滅べ
臭いものどもよ
滅べ
人類を落ちた
豚よ
ゆるさぬぞ
愛を貫いた星を
いまだ
くされものと
ののしるやつを
滅べ
馬鹿者よ
食い尽くしてやろうぞ
炎の鯨の星はひるがえり
顔を変え
おまえらを
焼き尽くさんと
するぞ
愛というものは、ふしぎなものだ。
わたしは、母のように、かのじょを愛しているが、かのじょは時に、わたしの愛にとまどいます。
素直な人ですから、人の自分に対する深い愛に触れると、恥ずかしくなってしまうのです。
わたしもそれはわかっていますから、いつもは笑ってかのじょを見ているだけで、よけいな愛は表現しません。
かのじょが元気で、笑っているだけで、幸福なのです。
わかってくれるはずだ。あなたがたにも、そういうことが、あるでしょう。
相愛になることなど、望んではいない。そんなことは、わたしの愛に反することです。
わたしは、かのじょを深く愛している、その自分を、愛しているのです。
サビク
強姦 輪姦 買春
人間の男性は
あらゆる暴虐をもって
女性を辱めますが
それはあまりにも歪んだ愛です
あなたがたは
非常に卑劣な手段で
女性を陥れ
辱め
セックスを金と暴力で手に入れるということを
してきましたが
それがどういうことになったかを
教えてあげましょう
あなたがたは
ペニスを汚れた剣にして
女性を殺してきましたが
それは同時に
激しい愛を女性にそそいだことになるのです
女性を暴力で犯すたびに
あなたがたは
黄金の愛を
女性にそそいだことになるのです
それによって女性の価値がはねあがったのです
容易には触れないものになってしまった
そのためにあなたがたは
一層高い知恵と力を使い
無理やり女性を地獄に落とし
自分の思い通りにしてきましたが
それによってまた
女性の価値が跳ね上がり
それはもう
女神にひとしいものになったのです
もはやあなたがたは
女性に触れなくなったのですよ
それなのにまだ
あなたがたは 女性を欲しがり
もっとも卑劣なことをして
女性を手に入れました
女神を
使い捨てのちり紙にした
その結果
女性はとうとう男になったのです
もはや
セックスもできない
鋼鉄の男になったのです
愚かなことをしましたね
もう取り返しはつきません
法則は あなたがたに
いつか
むごい現実を見せるでしょう
人々よ
わたしは
月のようにやさしくはありません
ベクルックスは
心優しくも
氷の舌を持つのです
あなたがたは
猿のように
大勢で騒いで
女性を裸にして 殺した
ゆえに
天使の美を旗に掲げた
猿のような大勢の女によって
裸にされ
辱められることでしょう
愛を確かめるのは
ときどきでいい
しょっちゅうかみしめていたら
あなたが困るだろう
わたしは
飴はいらないよ
自分が甘いから
でも あなたの
少し 赤い色をした
きれいな愛なら
あったらうれしい
ひとつぶ 抱いているだけで
暖かいから
ああ
疲れているんだ
わたしは
やっと気づいた
これはかのじょが描いた天使画です。ごらんのように、足がありません。かのじょはよく、こういう表現をします。
なぜと思いますか。
それはかのじょが、自分を肉体化することに難を感じていたからです。
かのじょは、人間になることが、苦手だったのです。
かのじょは人間よりも、植物の霊に近い天使です。ときに食欲さえ、理解できない時があったのです。
日を浴びるのが好きだった。雨の日には、水を吸える植物の喜びと同調していた。キョウチクトウの若木の素直な伸び方に、自分の生き方との共通点を見出していた。かのじょは、植物として生きる方が向いているのです。
かのじょが人間として生きるのは、わたしたちよりもずっと難しいのです。
それでも、長い時を、人間としてあなたがたとともに生きてきた。
あなたがたを、愛していたからです。
一番好きな女性という天使が、あなたがたにとっては、この上ない大事なものだと、知っていたからです。
サビク
気づいたか
ほう よい目だ
少しは 腹が立ったか
燃えたか
いいだろう 自分は
いい男だろう そいつは
痛いほど 美しいだろう
馬鹿な真似は 二度とできまい
馬鹿め
苦労をさせよって
甘くはないぞ
これから存分に鍛えてやる
おまえの その
意志 思想
腕 足 馬鹿みたいな面
すべて おまえのものだ
行って
万民の下僕となってくるがよい
すべての女に
仕えてくるがよい
なにもかもをやるのは おまえだ
男よ
すべてはこれからだ
甘くはないぞ
あらゆることを
たたきこんでやる
天使の手から
青い蛙が飛び出し
それは銀の航空母艦となって
下りてくる
戦闘機は
月光の蜻蛉だ
翅は剃刀でできている
声は判決の重りでできている
戦艦の主砲は
オルゴールのばねのように
星の砲弾を吐きながら
ぽんぽんと
快い音を鳴らす
レーダーは
痘瘡のように広がり
馬鹿に感染してゆく
真実のカリウム金属の炎が
病熱をあぶる
おや
ずいぶんと
行儀のよい戦争だ
どら おとなしいのう
敵どもよ
反撃は
せぬのか
存在というものが、一体どうやって生まれてくるか、その創造の真実を知るには、まだあなたがたは幼すぎます。ですが、その比較的わかりやすい真実の一つは、教えておきましょう。
いいですか。あなたがた、後発の創造は、わたしたち先発の創造が基礎となって生まれてくるのです。その意味では、わたしたちはあなたがたの親のようなものです。
わたしたちには、あなたがたのように性別はありませんが、まれに、彼のように、ほぼ女性に等しい男というのがいます。よいですか、みなさん。あなたがた人類の女性たちは、わたしたち天使存在の中にまれにあらわれる、女性に等しい男から創られたのです。
ではなぜ、神は彼らから女性を創られたのでしょうか。
それは神が、わたしたちが女性に等しい友にそそぐ深い愛をご覧になり、それをよきものとお思いになり、その愛をもっと進化させようとお考えになったからです。
神は人間に性別をつくられ、男と女の間に現れる、それは深くも美しい愛を、お喜びになったのです。
だが、あなたがた人類は、女性を愛することを拒否し、愛を認めようとせず、愛にふさわしい価値を与えず、虐げてきた。
それがゆえに、神はあなたがたから、女性をとりあげることになさったのです。
あなたがたはもう、あのように深くも美しく愛せる女性と、地上で会うことはありません。
女性は、生まれてきますが、それはもう、男に等しき女です。
もう二度と、イヴは地上によみがえることはないのです。
これはもはや、とりかえしのつかない真実です。
サビク
わたしはいま
うすべにの
ロードクロサイトのような
小さな丸い
卵子になって
眠っています
くるくる くるくる
まわりながら
それはまだ受精のない
未熟なたまごです
乙女の母の
腹の中の
柳の芽のような
卵巣の中に抱かれている
神が
万華鏡のような
すきとおった顕微鏡で
静かにわたしを
ごらんになっています
ああ このままで
生きることになろうとは
思わなかった
わたしは
死んだように
怠惰にならなければならないので
本当に
生きて忙しく働いていたときよりも
たいへん
ばかみたいに
努力しています
ああ
これは夢の中だな
潮騒の音がする