Jan.12-13 2006 ワインの国から熱燗の国へ

2006年01月14日 | 風の旅人日乗
1月12-13日 木曜日-金曜日

今朝寝たのが朝3時半だったせいで、朝7時のモーニングコールにやっとのことで起こされて、シャワーで目を覚まし、荷造りもそこそこに、ホテルのレストランに向う。

出発前の1時間、朝食を食べながらのミーティング。
スロベニア滞在最終日なのに、今朝はスロベニアの美味しいハムを味わう余裕がなかったのが残念だったけど、とても有意義な1時間のミーティングになった。

ここに来たときと同じく、ミハ君が約束どおり9時15分にホテルまで迎えに来てくれ、チェックアウトを済ませて、イタリアのトリエステ空港までの約1時間のドライブに出発。

道中、トリエステと、そこから100キロのベネチアにまつわる歴史のレクチャーをミハ君からしてもらう。今日もいい天気で、イタリアサイドから見るアルプスが一望だ。

スロベニアは、1991年に旧ハンガリーから独立を果たした国で、わずか10日間だが、独立戦争も経験している、のだそうだ。

地中海に浮かぶサルディニア島とほぼ同じ面積だが、スロベニアの海岸線は、わずか47キロしかない。つまり47キロだけ海に接していて、あとはすべて山の中なのだ。
なのに、セーリングはすごく盛んだ。貴重な海だからこそ、それを大切に楽しもうとするのだろうか?
その論理からすれば、日本人は逆に海に恵まれすぎているから、海の素晴らしさに気が付かないでいるのだろうか?

海について言えば、日本人ほど不思議な人たちはいないと思う。政治家も、国民も、まったく海に重きを置かない。とーても不思議だ。

11時30分トリエステ発の便で、ミラノに向う。旧式のプロペラ機は、ベニス上空まで海岸線を飛び、それからアルプスの裾野に沿ってミラノに向う。
視界はものすごく良く、1時間半のフライトも窓の外の光景を見ているだけでまったく退屈しない。
雪を薄く被った険しい山肌のアルプスは、35ノット以上の風が吹く海を追い風で走っているときの、波の背中側から見る波頭を思い出させる。

ミラノ空港で、イタリア産のスパークリングワインとシャドネーを買い込み、成田行きの便に乗り込む。
食事が終わるや否や、すぐに意識を失うように寝てしまう。昨日ほとんど寝てないからな。

次に起きたら、飛行機はもう日本海を渡り終えるところで、あっという間に1月13日金曜日午前中の日本が目の前だ。
お昼前に成田に着いて、渋滞のない東関道、首都高、横浜横須賀道路をスイスイ走って葉山に戻り、今回のヨーロッパでのセーリングの資料と写真をプリントアウトして、夕方それを持って都内某所へミーティングに出かける。

ミーティングの後に流れた居酒屋で飲んだ熱燗が五臓六腑にしみわたり、自分の顔がまっかっかになっていくのが、鏡を見なくてもよく分かる。

かくて、今週月曜日に始まったヨーロッパ・セーリング出張は、本日金曜日、日本で無事完結した。
いやさか。

では、おやすみなさい。