無理に無理を重ね
また無理を重ねて
ようやくなした
月の功のおかげで
人間は自分を知ることができた
自分というものを
正しく生きることによって
正しい幸福に向かって
生き始めることができた
世界に
明るい光が差した
それなのにまだ
人間は月の功を認めない
あれがあったからこそ
今の自分があるだろうに
あれをやったのが
誰なのかを知らないわけではなかろうに
人間が
未だにそれを
振り向こうともしないことを
苦い思いで
皆が見ている
人間はまだ
月の勲を認めようとしない
あれがどんな苦労をして
やってくれたかを
知っているはずなのに
わかっているとも
人間はいやなのだ
月があまりにも美しい女であることが
美しい女が
人類を助けてくれたのだと
そんなことを考えるだけでも
人間はつらいのだ
ああ いやなやつらだ
人間は
人間を
あらゆるものが見ていることを
考えねばならない
人間がやっていることを
神も
天使も
花も
森も
海も
山も
動物も
すべてが
見ていることを