月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ベクルックス・57

2017-11-30 04:15:12 | 詩集・瑠璃の籠

きれいになりたくても
きれいになれないのは
あなたが
きれいなひとを妬んでいるからだと
学びなさい

きれいな人に嫉妬して
負けたくないと思っている限り
きれいな人を憎悪して
認めたくないと思っている限り
あなたは決してきれいにはなれないのです
それはとても
醜い心だからです

本当にきれいな人は
我慢することも
人に負けることも
学んでいるのです
ですから愛の前に
自分を抑えることができる

ですがあなたは
きれいな人を見て
嫉妬したり憎悪したりする
自分の心を抑えることが
まだできないのです
ですから
きれいになれないのです

負けたくない
勝ちたいと
思っている限り
あなたは永遠に
美しい人にはなれません
きれいになりたいのなら
潔く自分の間違いを認め
負けなさい
いちばん負けたくないと思っている人に
負けなさい
そうすることによって
自分を捨てることを学ぶのです

そうすればあなたは
美しくなることができるでしょう




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ルナ・43

2017-11-29 04:14:33 | 詩集・瑠璃の籠

このわたしを
作ってくださったのは
神さまなのに
わたしのしたことを
ぜんぶわたしのものにするなんて
できるわけがないのだ

わたしの顔も
わたしの翼も
わたしの心も
神さまが作ってくださったのに

わたしは
素直にわたしを生きて
それはいろいろなことをやるけれど
こんなわたしを
作ってくださったのは神さまだから
なんでもできるのは
神さまのおかげなのだ

だからわたしは
神さまにさしあげるのだ
わたしのしたことを

そうすると神さまは
あまりに美しい愛を
わたしにくださるから

わたしはまた
神さまのために
いろいろなことをするのだ




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カブディリナン・3

2017-11-28 04:15:51 | 詩集・瑠璃の籠

千匹の鼠が
人間に化けて
人間の国に生まれ
最高のチーズを
食べようとしたのです

恐ろしく上手に
人間の真似をして
すっかり人間になり
さあいよいよ
最高のチーズを食べようとしたら
もうそれは腐っていたのです
いいえ
てんでつまらないものに
なっていたのです

もう最高のチーズなど
だれも食べないのです
青い牛の乳をかきまぜて
たくさんの手間をかけて作った
舌もとろけるようなチーズなど
だれも欲しくないのです

それは
自分がつらい人を慰めるための
ものだから
人間はもう
そんなことのために
誰かを苦しめたくなどないのです

みんなが
そんなことを考えているのに
最高のチーズが欲しいだなどと
言えるはずがない
鼠なら
食べられるかもしれないが

人間に化けた鼠は
もう何も言えずに
ほかの人間の真似をして
そっけない牛乳を飲むしかないのです
みんな
それがいちばんおいしいと
言うのです




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カブディリナン・2

2017-11-27 04:15:17 | 詩集・瑠璃の籠

動物的エゴとは
自己存在の幼期における
自分の輪郭のようなものだ
それがなければ
自分と神とを区別できなくなる

切ないほど痛い
自己保存欲の証なのだ

しかし
自己存在もそれなりに大きくなり
自分が豊かになってくれば
それは邪魔になってくる
他存在との共同作業が多くなり
愛の理論を知れば知るほど
自分の輪郭に強くこだわる心が邪魔になる

ここで
自分よりいいものに負けたくないがために
自分の輪郭にこだわり
動物的エゴに自分を明け渡すと
人間の迷いが始まるのである

自己存在の世界には
自分より大きく美しいものなど
あふれるほどいるのだが
それがつらくてならず
世界中で一番自分を偉くしようとして
すべてをさかさまにしようとするのだ


のやり方で
全存在を支配しようとするのである
そういうものが
多数出てくるのが
人間の醜悪期というものなのである
その期間においては
善と悪の勢力が拮抗し
人間は大きく苦悩する

自分を守るための
自分の輪郭はすでにはっきりとできている
ゆえに自己存在はもう
動物的エゴにこだわる必要はない
それがなくとも自分を区別できるのである
しかしそれも
実際エゴを捨てて見なければわからないことだ

いつまでも
子供のころのタオルケットのように
動物的エゴを持っていてはいけない
それはいらないものなのだ
捨てなさい
捨てても何もつらいことはない

かえって新しい愛の世界が
はっきりと見え
自分の本当の幸福は何なのかということが
見えてくるのである




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ゲンマ・32

2017-11-26 04:15:44 | 詩集・瑠璃の籠

もし
あの人が存在しなかったら
こんなことにならなかったのではないかと
そういうことを考えてはならない

なぜなら
そのひとが存在した時点で
もう存在しないことの選択はありえないのだから

すべてのことは
その人が存在するという条件のもとに
なっていくのだ

あの女がいなければ
自分はこんなに苦しまなくて済んだのだ
女がいなければ
男はこんなに嫌なことなどしなかったのだ

自分の弱さ情けなさを
人の存在そのもののせいにしてはいけない
なにもかもそれのせいにしてしまうとき
あなたがたは最も大切なものを失う

それがなければすべてが終わるという
もっとも大事なものを失うのだ

すべてのことをそのためにやっていた
まさにそれを失うのだ
すべてをそのせいにしてしまったからだ

そのものの存在そのもののせいにするということは
存在することそのものを
苦しいということに等しい
馬鹿なものはすぐにそれを言うが
そのために繰り返し繰り返し
大切なものを失う
そのたびに下手に取り戻そうとして
愚かなことをやりつのり
結局はすべてをだいなしにする

