月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ゾスマ・35

2016-11-30 04:16:44 | 詩集・瑠璃の籠

人間が嘘で築いた牙城など
砂の城よりもはかない
それが霧に描いた
風景だと気づくのは
すべてが消えてしまった後だ

ネズミの尻尾の影に隠した
黄金の糞の
正体がばれた時
すべては消える

何もかもは
あれを神だと思っていたから
できていたことだったのだ

巨大な蟻のような骸が
腐ることもできずに
まだ生きている
そのむなしい世界を
おまえたちは
生きていかねばならぬ
甘露だと思っていた
小便の酒を飲みながら
案山子のように汚い
美女を抱きながら

永遠に
女神のように愛していくと
神の前に誓った
アンドロイドの皇后に
宝石と極上の絹を着せながら

文明という巨大なごみを
完全に掃除してしまうまで
王の姿をした馬鹿の奴隷を
おまえは生きていかねばならぬ




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メンカリナン・13

2016-11-29 04:17:09 | 詩集・瑠璃の籠

ジーザス・クライストの肩から
十字架を外し
あの馬鹿の背負わせよ

そいつは影で
神の蔵から金のネズミを盗み
その血を吸っておきながら
当然の顔をして
王宮の玉座に座っているのだ

あれが生きている限り
神のネズミは出てこない
ネズミが出てこなければ
鳥が生きられない
鳥が生きられなければ
人間が生きられない

人間がよく不幸になるのは
あれのせいなのだ
善人の振りをしているが
あまりにおかしな巨大な罪を犯している
馬鹿なことをしたということを隠して
大嘘をついているだけで
すべての人間を滅ぼそうとしているのだ

あれを玉座から引きずり落せ
そして十字架を背負わせ
海に向かう一筋の道を
一人で歩かせよ
そして永遠の国外に追放するのだ
もう二度と帰って来るなと言ってやれ

もう永遠に
おまえの顔など見たくはないと




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アークトゥルス・20

2016-11-28 04:19:30 | 詩集・瑠璃の籠

なぜあなたがたは
神が行ってはいけないという方向に
ことさらに行こうとするのか
もうそっちに行っても
虚無の壁があるばかりで
何も未来はないというのに

あなたがたは
巻き戻せるはずのない時間を
巻き戻そうとして
同じことばかりを繰り返す
すり減ったテープのように
記憶を再生するたびに
自分がすり減っていくというのに
また同じことをする

二度とない人生を
あなたがたはそうやって
ことごとく無駄にしてきたのです

なぜあなたがたは
そうやってことさらに
行ってはいけない方にばかり行くのか
なぜ引き返さないのか
引き返した方が格段に楽だというのに
あなたがたはそれを信じようとしないのだ

なぜならあなたがたは
怖いのだ
遠い昔に
たった一言
おまえなど馬鹿だと言って
愛する人を傷つけてしまったことが
本当は間違っていたということを
自分に認めるのが怖いのだ

たったそれだけのことで
何万年の時を無駄にしてきたことを
認めるのが怖いのだ
だからことさらに
もうそれ以上は進む道のない道を進もうとして
同じことばかり繰り返す

もうやめなさい
それ以上そのことをやっても
何もなりはしない
あなたがたは疲れ果て
死に似た怠惰の中に溶けて
自分を闇に塗りこめていくだけだ

引き返しなさい
もう十分にやりつくした
何も考えなくていい
心を動かさなくてもいい
ただ
神の言葉に従い
来た道を引き返しなさい




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ベラトリックス・17

2016-11-27 04:15:35 | 詩集・瑠璃の籠

わたしたちの前に
あまり傲慢な態度を見せてはいけません
なぜならもう
わたしたちはあまり手加減をしないからです

あなたがたが
わたしたちを滅ぼそうと
強引な手を使ってくれば
わたしたちは
実力の違いを見せるでしょう
少しでも痛いことをしてくれば
遠慮なく復讐をするでしょう

あなたがたと
わたしたちでは
積み重ねの量が違いすぎるのです
あなたがたはまだ
小さな家を一つ持つのが精いっぱいだが
わたしたちはひとりひとりが
大きな国を持っているのです

あなたがたは
数メートルを飛ぶのが精いっぱいだが
わたしたちは
山をも飛び越えることができるのです

あなたがたは
牛を動かすのが精いっぱいだが
わたしたちは
海を動かすこともできるのです

馬鹿をやるのはもうやめなさい
あなたがたの傲慢な態度が
あまりにひどいので
もう子供に甘い顔をするようなことを
わたしたちは大幅にやめることにしたのです

本気でわたしたちと戦う気なのなら
本気で叩き潰します

わたしたちはもう
怒っているのです




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ベネトナシュ・12

2016-11-26 04:14:48 | 詩集・瑠璃の籠

植物というものは
すべてが人間より進化した魂ですが
動物というものは
ほとんどがまだ
人間より幼い魂です

ほんの少し
人間より進化した魂がやっている
動物もあります
また
鹿や蛇などの中には
まれに特別な魂がやっているものがあり
それは神のように敬わねばならず
決して殺してはなりません

魂のない生き物などありません
ほんの小さな虫の中にさえ
確かに何かがいる
生きることを感じている
美しいものがいる
それは
あなたがた人類が
恐ろしく少なかったころの
姿でもあるのです

