元WBCフェザー級、スーパーフェザー級王者粟生 隆寛(帝拳)が現役からの引退を発表しています。
2015年5月にライト級での世界制覇に失敗後、試合から遠ざかっていた粟生。2年前に以前敗れていたガマリエル ディアス(メキシコ)に雪辱するも、この5年で行った試合はその一試合のみ。昨日36歳の誕生日を迎えた粟生ですが、それを区切りに現役からの引退を決意したそうです。
初の高校6冠王として名門帝拳ジムからプロデビューを果たした粟生。2007年以行った14戦目に、しぶとい梅津 宏治(ワタナベ)に競り勝ち、日本フェザー級王座を獲得。翌年4月の3度目の防衛戦では、当時のOPBF(東洋太平洋)王者榎 洋之(角海老宝石)と互いの王座を賭け対戦するも痛み分け。次戦で掴んだ世界初挑戦も僅差の判定で敗れ、世界のトップ戦線での伸び悩みを暴露してしまいました。
2009年3月に、強豪オスカル ラリオス(メキシコ)との再戦を制した粟生ですが、初防衛戦ではエリオ ロハス(ドミニカ)に苦杯を喫し王座から転落。しかし再起後はスーパーフェザー級に階級を上げ、たくましく成長。ビタリ タイベルト(独)を破りWBCスーパーフェザー級王座を獲得したのは、同級転向後3戦目の事でした。同王座を3度防衛に成功するも、伏兵ガマリエル ディアス(メキシコ)の根負けし、王座から転落。その後ライト級での世界挑戦が実現しますが、対戦相手ライムンド ベルトラン(メキシコ)が体重超過で試合に臨むなどの不運もあり、3階級制覇ならず。結局この試合後、ディアスに借りを返す以外、実戦は行いませんでした。
粟生の通算戦績は28勝(12KO)3敗1引き分け。コンディション調整に何のあった選手ですが、正直、もっと活躍できた選手でしょう。今後は選手の育成に励んでいくそうですが、自身を超える選手を育てていって貰いたいですね。