月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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シャウラ・5

2014-05-25 06:09:38 | 詩集・瑠璃の籠

バランス感覚というものが
肝要です

あなたがたは
バランスというものを考えず
なにもかもを乱暴にやりすぎる

見えぬものを見る力を磨き
聞こえぬことを聞く力を発達させなさい

山は岩の塊なのではない
大いなる魂の発動するすばらしい表現体です
感性を発達させれば
山が言っていることがわかるようになる

それは言葉でわかるのではない
自らの行動によってわかるのです

よいですか
この地上には
入ってはならない森がある
登ってはならない山がある
侵してはならない神の庭がある
そんなことさえわからぬから
人間はあらゆる霊的難を遮ることさえできないのです

高い感性を磨きなさい
バランスというは
霊的感性の中でわかることから
自然に和がたもたれる方向に
行動が導かれていくということです

感性の高いものは
やってはならぬことは
決してやらないからです



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シェダル・2

2014-05-24 06:21:53 | 詩集・瑠璃の籠

懊悩というものを飼うには
あなたがたの心はまだ弱すぎる

だが わたしたちは懊悩しません
苦悩が舌をひらめかせたと同時に
清らかな判決が
白い剣となってこの口からほとばしる

だが あなたがたは
懊悩しなさい
その小さな存在を鍛え上げ
内部に飼えるだけの懊悩を飼い
味わいつくし もだえ苦しみなさい

それがあなたがたの
内部を鍛えていくでしょう
肝をねじられるほどの
感情の矛盾に
疑問をぶつけ ぶつけ
闘いをいどみ
ねじふせていきなさい

何が最も正しいことなのか
その答えを生み出すたびに
その腹の中の懊悩に
はげしくもみこまれ
金剛石の自分の紋章が熱くあぶりだされてくる

それがあなたがたの
内部を作ってゆく

段階とはそういうものです
懊悩しなさい
人類よ



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シャウラ・4

2014-05-23 06:17:14 | 詩集・瑠璃の籠

今の時代
人々に「狂者」と呼ばれる覚悟をしなければ
本当の行動をすることはできません

なぜなら
人類は総出で狂っている
すこしでもまともな神経を持っているものが
まともな神経で行動をすれば
すべて狂っているものと思われることでしょう

常識という酒を注がれた盃を
地に打ち捨て
心臓になみなみと注がれた愛のみによって
行動してごらんなさい

狂ったのかと言われれば
それが真の勲章だと思いなさい

最初に言を起こすのはだれか
最初に行動を起こすのはだれか
わたしたちがつぶさに観察している視線に
まだ気づきませんか

人類はいつまで狂っているつもりなのか



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シャウラ・3

2014-05-22 06:16:57 | 詩集・瑠璃の籠

答えてくれた声は
ひとつだけだったのです

この世界を救いたいと
人類を救いたいと
だれか答えるものはないのかと
叫ぶ神の声に
この世で答えたものはひとりだけだったのです

それならば 神よ
わたしをお使いくださいと

わたしは小さなものですが
このわたしを差し上げます
神よ
わたしを使い
おん自らのお心を表現なさってください

それは
幼子に等しき
ひとりの少女の声だったのです

あなたがたは
たとえ
どんなに小さなものであろうと
それがまことのまことの心から発するものであれば
大きく神が動くことを
学ばねばなりません

たったひとりの
少女の声のために
八百万の神が動いたのです



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シャウラ・2

2014-05-21 06:08:50 | 詩集・瑠璃の籠

漫画ではないのですよ 現実とは
神の愛と それから花のように咲き誇る
あらゆる真実の現象が織り上げる幽玄微妙な芸術を
人間の浅薄な知識と分析力のみで
支配しようとしてはいけません

あなたがたは
美女とは馬鹿なものだと思いたかった
それで あらゆる女性を
そのあさはかなものさしのみで
測ろうとしてきた
美女とは馬鹿である 女は馬鹿である
その漫画的なものさしに逆らう女は
どのようなものでもしらみつぶしに潰してきたのです

