水色の 世界の終わりを着て
大いなる神が空を流れてゆく
すると人間が猿知恵を複雑に絡ませて造った
虚偽の塔が立ったまま馬鹿になる
あんなものを誰が造った
壊すことさえできないほど
あんな大きな馬鹿を誰が造った
あんなものを見ていなければならないのか
いつまでも いつまでも
人間はあんな人間の馬鹿を
見ていなければならないのか
空にまで届きそうな塔は
美しいものと反対のもので造られた
だから美しいと人間の目に見えるように
あらゆる猿知恵を塗らなければならなかった
それでもごまかせない嘘を
見破りそうなやつはみな馬鹿が殺した
馬鹿が 偉いのだ
馬鹿が 美しいのだ
馬鹿が 馬鹿の方が
幸福なのだ
痛い
痛い
なにも ない
幸福の砂絵は
風が吹けばすぐに消えてゆく
だが何もなかったことになりはしない
赤恥の記憶を映しだす水に
無理やり火をつけて燃やそうとした
なんとかなるのだと
何度も火を点け続ければ
水は燃えるのだと
それですべてはなくなるのだと
一体人間は 誰に教わったのだ
人間の世界に
不思議なことは起こらない
この世に起こる現象は
すべて法則の流れが引き起こす
水が燃えると信じていたものは
そろそろそれをあきらめなさい
もう二度とあの塔は
美しいものになることはできない
永遠に人類の恥のしるしとして立ち続け
人間はそれを見たくないがために
塔の見えないところに逃げるだろう
世界の終わりは沈黙の水色をしている
青い地球に点眼するように
白い神々が降りてくる