congenital duodenal atresia
【頻度】 6,000~10,000人に1人。
【合併疾患】 Down症候群の合併が多い(30%)。先天性食道閉鎖症、輪状膵、腸回転異常症、鎖肛、先天性心疾患などを合併することもある(合併疾患の頻度は50%)。
【概念】
・ 十二指腸が発生する過程の異常による。
・ 膜様型、索状型、離断型、多発型があり、膜様型と離断型が多い。
・ 膜に孔があり通過が可能なものを狭窄症という(閉鎖症の約半分の頻度)。
・ Vater開口部の肛門側の閉塞であることが多い
・ 低体重児に多い。
【症状】
・ 羊水過多
・ 嘔吐(閉鎖部位がVater開口部より口側にある十二指腸閉鎖では、嘔吐物に胆汁が含まれず、Vater開口部以下の閉鎖では胆汁性嘔吐が認められる)
・ (上腹部に限局した)腹部膨満
・ 出生後24~48時間以内に胎便排出がない(胎便排泄遅延)、閉塞が乳頭開口部より遠位ならば灰白色便
【検査】
・胎児超音波検査:胃泡と閉塞部位より口側腸管の拡張がみられれば腸閉鎖の疑いが濃厚である。羊水過多を認める。現在では、出生前診断で見つかることが多い。
・X線写真:double bubble sign。
腸回転異常症の診断には注腸造影検査が必要。
【治療】
・ 経鼻胃管による持続吸引で減圧
・ 輸液
・ 手術: 十二指腸十二指腸吻合(ダイアモンド吻合)
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問題 羊水過多をきたす胎児異常はどれか。1つ選べ。
a. 十二指腸閉鎖
b. 腹壁破裂
c. 臍帯ヘルニア
d. Hirschprung病
e. 鎖肛
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正解:a