とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「蜜蜂と遠雷」(ネタバレ注意)

2019-10-04 23:59:00 | 映画
ブラボー。
言葉はいらない。

原作を読んだときも感動したが、映画にできるとは思わなかった。
栄伝亜夜と高島明石にスポットを当てる構成が秀逸。
二人を演じる松岡茉優と松坂桃李が、先導役となって物語に誘ってくれた。
高島明石は、観客目線を代弁する役割で臨場感が増幅された。

鈴鹿央士は、風間塵が本から飛び出してきたよう。
森崎ウィンの貴公子感は、マサルそのもの。
脇役も、福島リラは、ジェニファ・チャンの勝気さぴったりで笑ってしまいそうになった。

「自己肯定できる自分に気付けるか」ということがテーマだと感じた。
天才「風間塵」が触媒となって、天才「栄伝亜夜」を再生させる。
栄伝亜夜がマサルを成長させる。
高島明石も3人に刺激され、自分の進むべき道を見つける。

斉藤由貴演じる審査委員長と鹿賀丈史演じるマエストロの大人の厳しさが生み出す緊張感にも痺れた。
ステージに棲むという魔物の重圧に圧し潰されるか、魔物に取りつかれて人生を捧げるのか、
はたまた魔物ともうまくつきあって幸福な人生を歩むのか、運と努力が人生を左右する。

人生は自分との闘いだということを突き付けられた。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:蜜蜂と遠雷
製作年:2019年
製作国:日本
配給:東宝
監督:石川慶
主演:松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士
他出演者:臼田あさ美、ブルゾンちえみ、福島リラ、眞島秀和、片桐はいり、光石研、平田満、斉藤由貴、鹿賀丈史
上映時間:119分