月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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レグルス・7

2016-08-31 04:22:32 | 詩集・瑠璃の籠

美しい女など
馬鹿だというのなら
なぜそんなにまでして
情熱的に追いかけるのか

まともに稼げないから
女は馬鹿だというのなら
なぜそんなにまでして
稼ぎを女につぎ込むのか
馬鹿どもめ

愛し合うことが
本当の人生の目的だと
わかるときが来るまで
おまえたちは
愛に狂い続ける

愛を馬鹿にしておきながら
愛を欲しがる自分の
馬鹿さ加減を肯定するために
馬鹿こそが正しいのだと言って
あらゆる理屈を捻じ曲げて
狂奔し続ける

矛盾に引き裂かれ続ける
痛すぎる自分を
無理にでも生かすために
おまえは女を殺し続けてきたのだ

すべてを失うまで
何もすることができなかった
たったひとこと
傷つくことを恐れずに
愛しているという
そんなことが
できなかったばかりに
何もかもが馬鹿になった

世界が変わってしまうまで
愛の課題を
ひとつもまともに片づけることができなかった
それが人間の男だ

阿呆が




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ルナ・25

2016-08-30 04:24:30 | 詩集・瑠璃の籠

わたしは今
とても静かなところに
います

ばらが
かすかに子守唄を
歌ってくれます
外の風の音を
何も聞かないで
静かに眠っていなさいと

花の香りは
絹のよう
花の色は
どんな色かしら
見てみたい
でも疲れているので
まるで縫われているように
目を開けることが
できないのです

もうここには
きれいなものしかないから
何も考えなくていい
あなたはもう
何もしなくていいと
ばらが
ささやくのです
なんども なんども

わたしは
幸せにしてあげたかった
みんなを
ただそれだけだった
それだけしか
わたしにはないのです
今でも

あやまちも
苦しみも
湯の中の砂糖のように
溶けてしまった
このまま
少しずつ
思い出も
溶けていくそうです

忘れていくのです
わたしは
なにもかもを

そうでなければ
いけないと
だれかがいうのです




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メンカリナン・9

2016-08-29 04:34:33 | 詩集・瑠璃の籠

それは
世界を描いている万色の絵具が
たった一色減った
それくらいの小さな変化なのだ

それなのに
何かがごっそりとなくなった気がする
目に見える景色が
突然薄っぺらになった気がする
まるで風景を描く画家の腕が落ちたかのように

あなたがたは
なんとなく
空気に首を絞められるような
息苦しさを感じる
空気の中に
何かが足りないのだ
だがそれが何なのかまだわからない

蝉の声も
花々の色も
木々のざわめきも
雲の高さも
すべての自然界のものが
あなたがたに言うのだ
聞こえない声で

もう二度と
あの愛のようにやさしくは
人間を愛しはすまいと




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骨の掲示板

2016-08-28 16:59:18 | 星の掲示板

21枚目の掲示板を設定する。







絵/ポール・セザンヌ






コメント (104)
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コル・カロリ・5

2016-08-28 04:19:09 | 詩集・瑠璃の籠

あなたがたは
愛し方というのが
まだとても下手です
だから
基本的で一番大事なところを押さえた
愛し方を書いておきましょう

まずは
好きな人がいる
その気持ちを大事にしなさい
その人がいる
それだけで自分は幸せだ
その人のことを
考えなさい

その人の幸せのためには
どうすればいいだろう
その人が幸せになるために
自分は何をすればいいだろう
その人の気持ちになって
考えてみなさい

愛しているからと言って
むやみに関わって
その人の活動を邪魔してはいけない
見守って
その人が自分を生きていることに
幸せを感じていることを
幸せに感じているのです

いつもはあまり近寄らないで
あの人が生きていく世界を
少しでも明るくするために
あなたも自分にできる
美しいことをやっていましょう

そして
あの人が一番助けを必要としているときは
誰よりも早くかけつけて
助けてあげるのです
自分にできることはすべてやって
そしてそれが終わったら
すぐにその人から離れなさい
いつまでもそばにいると
その人が苦しむから

愛する人のために
何かをやれるだけでいい
ほかには何もいらない
それだけで幸せだ

これができるようになったら
あなたがたは愛することで
本当に美しい幸せを得ることができるでしょう




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ベクルックス・45

2016-08-27 04:20:30 | 詩集・瑠璃の籠

これからの時代は
美女という存在がいなくなります
段階の若い女性たちには
顔かたちの整った女性はいるでしょうが
それは美女とは言えません

美女というものは
顔かたちが美しいだけではなく
神の美しい愛を過ちなく
正しく表現できなければいけないのです

段階の進んだ女性たちは
平均的に
すべてが少し醜くなってくるでしょう
美女になることはできません
そのほうがいいからです

あなたがたは
神からいただいた美を馬鹿にして
痛いことをやりすぎた
それゆえに
本当の美の姿に至るために
少しは修行をしなければならない
そういうことになったのです

