とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「コットンテール」(ネタバレ注意)

2024-03-13 23:59:00 | 映画
妻を亡くした男が、妻の想い出の地への遺灰を撒くため、疎遠になっていた息子家族と旅に出る。
妻が願っていて叶わなかった、息子との関係修復の旅の顛末やいかに。

妻を亡くした男、兼三郎をリリー・フランキーが演じる。
若いときの兼三郎を演じた工藤孝生が、いかにもリリー・フランキーを若くした風貌で、びっくり。
認知症を患い逝ってしまう妻を木村多江が演じる。
なんとも幸の薄そうな雰囲気が漂っていたり、認知症患者の演技の迫力はさすが。
父に思いをぶつけるも、受け入れられない息子を錦戸亮が演じる。

うーん。訴えたいことはわかるものの、それぞれの人物に現実感がないというか腹落ちしない感じがした。
兼三郎は妻との馴れ初めを思い出しながら、旅を続けるが、妻を愛していたことは確かなんだろう。
誠実な人間のようにみえるが、ちょいちょい盗みをしたり、危うさを内包しているように見える。
息子とのやりとりでは、単なる駄々っ子のようにも見え、誰に対してもそうなのか、息子に対して特別な思いがあるのか、よくわからない。
リリー・フランキーが演じるだけに、「不器用」だけで語れない複雑なキャラクターで、単純なハッピーエンドと受け取っていいのか迷う。

息子の慧(トシ)は単純なキャラクターだ。
ナイーブさを錦戸亮がうまく表現していた。

慧の妻のさつきを高梨臨が演じたが、義父に振り回されても辛抱強く、夫に付き合う強さを感じるキャラクター。
義父の自分勝手な行動へのあきれを隠さない感じで、どこか壁があるように感じるのは演出なのだろうか。

登場人物全員の関係が噛み合っておらず、最後まで噛み合わない。
旅の目的である、妻(母)の想い出の地で遺灰を撒く目的は達成したが、父と息子の関係は修復できたのだろうか。

点数は、5点(10点満点)。

タイトル:コットンテール
原題:COTTONTAIL
製作年:2023年
製作国:日本、イギリス
配給:ロングライド
監督:Patrick Dickinson
主演:リリー・フランキー
他出演者:錦戸亮、木村多江、高梨臨、恒松祐里、工藤孝生、Ciaran Hinds、Aoife Hinds
上映時間:94分



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