潮がひいていくように
あらゆるものが
おまえから離れてゆく
うるさいほどの静寂が
おまえにまとわりつく
耳につまった水の中で
小さな魚の口が 永遠をささやく
聞こえない声は
直接おまえの心に滴ってゆく
そしてどうしても消えない
染みになって永遠に残ってゆく
何をした 何をしなかった
おれはだれだ
きつい馬鹿をやりすぎたツケを
はらうのが嫌で
猿だんごの奥に隠れていた
いてもいない一匹の小さな鼠
それがおまえだ
あきらめろ あきらめろと
何度言われても
馬鹿をやめられなかったのは
どうしても女が欲しかったからだ
違うと言うことはできぬ
嘘だと叫んだらそのままおまえは砕けてしまう
愚か者め
大樹のように肥大したおまえの脳味噌の
半分以上は糞でできている
何を考えて生きていたのか
人を馬鹿にするだけで
なにもかも自分の思いどおりにできると
思っていたのか
腐れ外道め
厳重に封印した運命の壺が割れ
壺中の闇が流れ出てくる
腐り果てて骨まで溶けた
女の怨念が立ち上がる
見よ おまえのしたことの結末を
え い え ん に
おまえはあの女たちのために
あらゆることをしてゆかねばならぬ
得体の知れぬ女の下郎として
なにもかもをしてゆかねばならぬ
逆らうことなどすれば
法則の鉄槌がおまえを砕く
準備をせよ
十分待ってやる
準備をせよ