少し自分を醜くして
美しいことをたくさんやっていくという
勉強をしていくのです
顔ではなく
行動を美しくするのです
美女の道というものは
本当はそういう努力から始まっていくものなのです

人から美を盗んで
美女に成りすましている女ほど
醜いものはない
そんな嘘を平気でつける心が醜いということに
もう気づきなさい

醜い心の姿を脱ぎ
本当の自分の美に至るために
少し醜くなって
本当の自分をやっていくのです
まじめに自分の仕事をやり
人の幸せのために尽くしていくのです

遠い道ですが
それが本当の
神の美容というものなのですよ




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ベクルックス・44

2016-08-26 04:18:52 | 詩集・瑠璃の籠

佳人薄命という言葉がありますが
そのように
本当に美しい女性は
早くに死んでしまうという傾向があります

それは遠い昔に
男が女に
愛の責任を押し付けてしまったからなのです

男が女への愛に狂ってしまったとき
男はそれが自分の未熟さのせいなのだとはせずに
女がいるから悪いのだと
そういうことにしてしまったのです
それで男は
本当に女性を愛したとき
その女性がいかにも簡単に死んでしまい
それを失ってしまうという運命を
自ら作ってしまったのです

エウリュディケを失ってしまったオルフェウスのように
男は愛する女性を失うことが
どんなに自分を苦しめるかということを
味わってきた
それなのに
愛の責任を女性に押し付けるということを
やめることが全くできずに
とうとうすべての女性を失ってしまうということにまで
なってしまったのです

もうそろそろわかりましょう
何もかもは
女が悪いのだということにしてきた
男が悪いのです
神は何度も何度もそれを教えてきたのに
男は全くそれを改めることができなかったのです

失ってしまったものは取り戻すことはできないが
それが十分にわかったのなら
もう愛の責任を人に押し付けるのはやめましょう
愛は愛するものが背負うものです
愛していくことの苦しみを
愛することゆえに起こる苦しみを
すべて自分で背負ってゆきなさい

そうすれば
あなたがた男性は
新たなる女性との間に
新たなる愛を結んでいくことが
できるでしょう




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スピカ・32

2016-08-25 04:21:39 | 詩集・瑠璃の籠

なくしてしまったものは
もう戻りません
神が
すばらしい愛を
どんなにたくさん創造しようとも
同じ愛は
二度と創ることはできないのです

あの人は
やさしい人だった
どんなに小さなものにでも
悲しみを見れば
すぐに降りて来て
何もかもを世話してくれる
そんな愛だったのです

あの人と
同じ愛を
表現してくれるものは
いません
ですからあなたがたは
その喪失を補うために
あらゆる努力をしなければならない

タンポポがいなくなれば
小さなガザニアを用意しましょう
白い薔薇がいなくなれば
白いアネモネを用意しましょう

過去のパズルに合う
完全なピースなどない
パズル全体を変えていくか
代わりのピースを変えていくか
あなたがたの努力でやっていくのです
そして
失った愛を補っていきなさい

そうして
なくしたものの大切さを
学んでいきましょう
この世界に
消えてしまっていいものなど
存在しない
神が創られた限りは
それはみななくてはならない
すばらしいものなのです




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ズブラ

2016-08-24 04:15:41 | 詩集・瑠璃の籠

獅子の顔をかぶり
油を焚いて
偽りの王国を奪おうとする
暗い馬鹿がいる

何もわかってはいない
泥のような欲望に浸りこみ
盗人のようににたにたと笑い
人を殺すことだけを考えている

人間に魂があることなど
それは知りもしないのだ
人間の足を
虫のようにちぎって
苦しんでいる姿を
ああおもしろいと言って
指さして笑っている

聖金をひねり
弾丸を編み
その馬鹿を撃て
獅子の仮面をはぎ
ウジ虫よりも醜いその正体を暴き
シジフォスの野に住む
黒い馬鹿の腸癌の奥にある
絶望の国に追い払え

何も知らぬ馬鹿のうちになした
殺戮の数々を
巨大な暗石にして背に縛り付け
永遠の野で
水から油をとる
圧搾機の前で働かせるのだ





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レグルス・6

2016-08-23 04:21:22 | 詩集・瑠璃の籠

気をつけよ
リンドウの影には
蛇がいる

影でリンドウを馬鹿にし
粉々に切り砕いて
風呂の焚きつけにしておきながら
野のリンドウの愛を
平気でむさぼろうとする馬鹿は
蛇の洗礼を受けよ

毒に当たり
のたうち苦しむがよい
氷の野に落ち
孤独の檻に縛られるがよい
永遠の闇の中で
惑いに濡れそぼつがよい

気をつけよ
リンドウの影には
蛇がいる

リンドウを踏みにじったものは
リンドウを摘んではならぬ

月を殺したものは
月の飴をなめてはならぬ

一寸でも影を踏めば
神がおまえに復讐するだろう




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