歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

奇譚日和

2016年03月05日 | 日記
平凡な毎日。

同じことの繰り返し。

見慣れた風景。



もしそんな日々を送っていたとしても、この日常に飽きることはない。



今見てる世界は、目を通して見ているというよりは意識で見ている。

自分の信じている世界が見えているだけ。

だとすれば、そんな狭い世界は毎日壊されては再構築を繰り返してしかるべき。

それができるならこんなに刺激的なことはない。



見えている世界が妄想ならこれからの話も妄想と紙一重。

よくも悪くも誰もが小さなきっかけで今まで知らなかった別世界への扉を開くことができる。

小説や映画など物語ではよくある話だ。

「マトリックス」とか「千と千尋の神隠し」とか「レベルE」の宇宙人とか。

主人公はいつも驚く程順応が早いけれど、自分だったらああはいかないだろう。



話は少し大げさな方向に向いてしまったが、

現実の生活の中にも不思議な世界がたくさん潜んでいる。



私は外出時のイヤフォン使用をやめた。

すると思わず「そんなはずはない!」と突っ込みたくなるような音によく出会うのだった。



昨夜、家の近所をジョギングしていたら、あるアパートの前で鶏の鳴き声がしたのだ。

そしてそれに呼応する様に道路を挟んで反対側から同じく鶏の鳴き声。

にわかには信じられない出来事である。

このままだと同じ区域で2件の家が鶏を飼っており、その1つがアパートという事になってしまう。

それとも鶏と同じような鳴き声の鳥が他にいるのか。

勘違いなのか。

どちらにしろ不思議な出来事だ。



そして今日、夕方頃にこれまた近所の歩道を歩いていたら道路からトランペットの音が聞こえてきた。

誰かが車中で音楽を再生していると思えば全く不思議な話ではないが、

その音はどこかおぼつかない感じのソロ演奏だったのだ。

ふと道路の方に目を向けると、なんと信号待ちの小さな軽自動車の運転席で

体の大きな40代くらいの女の人がトランペットを吹いていた。

びっくり、の一言。

本人は少しでも時間があるなら練習したいという感じなのだろうが、

私からすれば町中に突如現れたたった一人のフラッシュモブに遭遇したような気分だった。

運転席いっぱいを使ってトランペットを吹く姿はもはやエンターテイメント。



いやはや面白い。

それもこれもイヤフォンを外したおかげだ。

音楽は好きだけど、やはり解放された空間で聞くのがいい。



極めつけに変な話をもうひとつ。

ある日庭で靴棚のペンキ塗りをしていたら、葉っぱの下から小さなサンタクロースの人形が出てきた。

約1cmのその愛らしい人形は、きっと前の住人の痕跡だろうと思って何も考えずにゴミ箱に捨てた。

そして先日、庭でロゼットの写真を撮っていたらなんと葉っぱの横に同じ人形が…。

驚くとともに背中に肌寒いものを感じた。

捨てたのに…。

庭にはよく出入りするわけで、こんな目立つ物を見逃すだろうか。

ぞわぞわしながら、奇怪な出来事に喜ぶ自分もいる。

現実的に考えたら今まで気づかなかっただけということになるが、不思議な出来事のままにしておこう。

なぜならその方が面白いから。



やはり不思議な出来事は妄想と紙一重。

でも反対に見ている世界も妄想みたいなものだから、簡単に壊せる心構えを養いたい。

コメント
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