歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

34歳、冒険に出る

2022年05月29日 | 日記
あらゆるエンターテイメントが好きだけどほとんど触れてこなかった分野がある。

ゲームだ。

ゲームはアニメや漫画の世界にも多大な影響を与えている。

夫はファイナルファンタジーⅦから人格を育てられたとか言っている。



私は数字のパズルのようなものはするけれどアクションやRPGには手を出していない。

一番の理由はRPGを一度やったらゲームの世界から抜け出せない可能性があるということ。

子供の頃から『ロードオブザリング』や『ハリーポッター』で描かれるファンタジー世界が大好きだった。

未知なる世界での冒険譚が大好物なのだ。

危険をはらむとはいえその主人公になれるなんて夢のような話だ。

とはいえゲーム脳が育まれていないのでゲーム内であってもやっぱり戦いたくない。

生き返ることがわかっていても死にたくない。

敵とはいえ無駄な死人は出したくない。

そんな具合でまぁゲームには向いていない。



それがなんだ、今年の誕生日に夫が名作と名高い『ゼルダの伝説 Breath of the Wild』をプレゼントしてくれたのだ。

これには笑った。

軽い気持ちでちょっとやってみたら、案の定ゲームの世界から抜け出せなくなった。

寝る間も食べる間も惜しんで没頭していたら4日目くらいには目の下に隈ができていた。

こりゃあ大変だ。





最初はその世界を走っているだけで感動した。

差し込む光、きらめく木の葉、夕日に染まる草原、照りつく岩、繊細な影、透明な水。

光の表現があまりに繊細なもんだから、その世界が本当に存在しているかのように錯覚してしまう。

ゲームってこんなすごいん!?そりゃあゲームの世界で生きる人も出るわ。

途方ない制作の過程を思うとくらくらする。



私はゲームのセオリーを知らないので勝手なことは言えないけれど「Breath of the Wild」はとても自由だ。

押し付けがましくないので気楽に進められる。

次はこれその次はこれ、と進む順番が決まっていたらきっと続かなかったと思う。

好きな場所へ行き、新しい村を発見し、知らない森をさ迷う。

その自由さが生み出す冒険感がたまらない。

また行く場所に制限がない(環境によって装備は必要)ので、

無意味と思われた散策の先で思わぬ出会いに巡り会えたりちょっとしたサプライズを味わうこともできる。

立ちはだかる壁の解決方法も人それぞれだ。

ちょっと視点を変えると難敵を軽々倒せたりと奥が深い。

人がこの世界を作ったと思うと飽きずに唖然としてしまう。

こ、これがオープンワールドか、、、。







最初は戦いたくないとか言って逃げ回っていたけれど強い装備を手に入れ自信がつくと好戦的になっていく。

傍若無人に敵をなぎ倒し「あれ、どっちが悪者だっけ?」と一瞬我に返ることも。

ちょうどそんな頃合いに身ぐるみ剥がされ裸一貫で無人島ミッションを与えられ、

クリアできないと「私はまだまだだった、強い武器を手に入れ自分が強いと錯覚してしまった」と反省させられる。

本当にどうなってんのってくらい作り込まれている。

そりゃあ発売から5年以上経っても値下げしないわけだ。



「Breath of the Wild」が特にそうなのかRPGの特性なのか、プレイヤーの性格が出るのが面白い。

ゲーム経験者は皆似た動きをするのかもしれないけれど、夫はとにかく敵を恐れない。

装備も食料もない状態で敵に突っ込み問題を早々に解決していく。

「敵は倒すものだから」、単純な話だ。

私はまだまだそんな風には割り切れず、強そうな敵が出たら全速力で逃げる。

まだ立派な勇者ではないか、、、。

勇者とは何か、敵とは何か、と一度立ち止まるとゲームは終わらない。

ふと大山海の漫画『奈良へ』を思い出した。

『奈良へ』はちょっとすごい作品だったのでまとまったら感想を書きたいと思う。



私の友達はゲームをしない人が多い。

それが面白いもので私がゲームにはまったタイミングで久々に会った友達がかなりのゲーム好きだった。

もちろん「Breath of the Wild」は経験済み、めぐるなぁ〜つながるなぁ〜。

女友達とゲームの話で盛り上がれるってのは新しい境地だ。

あの武器がどうだ、あの場所は怖い、あの装備は好きだ等々子供みたいにはしゃいでしまった。

「来年新作出るね」と確認しあい二人でウッシッシとなったわけだ。



私が装備万全で敵に向かっていく姿を観て夫が笑いながら「たんの大冒険だね」とか言ってよく馬鹿にしてくる。

「タンタンの冒険」ならぬ「たんの大冒険」、いや「ダイの大冒険」ならぬ「たんの大冒険」?

端から見ればバカバカしいことなのかもしれない。

いい大人がなにやっとんねん、なのかもしれない。

でも本当に面白いんです。

今更だけど私も言いたい、「ゼルダの伝説 Breath of the Wild」は名作です。


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