月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ショルト・14

2017-12-31 04:15:29 | 詩集・瑠璃の籠

ひどいことになるのは
うそを守ろうとするからだ

かっこ悪いことになるのが嫌で
うそを守ろうとすればするほど
かっこ悪いことになる
いさぎよく
まちがいはまちがいでしたと認めて
みなに謝る方が
よほどうまくいく

馬鹿なことをしたやつだと
人に馬鹿にされるのがいやなばかりに
自分のやったことをごまかし
うそを本当にこじつけようとするから
しょっちゅう
自分の嘘を繕っていなければならぬ
愚か者め

小さいうちはまだよかったが
よほど大きくなった今では
大目に見ることはできぬ
こらしめてやらねばなるまい

うそをまもって
影で嫌なことをすればするほど
どういうことになるかということを
身に染みてわからせてやらねばなるまい

阿呆よ
自分のかっこをもたせるために
次から次とついてしまった
うその中に首までつかって
今にも溺れそうになっているが
それがどのような崩壊を見るものか
見せてやろう

嫌なことになるなどというものではない
おまえは
うそをつく前の自分に戻ることもできず
妖怪じみたものを
この世に生むのだ
永遠に人間になれはしない

うそをこねていれば
どうにでもなると奢って
あらゆることをやってきたツケを
見事にそれで支払うがよい




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ミネラウヴァ・20

2017-12-30 04:15:05 | 詩集・瑠璃の籠

美しいものが嘘である時
一切は苦くなるのです
美しいものを見れば
人は愛をかきたてられ
何かをせずにいられない
一切を美しいもののためにやり
それが嘘であったとき
人は愛を信じなくなる

すべては
神が
愚弄するために
人間を作ったことになる
愛など
すべてうそなのだと

男が命と情熱をかけてやった
すばらしい事業も
女が愛と情熱を注いで育てた
愛らしい子供も
一切が
浅はかな嘘のためにやったことなのだとしたら
人間は何のために創られたのか

愛の姿を盗み
まだ何もわからない自分を隠して
美しいものになりすますのではない
それは
愛を虚偽だというのに等しい
あらゆる神の
麗しいまことを
虚仮にすることなのだ

暗雲のたれこめる苦しみの世を
貫いて生きるには
真実の愛の美しさが必要だ
それをこの世に
命をかけて表現するものこそが
永遠の美を手にいれるだろう

浅はかな目的のために
軽々しく美を盗むのではない
そんなことをすればあなたは
恐ろしい狸になる

自分だけを美しいものにするために
神を馬鹿にし
世界を滅ぼそうとした
恐ろしく醜いあほうになる




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アンゲテナル・12

2017-12-29 04:15:37 | 詩集・瑠璃の籠

自分を馬鹿だと言うことは
もっとも深い罪だと言えましょう
神から頂いた
このほかには誰もいない自分を憎み
馬鹿なものだと決めつけることは
神を冒涜することでもあり
際限なく難を世界に投げかける
最も愚かな罪だと言えるのです

自分を馬鹿だと思い込んでいる者は
他人が自分ではないというだけでよく見え
うらやましくてならず
自分を捨てて他人になろうとし
他人の妨害ばかりをして
その他人の存在そのものを奪おうとする

そのためにあらゆる嫌なことをする
盗み
たばかり
裏切り
殺し
人が苦しむことは平気でする

この世界にあらゆる難を吐き出した
パンドラの箱とは
自分がいやだと思う人間の心なのです
自分がいやだ
自分が馬鹿だと思い込んだとたん
その箱は開き
あらゆる苦しみを世界中にばらまいたのです

しかしどんなにがんばっても
人は自分以外のものになれはしない
それなのにそうしようとすることは
あまりにも愚かなことなのです
三万年のためしをしても
一粒の利さえない
やってもすべては無駄なのです

この世界に難を投げかけて
大きな罪を犯さないために
自分をいやだと思う心を
正しく見つめなさい
そしてどうしようもなく嫉妬に狂っていく
自分を抑え
自分を愛してなんとかしていく
本当に正しい道に自分を進めていくのです

