての根本的な心構えについての講演で、道元禅師(曹洞宗の開祖)やスティーブ・ジョブズ(アップル社の共同設立者の一人)が残した言葉なども言及されました。また、講演の最後の方は、ケルティック・ウーマンのユー・レイズ・ミー・アップがバックグラウンドミュージックとして流れてました。後で繰り返し何度も拝聴することができるように、講演をビデオに撮っておけばよかったと思いました。

岡山市まで来たのは今回が生まれて初めてで、学会参加の合間に会場周辺の名所を散策しました。

****** 道元禅師と弟子との問答

弟子 「人間はなぜ成功する人としない人がいるのですか?」
道元 「成功する人は努力するからだ。」
弟子 「努力する人としない人がいるのはなぜですか?」
道元 「努力する人は志があるからだ。」
弟子 「なぜ志がある人とない人が生じるのですか?」
道元 「志のある人は、人間は必ず死ぬということを知っているからだ。志のない人は人間が必ず死ぬということを本当の意味で知らない。その差だ。」

****** スティーブ・ジョブズの残した言葉

毎日、今日が人生最後の日かもしれない、と考えるとすれば、いつか、必ずその考えが正しい日が来る。

(スタンフォード大卒業式でのスピーチ、2005年10月29日)

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You Raise Me Up
(Song: Celtic Woman)

When I am down and, oh my soul, so weary
When troubles come and my heart burdened be
Then, I am still and wait here in the silence
Until you come and sit a while with me

You raise me up, so I can stand on mountains
You raise me up, to walk on stormy seas
I am strong, when I am on your shoulders
You raise me up...to more than I can be

ユー・レイズ・ミー・アップ
(歌:ケルティック・ウーマン)

落ち込んで、心が疲れている時
困難が訪れて、気持ちに余裕が無い時
私は静かにここで待つわ
あなたがやってきて、私のそばに座ってくれるのを

あなたが支えてくれるから、私は山の頂に立てる
あなたが支えてくれるから、私は嵐の海も歩いていける
私は強くなれる、あなたが支えてくれるから
あなたが支えてくれるから、私はいつも以上に頑張れるの

****** 岡山コンベンションセンター 

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****** 桃太郎像(岡山駅東口駅前広場)

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****** 岡山後楽園

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****** 岡山城

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****** 倉敷美観地区

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iCloudの「iPhoneを探す」を初めて利用しました

2012年11月19日 | 日記・エッセイ・コラム

iPhoneを紛失し、今日は朝から、自宅、職場、自家用車内などを探し回りましたが、なかなか見つからず困り果てておりました。

夕方になって、iCloudに「iPhoneを探す」という機能があったことを思い出して、初めて利用してみました。iPadでiCloudのWebサイトにアクセスして自分のアカウントでサインインし、「iPhoneを探す」をクリックしたところ、iPadの地図上にiPhoneの位置が表示され、自宅にあることが判明しました。そこで再度自宅を探して、やっとiPhoneを見つけ出すことができました。

世の中便利になったものだと感心しました。


光陰矢の如し

2012年11月10日 | 日記・エッセイ・コラム
本当に時間のたつのが速いように感じる今日この頃です。

外来診療を担当する日は、朝8時半に外来に行ってそのまま休みなく外来診療をこなしつつ、合間合間に病棟や手術室などにも顔を出したりしているうちに気がついたら夜になっています。手術を担当する日は、朝早くから手術室にこもりきりで手術に没頭しているうちに外は暗くなっています。やっと仕事を終えて帰宅した途端に緊急手術などで病院に呼び戻されることも多いです。帰宅すると家人はもうとっくに寝ていることも多いです。

私が飯田市立病院に赴任したのは24年前の平成元年4月で、産婦人科のスタッフは最初たった3人(産婦人科医1人、助産師2人)しかいなくて、その3人で外来診療も病棟回診も分娩もすべてこなしました。当時は県内で最も小規模な産婦人科でしたが、この24年の間に扱う分娩件数は県内最多となり、産婦人科スタッフも大変な大所帯となりました。

1年後には県下最大規模の周産期センターも完成する予定なので、多分これからますます忙しくなると思います。眼前には多くの困難がたちはだかってますが、みんなの力を結集して困難を一つ一つ乗り越えていくしかありません。いろいろ悩んでいてもしょうがありません。今まで何とかなってきたんだから、多分これからも何とかなることでしょう。ここまで来たら今さらもう後戻りはできません。定年退職までの残りの6年間は、最後の御奉公でこのまま行けるところまでどんどん突っ走って行くしかありません。その後は大学医局の優秀な後輩達が立派に引き継いでくれることでしょう。


私のダイエット遍歴

2012年11月05日 | ダイエット

私は今まで何度もダイエットを試みて、その度にリバウンドを繰り返してきました。

記憶に残る最初のダイエットは高校1年の時です。中学時代は柔道部に所属し太め体型で通しましたが、高校に入って陸上部に入部して長距離走に打ち込み、高校時代はスリム体型で通しました。最初に入学した名大理学部時代は、趣味がヨガとサイクリングでスリム体型を維持しておりましたが、信大医学部に入ってからは特に運動をしなくなり、だんだん体重が増加し、大学卒業時にはかなりの肥満体型になってました。

