とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「at Home アットホーム」 (ねたばれ注意)

2015-08-27 23:07:39 | 映画
普通は結婚して、子供ができて、家族になっていくものだが、「普通に生きることの難しさ」って何なんだろう。
子供は親を選べない、子供も親の思うように育つわけではないし、それがいいとも限らない。
仮にこの映画のように、他人同士が家族になったとしても、現実として、継続していくのは非常に困難だろう。

ただ、この家族が成り立つかもと思わせてくれるのは、竹野内豊演じる主人公の「すべてを受け容れる強さ」だ。
自分自身の人生に夢や希望を持っておらず、人生のどん底を経験した人間が持つであろう
これ以上の下はないとの達観であり、浮上することの難しさであり、それでも危険を冒して前に進むしかないとの覚悟であり。
それを淡々とありのままに演じる竹野内豊。

家族と再会するラストシーンで感極まって両手で顔を覆って、主人公の表情を見せなかったところに、
この作品の肝があったように思う。見せないことで見せるという、心憎い演出だった。

ウーマンラッシュアワー村本の使い方とか、なかなか楽しめた。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:at Home アットホーム
製作年:2015年
製作国:日本
配給:ファントム・フィルム、KATSU-do
監督:蝶野博
主演:竹野内豊
他出演者:松雪泰子、坂口健太郎、黒島結菜、池田優斗、村本大輔、千原せいじ、板尾創路、國村隼
上映時間:110分