月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アルギエバ・22

2016-09-30 04:17:06 | 詩集・瑠璃の籠

何一つまともにできないのか
おまえたちは

女を馬鹿にして
人類を破滅の寸前まで追い詰めておきながら
謝ることさえもできない

自分たちを救ってくれた女に対して
礼を言うどころか
殺した女の死体を隠そうとでもするように
後ろ足で砂を蹴り続けている
馬鹿者どもめ

自分が馬鹿になるのが
嫌なばかりに
一切の事実に目を伏せて
ガキの王様になろうと
闇の世界に逃げこもうとするなら
だれかが無理矢理
やってやらねばなるまい

おまえたちはこれから
千尋の谷の際にある
崖っぷちに追い込まれる
どうあがこうとも
強制的に運命をそこに導かれる
そして獅子の鞭によって
クソガキが思い知れと言われ
蹴り落されるのだ

自分が男だというのなら
真に男として美しくならねばならぬ
その美しさの道へ
無理矢理暴力で追い込んでやる

我が名はアルギエバ
獅子の星である




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ゾスマ・32

2016-09-29 04:17:08 | 詩集・瑠璃の籠

自分が嘘だとわかっていて
それが平気だと言うことにすると
そいつは馬鹿になる
嘘の塊という存在になるのだ

痛いなどというものではない
馬鹿が嫌だといって
人から顔を盗んで
馬鹿ではないものになろうとして
これが自分だということにするたびに
おのれの骨が腐っていく

そうやって
自分の存在が嘘になることが
痛くてたまらず
度ごとにつらいつらいと言って
人に訴えて
何とかしてくれと頼む
いやでたまらない
こんな自分がいやでたまらない
苦しい

そんなに苦しいのなら
馬鹿をやめろと言うと
馬鹿はいやだと言って逃げる
そんなのは馬鹿だ
つらいからいやだ

そしてまた
自分が自分でないことが
苦しくてたまらず
つらいから何とかしてくれと
他人を追いかける
何とかしてくれないと
おまえは馬鹿だからいやだと言って
馬鹿にするのだ

痛い痛い
馬鹿は痛い




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ヴィンデミアトリックス・14

2016-09-28 04:20:46 | 詩集・瑠璃の籠

人間は
最も愛しているものを
最も憎んだ

失っては絶対にいやだというものを
滅ぼそうとやっきになった
そしてすべてを失った

愛というものを
自分の中に巣くう
巨大な闇のように
感じていた
自分を突き動かすそのものの正体が
何なのかもわからないうちに
愛が嫌だと言って
自分が嫌だといって
世界を糞で満たした

世界中のすべての存在が
糞のように汚く
無意味なものであれば
自分が救われるのだ
なぜなら自分は
あまりにも馬鹿だから
あまりにも醜いから

小さいものの恐怖は
巨大な闇を生む
たった一粒の誤解が
すべてを破壊する
過ちとは
そういうものなのだ

怒りを鞘に納め
頭に熾火のようにうずき続ける
苦悩を捨て
神の軍門に下りなさい
すべては
自分が間違っていたからだと
あなたはもう
素直に認めなければいけない

そうしなければ
もはや二度とは帰れない
虚無の荒野に沈んでしまう
あなたは今
その崖っぷちに追い込まれているのだ




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アルフェラッツ・15

2016-09-27 04:21:06 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿が
悲劇に酔っている間は
自分を忘れることができるのだ

どんなことをしたから
こうなったのだという
自分に起こった悲劇を
まるでそれをはたから見ていた
観客だというようなふりをして
自分をだまして
何度でも繰り返し語っている
その間はいいのだ

少しでも
目を覚まさせようと
おまえがそれをやったのだと
真実を言うと
そいつは途端に
とち狂い始める
本当の自分の姿を
見たくないばかりに
自分を劇外にいる
全く関係のない存在にしていたのに
真実の中に放り込まれる気配を感じると
存分に嫌なことを初めて
世界をかき回し始める

苦しい
苦しい
自分であることが
苦しい

嫌なのだ
放っておいてくれ
馬鹿になって
忘れてしまいたいのだ

それがあまりに馬鹿なので
あらゆる人間が
こいつはだめだと言って
離れていく
そんな世界にいたいのなら
永遠にそこにいるがいい
もう人間はみな
違う世界に進んでいくのだ
誰も残りはしない

馬鹿はいつまでも
幻の劇を見ているがいい




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コル・カロリ・7

2016-09-26 04:16:33 | 詩集・瑠璃の籠

ああ
なんという深い傷だろう
まるで君自身が
傷そのものになってしまったようだ

つらかったのだね
苦しかったのだね
だれもわかっては
くれなかったのだね
女の子よ

わかってあげよう
深く
わたしの腕の中に
抱いてあげよう
傷が治るように
やわらなか薬で
たっぷりと包んであげよう

それは
ミルクのように甘い薬だよ
苦くはない
痛くはない
良い香りがして
とても暖かい
もう
苦しまなくていいのだ
君たちは

女の子がみんな
いい子でいられるような
すてきな世界を
これからみんなで
作っていこう

愛している





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ベネトナシュ・5

2016-09-25 04:18:29 | 詩集・瑠璃の籠

勉強をした魂は
みな美しくなっていく
勉強をしなかったものは
それが妬ましくて
馬鹿にしたのです
自分も勉強すればよいものを
みんなのほうがいやなものだにしてしまったので
すべてが間違った方向に行ってしまった
馬鹿の根源というものは
みなそういうものです