新入医局員の頃に一念発起して短期間のうちにランニングで20kg程度のダイエットに成功した記憶があります。一時期、医局三大ヤセの一人に数えられたこともありましたが、その後は運動の習慣がなくなって、いつの間にか肥満体型に逆戻りし、医局をやめる頃には医局三大デブの一人になっておりました。

今の病院に就職して24年間経過しましたが、その間、恒例の年中行事のようにダイエットとリバウンドを繰り返してきました。若い時は気合を入れると10kg程度の減量は比較的容易でしたが、年を取るにつれて減量がだんだん難しくなり、最近数年間はいくら頑張っても若い時ほどには簡単に減量できない状況が続いてました。

今年は恒例のダイエットを2月より開始して、最初の3ヵ月で約10kg程度の減量に成功し、その後の半年間は何とかその体重を維持してます。本当はあと5kgほどは減量したいと思っているのですが、これ以上の減量はなかなか難しい状況です。無理せず、ゆっくり気長に目標の体重に近づいていきたいと思っています。現在、日課として私が実行していることは、ゆるい糖質制限食と体重を毎日計測してグラフ化することくらいです。

****** 体重管理グラフ

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新生児蘇生法をチームで学ぶ意義

2012年11月04日 | インポート

世界中で毎年400万人の新生児死亡があり、そのうちの約2割が分娩時の仮死によるものとされています。つまり、世界中で毎年80万人の新生児が分娩時の仮死で死亡していることになります。また、約10%の新生児は出生時に子宮外の環境に適応するために吸引や刺激などのサポートを必要とし、約1%の新生児は人工呼吸や胸骨圧迫などの積極的な蘇生なしでは生存は難しいとされ、出生直前まで予測できない重症の新生児仮死も決してまれではありません。

胎児は母体内で発育の初期から心拍動を開始し循環器系は機能してますが、呼吸器系は母体内では全く機能してなくて、出生直後に急激な変化が起こって呼吸を開始します。その急激な変化に適応できず呼吸をうまく開始できない病態(新生児仮死)が一定の頻度で発生します。新生児蘇生法はそれに対していかに介入すれば呼吸を開始させることができるのか?というスキルです。従って、新生児蘇生法は、成人や小児の心肺停止を対象とした心肺蘇生法とは全くコンセプトが異なります。新生児蘇生法の蘇生成功率は、成人や小児の心肺蘇生法と比べて格段に高いです。

仮死で蘇生が必要な場合は、出生直後に蘇生の必要性を判断し適切な蘇生処置を開始する必要があります。産科病棟には大勢の産科医や助産師が勤務してますが、交代制勤務でいざという時に誰が担当しているのかわかりません。いざという時に誰が担当していていても常に同じレベルで蘇生を直ちに開始できるように準備を整えておく必要があり、チーム全員がNCPR講習会を定期的に受講してシミュレーション・トレーニングを繰り返して、新生児蘇生法に習熟しておく必要があります。

自宅や救急車内で分娩となってしまう妊婦さんは当科でも毎年必ず数人いますので、地域の救急隊とも産科救急の対応についてよく話し合って手順を決めておく必要があり、救急隊員を受講対象とした分娩介助や新生児蘇生法などのシミュレーション・トレーニングも必要だと思います。


新生児蘇生法(NCPR)講習会Aコース(於:飯田市立病院)

2012年11月03日 | 周産期医学

本日、新生児蘇生法(NCPR)講習会Aコース(於:飯田市立病院)が実施されました。

私もインストラクターとして参加しましたが、私の担当したグループのメンバーは、いつも大変お世話になっている新生児科医、ベテラン麻酔科医、当院産科病棟のベテラン助産師などで、日々、第一線で新生児蘇生法を実践している人達のグループでしたので、私から彼らに技術的に教えるようなことはほとんど何もなく、逆に麻酔科の先生からは新生児の気管内挿管のコツをいろいろと教わったりして、本日はとても勉強になりました。非常に楽しく有意義な実習をすることができました。

順調な分娩経過で全く問題のないケースだと思って分娩に立ち会っていたのに、いざ児が産まれてみたら、なかなか児の呼吸が始まらず、予想外に本格的な新生児蘇生法が必要となる事態も決してまれなことではありません。今後もチームで一致団結して新生児蘇生法に取り組んでいきたいと思います。

本日の講習会には救急隊員の人達も多く参加してました。救急隊員の人から「自宅や救急車内で分娩になってしまった場合には、どのように対処したらいいのでしょうか?」というような質問がありました。臍帯処置の方法、搬送中の児の温め方などについて、産婦人科医、新生児科医が意見を述べ、今後の対応方法について話し合いました。自宅や救急車内での周産期救急への対応については、今後もよく話し合い検討していく必要があると思いました。「周産期救急への対応をいろいろな職種の人達が一堂に会して学ぶALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)やBLSO(Basic Life Support in Obstetrics)を県内でもぜひ開催したいと考えているので、今後もいっしょに勉強していきましょう!」とコメントしました。

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F先生のインストラクター・デビュー戦

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救急隊員の受講生のみなさん