神が運命の壺を傾け
苦い水をあなたの上に落とす
かすかな水音におびえるあなたは
何もできない自分から逃げようとして
スケープゴートを探すのだ
積み木のような論理を重ね
嫉妬していることを隠そうともせず
あなたはそのものの髪をつかみ
暗いナイフで
一息にさしつらぬこうとするのだ
すべてはおまえのせいだと
暗闇のとばりの奥で
ぐつぐつと煮込んだ臓物の匂いに
顔をしかめながら
これはわたしではない
わたしではないと
ささやき続ける
愚か者よ
鈍い嘔吐感が
常に魂の中にある
そんな自分の中心から
逃げ続け
逃げ続け
あなたは今も
スケープゴートを探している
何もかもはあいつのせいだと
言えるものをさがして
あなたは
永遠に
運命のしずくから逃げるつもりなのだ