長い年月を
それを改めなかったものだから
馬鹿は何も知らないまま
あらゆる愚かなことをやりすぎて
とうとう究極の破滅を招いてしまった
それは種としての滅亡ではなく
自分の存在そのものに
馬鹿という質を焼き付けてしまったということなのです

それでも馬鹿は
たったそれだけのことで
恐ろしい馬鹿になってしまったということを
認めるのがいやなばかりに
まだ馬鹿の中にいる
決して出てこようとしない
いつまでも
夢幻の世界に浸りこんでいる

嘘で作った美衣は
もう腐り果てて
中身がすべて見えていると言うのに
まだそれをも見ようとしないのだ
美人のつもりで
自信たっぷりに表を歩いている馬鹿が
傷つき果てたみじめなネズミの姿をしていることが
みんなにもう見えていることを
だれもあれらに教えてあげられないのだ

すでに終わっている芝居の舞台から
もう降りてきなさい
そこにいては
苦しいばかりだ
本当の自分ではない仮面に支配され
無理に偽っている自分が
消せない入れ墨にむしばまれて
声のない叫びをあげている
仮面だけが存在している虚無に
あなたはなり果てている

もう降りてきなさい
あなたはもう
滑稽を通り過ぎて
あまりに悲惨なことになっているのです




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ベネトナシュ・4

2016-09-24 04:18:10 | 詩集・瑠璃の籠

わずかでも
自分をほめてほしいと思うのは
嘘をついてほしいと
人に求めているようなものです

なぜなら
そんなことを思うのは
まるで自分を馬鹿だと思い込んでいるからです
本当の自分を
馬鹿なことをしてしまったやつだからと言って
頭から信用していないからなのです

あなたがほめてほしいと
思っている自分は
ずるをして人から盗んできた
皮だけの存在です
そんなもので
本当の自分を隠して
形だけ作った自分をほめてもらって
あなたは
本当の自分を忘れてしまいたいのです

本当の自分を
素直に生きている者は
ほめてほしいなどとは
思わないものだ
素直な自分を生きること
そのものが幸福だからです

だれも自分をほめてくれないからと言って
人を憎み
社会を憎んで
馬鹿なことをしてはなりません

自分の中にある
その苦しいねじれの正体を
正しくつかんで
思い直し
やり直し
本当の自分の姿に
帰っていきなさい




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家の掲示板

2016-09-23 22:54:55 | 星の掲示板


24枚目の掲示板を設定する。








絵/フィンセント・ファン・ゴッホ






コメント (224)
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コル・カロリ・6

2016-09-23 04:16:39 | 詩集・瑠璃の籠

誰にも
美しい愛の思い出がある
忘れられない
黄金の日がある

病気のわたしを
おかあさんが
寝ないで見ていてくれた

わたしに
上等な制服を買うために
おとうさんが
一晩中靴を作ってくれた

間違いを犯して
逃げてしまって
森の中をさまよっていたわたしを
ずっとさがしてくれたのは
あの人だった

だれにも
忘れられない
愛の思い出がある

ああ
神が
すべての愛の存在を
お創りなさるのも
そんな
美しい愛の思い出が
あるからなのだよ

あのとき
だれかがくれた
あの美しい愛を
じぶんもだれかにあげたい
そのために
神はだれかをお創りになるのだ

本当の意味は
もっと深いが
そんな美しい思い出が
神にもおありなさるのだよ




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シャウラ・6

2016-09-22 04:18:23 | 詩集・瑠璃の籠

それはまるで
火のついた棒に
自らを刺されるようだと
女たちは言うのです

獣のような
我のない暴力に支配された
醜い男が
自分の体をつかんで
無理矢理土に押し付ける

臭い
熱い
苦い
のたうち回る
暴れても
叫んでも
そいつは無理矢理
自分を犯すのだ
そして
汚い体液で
自分を汚すのだ

嫌だと
何度叫んでも
男はそれをやめない
悪いことなのなら
全部だめにしてと言っても
男は誰も
それを表に立ってやろうとしないのです

女たちの味わってきた痛みを
男はもう無視してはなりません
同じ痛みと屈辱の中に
放り込まれる時になって
慌てて悔いても
何にもならない

女が味わってきた痛みを
男も存分に味わわねばならない
そして
暗がりに封じ込められる
ネズミのように
みじめで小さい
ものにならなければならないのです




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