それができなければ
人間はあらゆる間違いを犯し
永遠に
自分ではないものにさえ
なってしまうのです




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ゾスマ・46

2017-12-28 04:15:41 | 詩集・瑠璃の籠

泥に沈んだ女ほど
醜いものはない
頬ずりをするほど人に近寄り
顔も心も何もかも
その存在を自分に摺り取ろうとするのだ

汚いこと
いやらしいことを
存分にやり
憎い美人を滅ぼした後
平気でそれになりすまそうとする

自分ではない
美しいものになりたいのだ
自分は
あまりにも卑しいことを
してしまったからだ

愛を身に着けた本当の女を
全部嘘にし
嘘で塗り固めた自分を
本当にしようとする
それは
神の愛を
全くの嘘だということに等しい
馬鹿な女はこうして
すべてを愚弄するのだ

愛の姿を完璧に真似しているが
それは愛ではない
何かが違うものだ
愛の顔をして
決して愛しはしない
何もかもを奪おうとする

あれは嫌なものだ
逃げるほうがよい

全世界の果ての岸辺に追いやり
法則の風に干し
あとは放っておくがよい





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ゾスマ・45

2017-12-27 04:15:01 | 詩集・瑠璃の籠

あんな女はどこにでもいるんだ
挟んで捨てろと言ったら
本当に
同じような女がごまんと出てきた

みんな同じ顔をしている
みんな同じ性格をしている
よりどりみどりだ
嬉しいだろう

自分というものを馬鹿にし
その上に安手の印刷技術で
顔と癖をすり込めば
微妙にそれらしいものができるのだ
たくみなどというものではない
研ぎ澄まされた技術で
表面だけは完璧に真似をする

どうだ
美しい天使がたくさんいる
あれと同じようなものが
たくさんいる
よろこんで嫁にするがいい
なんでもしてくれるだろう

あほうが
今さら
あれでなくてはいやだなどと
言えば自分が腐る
二度とお前などいやだと言って
追い出しておきながら

馬鹿な男は
永遠に
天使の顔をした
馬鹿な女とすめばいい
そこを永遠の都とすればよい

髑髏のように
虚ろな目をした
偽物の天使と

永遠のちぎりをかわすがいい




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カブディリナン・4

2017-12-26 04:15:55 | 詩集・瑠璃の籠

玉の鈴を千個も垂らし
月が通り過ぎて行く
快い静かな音を鳴らし
誰も振り向かずにすぎてゆく

川のように長い髪が風に揺れ
そのひとすじひとすじが
月影の緒のように光っていた
乳色の衣装はかすかに金色を帯びて
豊かな泉のように
月は大地に盛り上がっていた

通り過ぎてゆくのを
誰もとめることができない
呆然と目を見張る人々の視界を
ただ黙々と横切っていく
つなぎとめられたかのように
目をそらすことができない

凡庸の沼に身を浸し
なにもせぬ者たちは
月の影を沼に写し
永遠にみんなで食える
肉菓子のようなものにしようとしたが
影はすぐに消えた
何も残りはしなかった

青いかがり火を焚き
欲望の明りで照らした世界は
空蝉の中の闇のように狭かった
その中に
万人の人間がひしめいていた

恐ろしい夢を共有し
堕落の酒に酔った愚か者どもを
神がつまみ出す
もう彼らには
どこにもゆくところがない

愛していたものを
豚にして食おうとした
愛してくれたものを
永遠に堕落の影に押し込み
すべてを馬鹿にしようとした

エデンの東の東には
追放の門がある
苦いその石門が開く

おまえたちはもう出て行けと
神の悲しい声をきく




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ゲンマ・33

2017-12-25 04:15:57 | 詩集・瑠璃の籠

この世に罪は数々あれど
人から自分を盗むということほど
愚かな罪はない
馬鹿な女は平気でそれをするのだ

自分以外の美人を殺して
その美貌を完璧に真似するということは
人の自分を盗むということなのだ

美しくなれるようなことなど
何もしたことはない
それどころかあまりにも痛いことをしている
それなのに
簡単に人の美貌を盗み
高い良いことを積み重ねてきた
美しい女になりすますのだ

自分が
苦いことをしてしまい
いやなものになってしまったからといって
きれいなことをしているほかの女から
そのきれいな自分を盗むのだ
そのためには人の痛みなど考えはしない