魂というものはすべて
かつてああいうものであった
そんな頃があったのです
馬鹿にしてはいけません

殺してもよい動物がいるのは
まだそれを許されているからです
殺してもまだ彼らには
死ぬということがよくわからないからです

しかし
あまりにむごく殺しすぎてしまうと
獣というものも
その悲しみを覚えてしまう
もうそうなれば
あなたがたはその動物を
殺して食べることはできません

獣や鳥という存在の
魂の姿を見つめ
存在というものの美しさを学び
神がどのような苦労をなさって
自分たちを育ててきてくださったのかを
深く知りなさい




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エルナト・26

2016-11-25 04:20:55 | 詩集・瑠璃の籠

ひともとのはかなげな百合を揺り
大地をひっくり返して差し上げましょう

消えてしまったひなげしは
もう何もできないが
夢に溶けたひなげしの傷を負い
嘆き悲しんでいる花は
ごまんといる

あなたがたは
自分が何をしたのかを
まだまるでわかってはいない

臓物をむさぼる馬鹿が
くそみそにけなしてしまった花を
わたしは
ヒ素毒の剣にして
あなたがたの
何万という首を落とすのです

ほぞをかんで悔しがるがよい
エルナトの暴虐が
何をあなたがたにもたらしたのかを
あなたがたが知る時には
もうすべてが遅い

天使に何ができると
思っているのか
あなたがたは知りはしないのです

怒りに燃えた愛が
一体何をするのかは
愛が決めることだ

暴虐をなして恥じない者の
永久歯をすべて抜き
それはもう永遠に生えてこない

愛はあなたがたを
そういうものにするつもりなのです




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アルギエバ・25

2016-11-24 04:17:26 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿をやって
つらいことになるとわかっていながら
馬鹿をやるのが人間なのだと
虚無感を気取り
わびさびを気取り
だからこんな自分をわかってくれと
助けてくれという
人間は
自分が馬鹿をやって苦しめるものの
気持ちをわかろうとしない

おまえが自分の気持ちをぶつけて
ふみにじった花が
何にも痛い思いをしていないと思うのか
おまえがよけいな心を寄せて
応えてくれないのを恨んで
勝手に殺してしまった女が
何も感じてないと思うのか

馬鹿者め
いつまでもガキのわがままを
自分に許しているのではない

悪いことをしたおまえのために
万人に頭を下げてくれた親に
謝れ
おまえがわがままを押し付けて
馬鹿にしつくした妻に
謝れ

嫉妬だけを理由に
無残に殺してしまった友に
償え
何も言い訳はできない

おまえは
馬鹿をやらないという選択も
自分でできたはずなのだ
それなのにそれをやらなかったのは
馬鹿になったおまえの責任だ
おまえを創った神のせいではない

いやなことばかりして
迷惑をかけつくした世界に
全霊で頭を下げよ
そして何もかもをやっていくのだ
奴隷のように働かされるのを厭わずに

我が名はアルギエバ
獅子の星である





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ゾスマ・34

2016-11-23 04:16:43 | 詩集・瑠璃の籠

出て行け
おまえはもう神の子ではない
なぜならおまえは
自分でそれをやめたからだ

いやなことをして
馬鹿ばかりをやって
人を馬鹿にして
神を馬鹿にして
つらいことになっても
自分を改めようとせず
全部自分の方がいいということにしてくれと
おまえは言った

よいものを人から盗んでも
許される
自分よりいいやつを殺しても
許される
何もしなくていい
そういうものに自分をしてくれと
おまえは言ったのだ

何物にも代えがたい愛を
自分が好きなだけ食える肉にしてくれ
それを食えばいいだけで
後は何もしなくていい
そういう世界にしてくれ
全世界を
おれだけのためのものにしてくれ
おまえは神にそう言ったのだ

それは
神をすべて否定することだ
愛によってすべてのものを幸福にしようとする
神の愛を冒涜することだ
ゆえにおまえはもう
神の子であることを
自ら捨てたのだ

出て行け
もうおまえは
神の国にいてはならぬ
神の知らぬところへ
どこへなと行くがよい

おまえはもう二度と
神の家の敷居をまたいではならぬ




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塔の掲示板

2016-11-22 19:00:35 | 星の掲示板

29枚目の掲示板を設定する。





絵/カナレット





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カペラ・7

2016-11-22 04:17:28 | 詩集・瑠璃の籠

人間の不幸というものは
イライラする心を抑えられない
そういうことから始まるものです

人が自分の言うことを聞いてくれないのに
イライラする
人が自分よりいいことに
イライラする

そんな心に
気持ちを煮たたせて
怒りが持ち上がり
何も考えずに
馬鹿なことをしてしまい
それが反動として返ってきて
不幸に落ちる

そういう図式が
人生にはあります

ではなぜ人は
イライラするのでしょう
それは
遠い昔に自分のしたことが
まだ心の奥に残っているからです

遠い昔の
まだ支払えていない自分の罪が
自分の中で常にうずいてくることが
人間のいら立ちの元なのです
馬鹿はこれが嫌で
すべてを他人のせいにしてしまう
馬鹿なことをして
また罪を重ねてしまい
一層いら立ちの元を増やしてしまうのです

この図式がわかったら
やらねばならないことはただ一つ
自分のなした罪を正しく見つめて
それを正しく支払っていくことです

恐れてはならない
痛いのを怖がって逃げてはならない
自分から
運命に従順に従い
こういうことで苦しむのは当然なのだと受け止め
諄々と支払っていきなさい

人の下で
下僕のように働かねばならないことも
貧乏な暮らしに耐えねばならないことも
かつて自分のしたことからすれば
当然のことなのです

わがままを抑えなさい
この図式を正しく理解し
自分の中にイライラする心が芽生えてくれば
それを正しく観察し
今の苦しみに
素直に従っていきなさい




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