歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

妻への家路

2016年04月02日 | 映画
映画が観たいと思ったらとにかくTSUTAYAに行く。

最近は月額払って映画見放題なんていう動画配信サービスも普及しているけれど、

私は基本的にレンタル店の棚の前でDVDを手に取りゆっくり思案するのが好きなのだ。



旧作は100円で借りれるから重宝している。

しかし新作や準新作になると、急に1本400円くらい取られてしまう。

そこで新作・準新作5本借りれば1000円ぽっきりという救済措置があり、新しい作品を借りる場合基本的にこのサービスを利用している。

といっても5本全部観て返したという経験はあまりない。



今回借りてきた映画はほとんどがある程度の満足感を与えてくれるものだった。

そういうのは珍しい。

ただ「タランティーノ大絶賛」という宣伝文句につられて借りた1本は後味があまりよろしくなかった。

それを同居人に言うと「タランティーノなんだから当たり前だよ」と言われた。

彼の作品は好きだが、一人の人間としての嗜好はかなりマニアックそうだ。



そして返却日の今日、観ないで返そうと思っていた最後の1本を観た。

2014年の中国映画『妻への家路』だ。

文化大革命とその終焉がもたらした家族の物語。

究極のラブストーリーと言ったら語弊があるだろうか。

作中に散らばったはっと息を飲むほどの美しい情景。

窓から差し込む光一つでさえ本当に大事にしているのだなと実感する。

こんな愛の形もあるのだね。

言葉にするのは簡単だけど、言葉にしないのももったいない。

心の奥の方をぎゅっとされたような深く静かな感動に包まれる。



観てよかった。

一回借りてみなかった映画というのはなかなか観る気になれないもので、

今回観ないで返していたらと思うとぞっとする。



もうおすすめ映画2016とか言うのはやめよう。

面白い映画にばかり出会って少し混乱している。



見終わった後に諸情報に目を通していたら、監督が何と中国の巨匠チャン・イーモウ。

少し笑えた。

私が子どもの頃、両親がチャン・イーモウにやたらとはまっている時期があった。

確か『あの子を探して』と『初恋のきた道』を観たときだ。

注目していたらその後『HERO』とかいう派手なアクション映画をつくったものだから落胆していたのを覚えている。



実は中国映画というものを彼の作品以外あまり観たことがない。

これを機に新しいジャンルへ突入してみるかな。

コメント
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