とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

シュルレアリスムと日本(板橋区立美術館)

2024-04-07 22:00:00 | 美術館
板橋区立美術館にて、『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本 を鑑賞。

1924年、アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表して100年。
日本のシュルレアリスムの歩みを振り返る展示。

正直、これといった核になる作品はなかったのかなと思いつつ、日本にシュルレアリスムはなじまなかったように感じた。
ダリのように強烈な個性の芸術家が登場する前に、第二次世界大戦が始まり、危険思想視されたことで、停滞することになる。

ただ、非現実的なモチーフやナンセンスの思想は、漫画につながっていったのかなと思う。

欧米中心の世界の辺境にあって、激動する世界の動きを取り込もうとした気概は存分に感じた。


大名茶人 織田有楽斎(サントリー美術館)

2024-03-03 23:59:00 | 美術館
六本木のサントリー美術館にて、「大名茶人 織田有楽斎」を鑑賞。

織田有楽斎(1547-1622)は、織田信長の弟で、本能寺の変、関ヶ原の戦い、江戸幕府の開府から豊臣家滅亡までを生き抜いた武将である。
織田家の人間としての武将としての振る舞いや世渡りという意味では、信長、秀吉、家康に翻弄された人生だっただろう。
そんな中での有楽斎の武器は、茶道であった。
有楽斎は、合戦の調停や和平工作に多くの功績を残している。

展示の内容に手紙が多く、当時も、生き残るためには、コミュニケーションが最重要だったのだろう。
大名や有力商人は忙しく、時間を割いて面会する茶会でのやり取りが生死を分けることもあったかもしれない。
そんな茶会の場を仕切る人間の役割は大きかったに違いない。

実際に茶会でどんなことが話し合われたのか、多くは記録に残っていないのだろうが、興味は尽きない。





キュビスム展(国立西洋美術館)

2024-01-21 21:00:00 | 美術館
国立西洋美術館にて、「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 美の革命」を鑑賞。

パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出されたキュビスムの変遷を追う展示。
芸術の試行錯誤の旅といった趣き。

解釈を必要とする芸術作品というのは、批評家の仕事も増やしただろうし、産業としての芸術の発展に貢献したことは間違いない。
何をテーマにどんな技法で表現するかといったプロデューサー的な視点の重要度が高まり、現代に至るわけだ。
絵画に多様性をもたらしたという面でも、面白かった。





アルベール・グレーズ「収穫物の脱穀」(1912年)


フアン・グリス「朝の食卓」(1915年)

モネ連作の情景(上野の森美術館)

2023-10-27 23:59:00 | 美術館
上野の森美術館にて、「モネ連作の情景」を鑑賞。

すべてモネの作品。
印象派以前から晩年までの作品を一堂に鑑賞できる。

見所は、同じモチーフを時間や天候を変えて、繰り返し描く連作だ。
日本の浮世絵から影響を受けたという指摘もあるらしい。

晩年は視覚障害を患っており、モネの目にはこういう見え方をしていたのかなという気もする。



チャリング・クロス橋、テムズ川(1903年)


ウォータールー橋、曇り(1900年)


ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ(1904年)


ウォータールー橋、ロンドン、日没(1904年)


睡蓮の池(1918年)

ゴッホと静物画(SOMPO美術館)

2023-10-17 23:50:00 | 美術館
SOMPO美術館にて、開催初日の「ゴッホと静物画ー伝統から革新へ」を鑑賞。

17世紀から20世紀の静物画の流れの中にゴッホの作品を位置付けて紹介する展示。
メインは、ゴッホの「ひまわり」と「アイリス」。

ゴッホは花を描くことで色彩の実験をしていたことには納得。
人物画を描きたかったものの、モデルを雇うお金がなくて、静物画を描いていたというのは、少し悲しい。



フィンセント・ファン・ゴッホ ひまわり(1888年)


フィンセント・ファン・ゴッホ アイリス(1890年)


フィンセント・ファン・ゴッホ 靴(1886年)


フィンセント・ファン・ゴッホ 皿とタマネギのある静物(1889年)


ポール・ゴーギャン 花束(1897年)