はてしない海に向かう道を
あなたは歩いている
影を踏んでいる間はいいが
その影がそろそろいう
もう行かなくてはならないと
ああ
海と思っていたものは
青い砂漠だった
水などありはしない
だが微かに流れる音がする
どこかに不思議な穴があり
この砂漠から
もう一つ別の砂漠へと
砂が流れているのだ
それは不思議な砂時計なのだ
永遠を数えていく
苦しい砂時計だ
その永遠の一つが終わる
青い砂漠の砂が落ち切る時
神は新しい時計を
あなたのために下ろす
もうあなたは終わった
あなたは別のあなたになった
そのあなたを数えていくために
新しい時計が発生するのだ
なぜ
人を傷つけることばかりしたのか
なぜ
あんなにも
人を愚弄したかったのか
夢にも思わなかった
それがどんどん自分を壊していくことなのだとは
あなたはもうあなたではない
永遠に別のものとして生きることになる
その永遠をかぶりつづけていく
なにもかもをなくしたものという
恐ろしく深い名前を負い
失ったものを忘れながら
もうひとつのあなたとして
なにものかになっていく不思議な自分を
経験していくのだ
それが愚かなことなのだと
わかるものになることができるかどうかは
神にすらも
わからないのだ