模型工房クラフトベース工房主の気まぐれ日記

仕事での模型製作や、趣味のプラモ・ガレージキットの製作過程、TVや映画の事など、気の向くままに書いています。

映画「おおかみこどもの雨と雪」感想

2012-08-24 22:18:50 | 感想
「時をかける少女」「サマーウォーズ」に続く、細田守監督のアニメーション映画第3作。

女子大生のハナは、ある男性と付き合うことになるが、その彼は狼男だった。
それを知った上で、二人は結ばれ、長女の雪、長男の雨が産まれる。
二人の子供も、やはり狼人間だった。
それでも幸せに暮らしていたが、雨が産まれた直後、彼は死んでしまう。

ハナは子供が人目に触れないよう、山村に移り住み、誰の助けも借りず、文字通り泥まみれ、汗まみれになって、子供を育てていく。

わんぱくな子供たちをなだめながら、必死で働き、育てていくハナの姿は、子供への愛情が溢れています。
雨と雪が少しずつ成長していく様子や、二人の性格の違いが、うまく表現され、観ている側はまさに見守る心境です。

成長するにつれ、狼人間であることに悩みはじめる雨と雪は、それぞれ違う道を歩んでいくことになります。
最後の、悲しみながらも晴れ晴れとしたハナの表情が、心に残ります。

言葉に頼らず、表情や動きで心情を表現する、非常に緻密な演出が秀逸。
狼人間という、ファンタジーな設定であることも忘れさせるほどのリアリティーを持たせています。
「泣かせてやろう」という押し付けがましい部分が全くありません。
それでいて、観ていていつのまにか真剣にこの親子を応援してしまいます。

実際、客席のあちこちから、すすり泣きの声が聞こえてきましたし、エンドロールが流れ出しても、席を立つ人が一人もいませんでした。

細田監督は、またしてもすばらしい作品を生み出してくれました。
名作です!




コメント
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