偽物の自分を日に干して
雑菌をとりのぞき
絵のように美しくして
人に見せびらかすのではない
本当の自分を暗がりに隠し
天狗のような仮構の仮面をかぶり
それはそれはうれしそうな顔をして
嘘を衒うのではない
人間ではなくなったものたちが
極上の人間のふりをして
大きな宝石の耳飾りを振り回し
天国の情景を演じている
わたしはついに
わたしを勝ち得たと
大笑いしながら
マネキンのような美女たちと酒を酌み交わし
虚構のダンスを踊っている
壊れた卵のような霊魂を抱いて
美しいものになりたかった
その美しさの極限にあるものが
本当の自分自身というものであると知ったとき
馬鹿どもは
偽物の天然石を飾り付けた張りぼてに
本当の自分自身と名をつけて
それで永遠の美女になろうとしたのだ
じんるいよ
それはおまえではないと
神のささやきを封じながら
トカゲの血で染めた赤い酒に酔っている
そしてもはや二度と帰れはしない故郷から
無限の黄昏の荒野へ
しずくのように落ちていくのだ
あほうよ
あほうよ
どうしようもないあほうよ
まだ目が覚めないか