透明な死魚を吐き
死魚を吐き
おまえはそれを積み重ね
自分を守る城をつくる
半月のつるぎの
突き刺さった心臓を守るために
死魚を吐き積む
永遠に不安のない
自分の島をつくるために
風のような死魚を吐き積む
それは永遠に終わらない
言い訳の風だ
夢を見ていたかった
あほうになっていれば
いつのまにかすべてが
自分の都合のいいようになっている
そんな夢を見ていたかった
愚か者め
おれは何もしてはいない
すべては
神の過ちなのだと
赤い心臓から滴る血を
ぐみの実が風に落ちるのだと偽りながら
闇に汚れた目に
涙が染みる
ああ
逃げるところが欲しいと
虚無の壁をひっかきながら
馬鹿はまた死魚を吐き
いいわけの城をつくる