なぜそうしたのか
それは
美女が馬鹿でなければ
簡単に恋やセックスができないからです
あなたがたは 恋 を
自分たちの浅はかな価値観と金だけで
測れるものにしたかったのです

愚かなことだ
あなたがたはいまだに
女性との間に
高い愛の心を結べない
恋は愛の悦びを吐く深遠なものですよ
花屋で買える花のようなものではない
美しい魂のドラマがいつも
人間を驚かそうと待ち構えている
だのにあなたがたは決して
その真実を認めようとはしない

そして
美女とは馬鹿なものだという
あなたがたの自己中心的で戯画的な信念に
真っ向から挑戦状をたたきつける天使が現れた時の
あなたがたの馬脚の現しようは
滑稽などというものではありませんでした



あなたがたのために
真実を語ってあげましょう
わたしなりのやり方で

わたしはシャウラ
天の毒針です





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サドル・2

2014-05-20 06:14:12 | 詩集・瑠璃の籠

欠けた水晶は美しい
よく光を吸い
軽やかに光る

現実の何もかもを
拷問のように重く
受け止めてはいけません
時には
翼のようにまとい
空を飛んでごらんなさい

半身を失った分
身が軽くなったのだと
思いなさい
高く飛べる
遠く運べる

頭が半分なくなれば
考えることは不器用になるが
そのぶん
何も考えず
真実のみに従い
やりぬくことができると考えなさい

大事なことは何なのか
最も優先すべきこと何なのか
それのみに頭を使い
あとは自己存在すべてにまかせるのです

本当にやりたいことをやっている
自己存在の真実の幸福を知っているものならば
何がもっとも正しいことなのか
考えずともわかる

軽やかに光りなさい
あでやかに舞えずとも
重厚にふるまえずとも
あなたがたには飛べる空がある

白鳥はなぜ飛べるのか
重い半身を捨てたからです



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シャウラ

2014-05-19 06:20:22 | 詩集・瑠璃の籠

わたしはさそりの星である

アンタレスを愛し
アンタレスに追随する

アンタレスは
愛のみによって
この地上世界に
鉄の虹の橋を
二十万ほど作る
その上を走るものは
虹と瑠璃と鉄でできた装甲車である

虹を見ることができたものは
幸せだ

わたしは
さそりの針である

口説の毒の針で
あなたがたの
心の臓を刺す



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ベクルックス・12

2014-05-18 06:52:40 | 詩集・瑠璃の籠

犯されたくなかったのに
犯されたの
いやだった
痛かった
熱かった
苦しかった

体も痛かったけれど
言葉はもっと痛かった
男は
女の背骨を焼いて
折るようなことを
平気で言うのよ

もういいんだよ
つらかったね
苦しかったね
よく耐えた
よく耐え抜いた
女性達よ
あなたがたはすばらしい

あらゆる
男たちの
誹謗と暴虐の雨が作る
薄汚い檻の中から
もう出て来なさい

あなたがたは
貶められたのではない
鍛えられたのだ

あなたがたは美しい
あらゆることを耐え忍び
生きてくれた
あらゆるもののために
生き抜いてくれた

さあ女性達よ
解脱を遂げ
本来のあなたがた自身に
戻りなさい



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アンタレス・8

2014-05-17 06:14:58 | 詩集・瑠璃の籠

わたしはその日
岩戸の文机の上にスケッチブックをおいて
絵を描いていた
小さな かわいらしい少女の絵を

ところが
何度ペンを紙の上に走らせても
絵は浮かび上がってこない
自分の頭の中では
髪をおろしたアンや
ものといたげな顔をしたゲルダなどの
かわいい娘を描いているはずなのだが
それがぜんぜん浮かび上がってこない
でも なんども描いていると
不思議にスケッチブックの紙が
きらめいて
白く澄みあがってくるように
光って来るのだ

