その土地には、その土地の霊界というものがある。
人間は肉体が死ねば終わりではない。肉体が死んでも魂は生きている。自分の生きてきた世界を美しくするために、偉大なる霊魂は死しても活動している。
それがその土地、その国の霊界というものを作る。
霊界という言葉が苦しければ、天然システムと言ってもいい。
アメリカにはアメリカの天然システムがある。そこには、ネイティヴ・アメリカンの善き霊魂が多数参加している。
彼らは白人がアメリカ大陸に入ってくるまで、その土地で長く平和に暮らしていた。争いはあったが、むごい殺戮に発展する前に、バランスを取り、互いを尊重してより高いレベルで絆を結べるような、不文律を形成していた。
それが美しい世界を作っていたのである。
女性も幸福だった。ヨーロッパやアジア大陸の男ほどには、女性を軽蔑しなかった。それ相応に大切に扱い、敬っていた。
だがそういう彼らの世界は、ヨーロッパの白人たちの移住によって、あっという間に滅ぼされた。キリスト教的世界観と自分たちの優位性を信じて疑わない白人たちによって、彼らの文化は無価値とされ、全く評価されず、暗黒に塗りこめられたのである。
だが、滅びた文化は滅びなかった。なぜなら、彼らは白人を恨まなかったからだ。むしろ霊界から彼らを援助した。アメリカが発展していくよう、麗しい愛で助け続けてきたのである。
グレート・アメリカン・スピリットは、その霊界の長ともいえる存在である。彼は肉体は失ったが、その美は失わず、愛でアメリカ大統領を守護し続けてきたのである。彼が大統領の守護につけば、各地のアメリカの霊が従う。それほど偉大な霊魂であるからだ。
それでアメリカはまとまってきたのである。
アメリカはこの愛を、いつまでも無視していくわけにはいかない。
白人のエゴそのものであるような、ガキじみた大統領がアメリカに現れた時、真にアメリカを救えるのは、白人の精神ではない。自然の神の愛を会得した文化を持っている、アメリカ先住民の魂だと言っていい。
アメリカ人は、白人のエゴを自ら下げ、他人種他民族に、頭を下げる技を身につけなければならない。それができなかったら、アメリカは滅びていかざるを得ない。