ガラスの船は
散り散りに壊れていく
深海の奈落に沈み
腐敗した汚泥に包まれ
永遠の残骸を星座のように並べ
人類の記憶に刻まれる
見よ
あれが
他人の自分を食べて
永遠の神になろうとした
愚か者だ
黄金のきぬをまとい
立役の化粧をし
猿のような耳と
苦いしっぽをかくす
ほしいものは
うつくしい女と
新たなる時代を導く
聖者の肝だ
それを食えば永遠に
全人類にあがめられる
えらい猿になれる
もう何もしなくていい
美女を奴隷にして
なんでも自分のためにやらせながら
玉の床に
じっとしているだけでいい
ガラスの船の残骸は
愚か者の夢を写し込み
人間たちの沈黙に包まれながら
永遠に
保存されるだろう
これこそが
人類の
大いなる恥の
証だと