楽をしたい
きれいな女になれば
男がいうことをきいて
なんでもしてくれる
そういうことばかり考えて
馬鹿な女は何も努力しない

人から美貌を盗むために
たくさんの人を殺している
そんなことをするやつは
恐ろしく醜くなる
そういう女が
とびきりの美女に化けたがるのだ

逃げるわけにはいかないこの真実を
馬鹿な女どもにたたき付け
青白いカタツムリの中に追い落とせ
その中には永遠の迷宮が横たわっている
腐臭に満ちた人生を
芋虫のように醜いまま
永遠に繰り返す
馬鹿の地獄に追い落とせ

そいつらはかつて
あまりにも低級な欲望を満たすために
愛と嘘をすり替え
世界を滅ぼしたのだ
それなのに
平気で天使の顔をかぶり
何も悪いことはできない
清らかな女になろうとしたのだ




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ラーン・14

2017-12-24 04:15:02 | 詩集・瑠璃の籠

黄金の蝶を吐き
泥のような暗闇に放つ
古の昔より
徒労のごとく繰り返されてきた
神の試みを知りなさい

まだ何も知らず
血を食うことに
塵ほども痛みを感じない
小さな魂に
神は繰り返し愛をささやき続けてきたのだ

あなたは美しいのだと

偉大なる絶対肯定の空の中に
包まれて育ってきたのだということに
あなたがたは気付かねばならない

黄金の蝶は
すぐに暗闇の虫に食われ
溶けるように消えていく
だが残ったかすかな鱗粉はつもり
それは広大な地層を作っていく

あなたがたが目覚め
愛を見ることができるようになった時
その美しくも果てない
広大な金の山脈を
見ることができるだろう

永遠にも等しい年月を
くりかえされてきた
神の愛のささやきを

さあ
許しなさい
捨てなさい
消しなさい
すべての愚かな試みを
あらゆる美しいもののために

いらないものはもう
永遠にいらないのだと




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ウヌクアルハイ・5

2017-12-23 04:15:20 | 詩集・瑠璃の籠

裏切りの玉を二つに割り
ひとつは滅び
ひとつは保存される

恐ろしい矛盾の図象を
鋼鉄の樹脂で固め
それは天国から見える
地獄となる

赤い砂漠の星が
その玉を支配するだろう
愛を馬鹿にし尽くした者たちが
くぐる門を尻に開き
それは耳を割る愚弄と嘲笑で
来る者を歓迎するだろう

受刑者たちはそこで
拷問に等しい生を送る
神のように愛する女は
蛙のように醜く
貞操は毛ほどもない

あらゆる現象は記録され
すべての存在に
愛を裏切ったものの運命を
教えるだろう

ノースコリア
猪の皮をかぶった
死児のミイラが
そこに君臨する
そこはもう地球ではない

恐ろしく長い愚弄の言葉を
妬みで伸ばしながら
つくった苦い飴の棒で
ミサイルをつくる




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アルメイサン・3

2017-12-22 04:15:19 | 詩集・瑠璃の籠

ラスアルゲティは
人類の天使の座から去ったが
この転換の時代
新たに人類の天使になろうとするものもいます
わたしはそのひとりです

恐ろしく大きな罪業の山を築き
おのれ自身に目覚めた霊魂が
何をしていくべきなのか
その果てない荒野のような闇を見る時
わたしというものが
投げかけられるものがある
そう思った時
わたしはあなたがたとかかわろうと決意したのです

わたしたちはすべて
自らの意志で動きます

まだあなたがたとの絆は細い
お互いのかかわりを記する紙には
まだ何も書かれてはいない
それは
今まで万年を賭してあなたがたと深くかかわってきた
天使とは違います
だがそれゆえにこそできることがある

苦いことを知らないわたしだからこそ
できることがある

やってみましょう
神の流れに乗り
自分を捨て
自分を神にしてごらんなさい

それは傲慢な幼児の願望ではない
自らを神にささげることなのです
あなたがたはそれによって
神でなければできないことができる

しかしそれを
自らのなしたこととせず
すべて神に捧げなさい
たとえそのことによって
命を失ったとしても
すべては神がおやりになったことだと

すべてではないが
それができるようになることによって
あなたがたは
自らの罪業を雪ぐ単位を
大幅に大きくすることができるでしょう




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