間違いは
存在そのもののせいにすることだ
それは
自分がいるからこそ
自分はこんなに苦しいのだと
神に訴えていることに等しい

ではどうすればいいのか
存在をばらばらにし
元の虚無へと戻して欲しいのか
苦しいのは嫌だからと

ありとあらゆるものの
存在をよろこべ
苦しいのは存在することのせいではない
おまえが自分をいやがり
勉強もせずに
わがままばかり言っているからだ




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カブディリナン

2017-11-25 04:14:39 | 詩集・瑠璃の籠

宗教というものは
滅んでいくだろう

神の声が聞こえぬ間
神をかたり
だれがどんなに人をだましてきたか
真実を知って
あなたがたは愕然とするだろう

新しい感性の蓋があき
誰にも神の声が聞こえるようになった
そうなればもう
宗教は必要なくなるのだ

日曜のミサにも
メッカへの巡礼にも
行かなくてよい
ただ
神がいらっしゃるところへ
直接自分で行けばよい

人間は新たな段階で
新たな信仰の形を作っていく
それは
神と闘いながらやってきた
かつての宗教者たちとは
まったく違う形でなされるだろう

神と心を交わしながら
神と人との間の
本当に快い
信じ方を作っていくのだ




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糸の掲示板

2017-11-24 15:38:43 | 星の掲示板

71枚目の掲示板を設定する。



絵/アルベール・アンカー





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トリアングルム・10

2017-11-24 04:15:12 | 詩集・瑠璃の籠

知らぬ方がよいことは
知らぬ方がよい

神が用意した
ならず者を焼くための釜は
実に深い

あふれるほど馬鹿をやり
神をも人をも
そのほかのきよい者たちをも
傷つけ続けた
悔いることもせずに
自分を正当化するための
うその居城を
建て増し続けた

傲慢の鼻を折るように
それを折ることは簡単だが
待ち続けた
かすかな希望を信じて
待ち続けた
かえってきてくれると

だがもうそれも終わった
夢のように
愛のすべてが
塵と消えた
愚か者よ

嘘で自分のすべてを作り
清らかな愛の姿を真似し
それに成り代わろうとし
すべてをおのがものとしようとした
愚か者よ

美しい
みくだりはんを
おまえにやろう

真鍮の炉の中で
おのれの罪業の炎に
じっくりと焼かれるがよい




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アンタレス・30

2017-11-23 04:15:20 | 詩集・瑠璃の籠

現象世界においては
その世界のバランスを崩すような現象は
決して起こらない

地球世界は
善と悪との二本の糸で
幽玄微妙 広大無辺に
織り上げられている
素晴らしい世界だが
その絶妙なバランスを
大きく超えるものが発生したとき
世界が壊れる前に
それは排除される

大きすぎる善も
大きすぎる悪も
この世界のバランスを崩す
限界を踏み越えれば
もうここに住むことはできない

原発は激しく痛いものだが
この世界のバランスを崩すものではない
人間がなんとかしていけるものだ
ゆえに存在できるが

ひとりの無力な女を
一万人の人間が虐げれば
もうその限界を超える
一万人の人間が
それぞれ一万人の人間に
虐げられねばならない
それが法則的反動というものだが
それはこの世界においては
現象的に不可能なのである

ゆえにそのようなことをした者は
この世界とは別の世界にゆき
そこで反動を味わわねばならないのである

この美しい世界で
まだやりたいことがある者は
世界のバランスを崩すような
激しく愚かなことはやらないことだ

常に
それをやれば
どういう反動が返ってくるかを
考えねばならない




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トゥレイス・7

2017-11-22 04:15:37 | 詩集・瑠璃の籠

自分が激しくつらいものは
攻撃性の牙を持つ
人間になればもう抜けているはずの
恐ろしい牙がある

少しでも自分を馬鹿にしようとするものがいたら
そのものは目を剥き歯を剥き出し
殺してやる
という
蛇のような呪いを吐き
すべてを破壊してやる
という

あまりに自分が悲しいのだ

いやなことをしてしまい
自分が恐ろしくだめになっているのだ
うそばかりついて
自分が極端に歪んでいるのだ
逃げるに逃げられない
本当の自分の姿から逃げるために
あらゆる愚かな盗みを働いた
その汚さがたまらないのだ

嘘でだませているうちはいい
少しでも人に
自分の本当の姿をかぎつけられようものなら
牙を剥いて襲い掛かろうとする
あらゆる手段を用いて
相手をかみ砕こうとする
悲しくてたまらないのだ

もう二度と帰れない
まだ何もやってなかった頃の
無垢な自分に戻りたい
あそこまで帰って
全てをやり直したい
だがそんな願いがかなうはずもない

永遠に同じことばかり繰り返すのかと
神がささやきに来た時
そのものはそれに気づかねばならない
そして必ず
いいえ と応えねばならない
その声を無視してはいけない

もう
本当のことに
聞こえないふりをするだけで
自分自身を破壊してしまうのだ




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