何だか不思議だな
まるで真珠ののし板を作っているようだなどと
考えていると
傍らから声がした

なんて馬鹿みたいなものを描くの
もっとまともな絵を描きなさい
もっと
普通の絵を描きなさい

ふり向くとそこに
黒い鶏がいた
わたしはそこで初めて
自分が夢を見ていることに気がついた
鶏は
昔いつもわたしにきかせていた言葉を
何度もつばを吐き捨てるように繰り返す

おまえはふつうのことがやれないの
おまえはあたりまえのことがなにもできないの

わたしは ふ と笑った
もう言い返すことばは準備できていた

おかあさん
普通というのは
普通ではない子がいっぱいいるということなんですよ
当たり前というのは
当たり前じゃない子がたくさんいるということなんですよ
あなたのいう
普通とか 当たり前というのは
そんなものはいないということなの
だってあなたは
自分以外の誰もが憎くて
自分以外の子をみんな殺すために
おまえは普通じゃないからだめだというのだから

そういうと 黒い鶏は
一瞬 きい と甲高い声をあげた
わたしにおそいかかってくるかと思ったが
その前に
体中の羽根がぼろぼろぬけて
足がくにゃりとまがって
そのまま 墨が床に溶けていくかのように
消えていってしまった

ああ やっと行った
もうこないだろう
あの鶏は

そう
あんなものは
馬鹿だと言って追い出してやればいいんですよ

ふと
後ろの方で声がした
ふり向いてもだれもいない
だがそれが彼の声であるということはわかった

ああ
あなただったのですね
さっきのことばは
わたしが言ったものとばかり思っていたけれど
あなたが代わりに
わたしの言いたいことを言ってくれたのですね

ええ そうですよ
さあ あなたのスケッチブックを見てみなさい

そう言われて
わたしはスケッチブックに目を落としてみた
するとそこには
何ともきれいな
大日如来のような いや観音菩薩のようにも見える
不思議な微笑みをした美しい仏が描かれていたのだ

まあ 何を描いたのだろう
わたしは
これはわたしが描いたのですか
そういうと
彼の声が答えてくれる

ええ そうですよ
あなたは一生懸命にがんばって
あなたにしか描けない
美しいものを描いていたのです

ああ こんなことがわたしにできるとは
思わなかった
なんとやさしいほとけさまだろう

さあ あなたは休んでいなさい
わたしが もう
あなたのかわりにあなたを生きる
眠っていなさい

ありがとう
わたしは

もう眠りなさい

わかりました
と 
わたしは
すなお


もう
黒い鶏はきません
二度と
あなたの前に現れません
だれももう
あなたを
傷つけはしない

傷つけはしない



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ベクルックス・11

2014-05-16 06:20:05 | 詩集・瑠璃の籠

おんなに先を越されてしまった
おんなに人類を救われてしまった

男性のみなさんは嘆いていらっしゃいますが
まだわかってはいないようなので
教えてさしあげましょう

結局は
男性よりも女性の方が
強かった 賢かった
と いうことなのです

かのじょらは
腕力では男より弱いが
忍耐力では
はるかに男を上回る
ほこりを汚され
尊厳をつぶされ
糞尿と一緒に処理されるなどというような
愚かなものに貶められようと
彼女らは決して
折れなかった

愛のために
身を売る女に自分を落としても
誰かを助けようとしてくれていた
その強さが
結局は
人類を救ったのです

あらゆる暴虐の翻弄されながら
愛で許してきた
すべてをないことにして
何度も何度も
みなのために尽くそうとしてくれた
その愛が
結局は
人類を救ったのです

わかりましたか
男性のみなさん
女性の方が男性より
強かったのです
愛が深かったのです
ですから 結局は
女性が勝ったのです

あなたがたはもう
人類の優越者として
女性を劣等視することはできません
むしろ劣等者として
女性にさげすまれなさい
そうでもしなければ
はらいきれないほどの
罪を重ねているのです

もはや馬鹿な男を
女の腐ったやつと言ってはなりません
それは返ってほめることになる
馬鹿な男には
裏切り者の腐ったやつと投げ付けなさい

それが正当な評価です



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