とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「百花」(ネタバレ注意)

2022-09-20 23:59:00 | 映画
原作小説を読んで、年老いた母親を持つ身としては、身につまされるとともに、感動した。
小説の著者である川村元気が監督・脚本を務めている。
川村元気といえば、映画プロデューサーとして、押しも押されもせぬヒットメーカーだ。
小説家としてもヒットメーカーで、映画化された作品もいくつかあるが、本作は自らメガホンを取っている。
それだけ思い入れのある作品ということなのだろう。

小説の映画化にあたり、菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみは、最高のキャストだと思う。
さすが東宝の重鎮、名プロデューサーが監督を務めるだけのことはある。

ワンシーンごとに現在と過去の回想が入り混じる展開は、登場人物の頭の中を覗き込んでいるようであった。
特に子供のころの記憶は、自分が見えていた世界がすべてなので、事実と異なっていることも多いのだろう。
それらが、ピアノの曲だったり、ちょっとした小物をきっかけに呼び起こされるシーンは、映像化されてこそ、リアリティを感じた。

人間、齢を取ってこそ感じるのは、愛されるよりも、愛したいということだろうか。
自分が親になって初めて、親の心がわかるということもあるだろう。
そんな変化を菅田将暉が絶妙に演じていた。
台詞だけで表現するのではなく、沈黙での表現に引き込まれた。

一つだけよくわからなかったのが、原田美枝子のメイクの変化だ。
認知症が始まったオープニングあたりが基準だとして、過去シーンと認知症が進んだエンディングで極端過ぎるように感じた。
なにかしらの演出的な意図があったのだろうか。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:百花
製作年:2022年
製作国:日本
配給:東宝
監督:川村元気
主演:菅田将暉、原田美枝子
他出演者:長澤まさみ、北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野三鈴、永瀬正敏
上映時間:104分



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