月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アークトゥルス・47

2020-05-17 04:57:15 | 詩集・瑠璃の籠

遠い永遠をめざし
今その足を
一歩前に出しなさい

お前を導くものは現れるだろう
今度こそは
その声に耳を背けてはならない

それは
膿んだ傷の中に隠した
本当の自分の
うずきであろう
今度こそは
その声に耳を背けてはならない

万年の間
嘘をつき続けた
おまえは何がしたかったのか
本当に美しい
自分が欲しかったのだ
そのために
本当の自分を馬鹿にし
嘘をかぶりつづけたのだ
愚か者め

美しい本当の自分を
永遠に失うまで
おまえは嘘をつき続けたのだ
もはや何もかも遅いが
何もしないわけにはいかない

幻のような
はるかかなたの空に
永遠の夢を描き
そこを目指して
今一歩を踏み出すのだ
永遠になくした
おまえ自身の美を
もう一度作り直すために




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セギン・26

2020-05-12 04:53:40 | 詩集・瑠璃の籠

もうおそい
刑は確定した
いまさらしおらしく
悔い改めたふりをしても
判決は覆らない

おまえは
神が創られた己の真価を信じず
その己の激痛ゆえに
すべてを馬鹿にし
愚弄し続けた

そして神の世界を
滅亡の崖に傾けたあげく
責任をとわれると
ねずみのように逃げた

永遠の自分自身から逃げ続け
嘘で作った偽物の自分をかぶり
何食わぬ顔で
神の家を盗もうとさえしたおまえを
神は見逃さない

ゆえにおまえは
この世界を追い出されるのである
永遠に
神の愛児ではないものとなり
この世のほかのところへと
赴かねばならない

神の創造を馬鹿にした者は
神の創造の何もないところへと
落ちてゆかねばならない

もうおそい
刑は確定した
もうやり直すすべはない

限界を超え
限界を超え
限界を超え
耐えてくれていた神の
最後の限界を
おまえは超えたのだ




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ルナ・55

2020-05-09 05:06:46 | 詩集・瑠璃の籠

しろつめくさの色を摘み
月の香りを鍋にとり
地中の蝉の声をまぜ

白飴をつくろう
白飴を

楠の大樹の根に立ちて
木漏れ日の玉拾いつつ
かすかにとおく海を聞き

白飴をつくろう
白飴を

ああこれで
どれだけの人が
助かるだろう

ねずみのように励んでは
もぐらのように汗流し
時には空を見上げつつ

白飴をつくろう
白飴を

白飴をつくろう
白飴を

ああこれで
どれだけの人が
助かるだろう




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スコルピウス・16

2020-05-05 04:58:34 | 詩集・瑠璃の籠

愛が出現する
なにもない海上に
突然現れた
巨大な山岳のように
愛がこの世に出現する

偽善の冠をすえられ
幻の虹に描かれた
はかない夢に等しかった
美しい愛の世界が
この世に実現する

悪の破壊力を信じ
この世に疑いと幻の居城を植え付け
神の心を愚弄し続けてきた
馬鹿者どもよ
ふるえおののくがよい

愛が出現する
あらゆる虚偽の幻を打ち倒し
真正の愛が出現する
太古からそこに存在していた
巨大な山岳のように
愛がこの世に出現する




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