勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

10月桜

2013-10-18 12:14:54 | Weblog
 大きな被害を残して去って行った台風一過の東京は急に気温が下がり、寒くさえ感じる。北海道の帯広や釧路では、平年より20日以上も早い初雪が降ったとか。いよいよ本格的な秋・冬の到来である。

 ここ数年、毎年異常気象といわれてきたが、今年は特にその傾向が強いようだ。先日はあちらこちらでソメイヨシノが咲いたというニュースが踊った。花も咲く時期を間違えてしまったのだろうか。


 浅草寺境内に、白い小さな花を咲かせる木を見つけた。近づいてみるとそれはまさしく桜の花。しかし花の大きさと形からソメイヨシノではなさそうである。


 木に下がる札を見ると「十月桜」とある。この花は4月と10月の年に2回も咲く珍しい桜だという。今の時期に咲いていることに何の不思議もないようだ。


 桜守の佐野藤右衛門さんによると、桜に狂い咲きは絶対にない、という。春に咲いた桜は夏に葉を出して来年に備え、秋に枯らすがのだが、毛虫などに葉を食われると通常の営みができなくなる。そこで桜は自分で自分の状態を戻すため、前倒しで花を咲かせてもう一度葉を出して、自分の身体の調整をしているだけなのだという。桜が狂っているわけではなく賢いのだと、桜を愛する人のやさしい目が注がれている。

 桜のなかには十月桜のように春と秋に2度咲く桜もあれば、春に2度咲く桜もあるという。春と秋に咲く桜は、冬桜、十月桜、不断桜、小福桜などがあり、その桜がそういう体質を持っているからであり、秋に咲いても不思議ではない。日本人は桜は春に咲くもんやと思っているから、「狂い咲き」とか言うんですよ、と手厳しい。

 また、藤右衛門さんはこうも言っている。「地球上の動植物のなかで、人間だけが自然と一緒に暮らしていないで、別の世界で暮らしている。人間はもともと自然とともに生きるようになっとるんやから、そこに戻らんとあかんのじゃないですか」

 自然は人間のおごりを怒っているのだろうか。。。