ロンドン・ナショナル・ギャラリー展（国立西洋美術館）

国立西洋美術館にて、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展を鑑賞。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、
1824年に市民によって設立された「西洋絵画の教科書」とも言われる
ルネサンスからポスト印象派までの幅広いコレクションを誇る。

今回、特に見たかったのは、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女性」。
フェルメール晩年の作品と言われている。
遠くから見ると、ヴァージナルの側面が光を反射して絵の中に長方形が浮かんでいるように見える。
近づくと椅子に座っている女性と視線が合う。
どの角度から見ても視線が外れない気がする。
光に誘われて近づいてみると、女性の視線に囚われて離れられない。
何とも不思議な作品だ。

もう一つは、ゴッホの「ひわまり」。
ゴッホの「ひわまり」は7点あったらしい。
そのうち1点は日本人が所有していたが、戦災で焼失したと初めて知った。
今回の作品は、ゴッホがアルル時代にゴーギャンの寝室に飾るため
自分の名前をサインしたお気に入りの2点のうちの一つとのこと。
そう思って見ると、そのときのゴッホの希望が込められているように思えてくる。

他にも、レンブラント、ベラスケス、ターナー、ルノアール、モネなど
巨匠たちの作品が目白押しの贅沢な展示であった。

広島 vs ヤクルト（神宮球場 2020/10/4）今年も誠也のホームランが見れた

今年はコロナ禍で球場での観戦はできないと思っていたが、何とかチケットを入手。
ほぼ順位が見えてきたことで、チケットが取りやすくなったこともあろうが、やっぱり球場はいい。

カープの先発投手は、中村祐太。ヤクルトは、吉田大喜。
両チームともに来季を睨んでの若手の起用。

1回表のカープの攻撃。
先頭打者の売り出し中の大盛は三球三振。続く田中広輔も凡退。
三番の鈴木誠也は９球粘って四球。
四番の松山がライトへのヒットで、2死1、3塁のチャンス。
五番の會澤の2球目を捕手の西田がパスボール。サイン違いだったかも。1-0。
會澤はストレートの四球で出塁も、六番の長野はセカンドゴロで攻めきれず。

1回裏のヤクルトの攻撃。
一番は田代。サードベースよりのライナーを堂林がダイビングキャッチ。
抜ければ二塁打確実の打球を好捕。失礼だが珍しい。
続く濱田はショートゴロの後、山田哲人が左中間フェンス直撃の二塁打。
村上は四球の後、坂口をサードゴロに打ち取り、初回は無失点で切り抜ける。

2回裏のヤクルトの攻撃。
先頭の西田が粘って８球目をレフトスタンド中段へのホームラン。1-1。
パスボールの借りを返した。

3回表のカープの攻撃。
先頭の田中広輔がライトスタンド前列へのホームラン。2-1。

5回表のカープの攻撃。
1死から田中広輔がライトオーバーの二塁打。
鈴木誠也は三振の後、松山は申告敬遠で、2死1、2塁となり會澤。
粘って、カウント3-2からの９球目をライト前にポトリと落ちる二塁打で追加点。4-1。
長野が続いて、センター前にタイムリーヒット。
リプレイ検証も、會澤のベースタッチが一瞬早く、判定通り。5-1。
ここでヤクルトのピッチャー交代で、風張にスイッチ。
ワイルドピッチの後、堂林も９球粘って四球も、続く菊池が凡退。

5回裏のヤクルトの攻撃。
中村祐太が三者凡退に抑えて、勝ち投手の権利を確保。

6回裏のヤクルトの攻撃。
この回からカープのマウンドは中田廉。
山田哲人は三振に抑えたが、続く村上にライトスタンド最前列へのホームランを浴びる。5-2。
低めのボールをすくい上げた、非常に滞空時間の長いホームランだった。

7回表のカープの攻撃。
先頭の鈴木誠也が、寺島からセンターオーバ―のホームラン。6-2。
これで３年連続で誠也のホームランを球場で見れた。これぞ幸せ。

9回裏のヤクルトの攻撃。
カープは７回ケムナ、８回塹江とつないで、９回はフランスア。
先頭の西田にライト前に落とされた後、2死から代打の中山にホームランを許したものの、
代打の西浦を抑えてゲームセット。6-4。

カープ、ヤクルトともに、目先の１勝には拘っていない感じはしたものの、
選手が力を出し切ることが大事だ。

ヒーローインタビューは、2018年5月1日の巨人戦以来、2年ぶり勝ち投手の中村祐太。
彼にとっては大きな１勝だったに違いない。
速球はマックス140kmでも、打たせて取るピッチングはあまりいないタイプ。
来季以降の活躍に期待だ。

ティモンディ高岸の始球式。スピードガンは138kmを計測。
170kmを目指すも、涙で力が入らなかったらしい。

「浅田家！」（ネタバレ注意）

好きなことをして生きていくことの大変さが伝わってきたのと、
周りの支えがあってこそ、というところに魅了された。

主演の浅田政志を演じている二宮和也は不思議な人だなあと感じた。
柔らかさと強さが同居していて、自然体というのがいい。

もう一つ、いいなあと思うのは、平田満演じる浅田家の父親だ。
この時代には主夫というのは認知されていなかったと思うが、葛藤はあるとしても、
堂々と生きているし、息子たちを温かく見守っているところに感動した。
家族愛といったものが薄れてきている中でのノスタルジーかもしれないが。

コロナ禍の中で、家族の絆や人と人との助け合いにスポットを当てた作品が上映されて
人の心を動かすことから、世の中が明るく前向きになるきっかけになればと思う。

政志が写真学校の卒業作品を作成するために実家に帰ってきたときに入れ墨を入れていたのを見て、
風吹ジュン演じる看護士の母親が「感染症に注意しなさい」と言っていたのも事実だろうか。
随所にコメディ的な話が入っているところも楽しめた。

点数は、10点（10点満点）。

タイトル：浅田家！
製作年：2020年
製作国：日本
配給：東宝
監督：中野量太
主演：二宮和也
他出演者：黒木華、菅田将暉、風吹ジュン、平田満、渡辺真起子、北村有起哉、野波麻帆、駿河太郎、池谷のぶえ、松澤匠、篠原ゆき子、後藤由依良、妻夫木聡
上映時間：127分

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」（ネタバレ注意）

泣ける作品であり、心洗われる作品だ。
また、映像、音楽、構成、キャラクター、すべての完成度が途轍もなく高い。
雨が地面に落ちて跳ね返るシーンや、海面が月明りで煌めくシーンの水の表現は息を飲む美しさだ。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、純粋な人間を体現しているが、
純粋な人間は、傷つくことも多い。
一方、純粋であるが故に、雑音に惑わされない強さも持っている。
こうなりたいとは思えないが、全力で助けたいと思える存在だ。

人間、素直にならなければと思えた。

点数は、10点（10点満点）。

タイトル：劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
製作年：2020年
製作国：日本
配給：松竹
監督：石立太一
主演：石川由依
他出演者：浪川大輔、子安武人、木内秀信
上映時間：140分