27日、62歳の朝を迎えた。洗面所で鏡に写った私を眺める。昨日、出張から戻ったばかりで疲れているのか、眼の下の皺が目立つような気がするが、肌はまだつるつる、手も皺はなく元気そのもの。まだまだ若い!と自分勝手に納得する。ただ、垂れ目になっているのが気に掛かる。やはり、少しずつ変っているのだろう。けれど、柔和な顔になりつつある、と無理矢理に納得することにして、洗面終了。
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今日の誕生日、ゴルフの予定だった。が、同行のI部長とH副部長が緊急業務が入ったとのことで中止となった。平日ゴルフなので仕方が無い。空いたので朝一番に懸案だった血液検査にかかりつけの病院へ。尿酸値検査が主な目的だ。痛風を抑える薬の効果を確かめるためだ。妻は薬を飲まないで食事療法で何とかせよ、と云うが・・・。
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病院の次に図書館へ。「暁の密使」を申し込んでいたのだ。家に戻ったのが10時前。とりあえず、今日の予定は終わった。さて、天気は良いし、桜は満開に近いし、どうしよう!
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週末は花見を計画しているが、それはそれとして北九州の最高峰「福智山」の中腹にあるという樹齢600年の「虎尾の桜」を見物に行くことにした。妻と2人だが、期せずして想いは同じ! 和音君を借り出すことに成功した。この虎尾桜は福智町にあって地元では有名らしいが、私は行ったことが無い。インターネットで行き道を調べると、駐車場から30分程度の山道を登ると紹介されていた。30分くらいなら、和音君でも大丈夫だろうと高をくくったのだが。
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平日ではあったが福智登山口の駐車場はいっぱいだった。なんとか脇道に車を止めて登山開始。和音君はお得意の機関車トーマスの真似をして両手を動輪に見立ててぐるぐる廻して走りだした。親に似て外出好きで楽しそう。遠足のようだ。山道に差し掛かると、すれ違う人たちが、「まぁ、元気」「大丈夫かなぁ」「頑張ってね」と声を掛けてくれる。それを聞くとかなり急な上り坂で、和音君には無理な気がしたのだが、行けるところまでは行こうと頑張ることにした。そして懸命に登っていたのだが、ちょうど半分くらいのところで、とうとう「抱っこ」と言い出した。私がおんぶする積もりだったが、妻が私がおぶって登るときかない。結局、疲れたら交代と云うことになったが、可愛い孫のためとそれから15分の石だらけの急な坂道を登り通した。
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虎尾桜は少し開けた中腹に鎮座していた。ちょうど満開で空を覆わんばかりにピンクの花びらが咲き誇っていた。周りには見物客がここかしこに陣取っていて、弁当を広げているグループも多かった。私たちも、巨大な桜を見上げ、「来て良かった!」 和音君はよほど疲れたのか「桜はあんまり好きじゃない」。 一人で登れなかったのが悔しいようだった。そして「弁当持ってきたら良かったね!」
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下りは私がおんぶした。タウンシューズなので滑らないように気をつけたのだが・・・。ふと気を緩めたのだろうか、見事に尻餅をついた。けれども死んでも和音君には怪我をさせられないと、右手は頑張ったのです、怪我がなくてよかった。
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無事に下山してコンビニでお握りを買った。お腹が減っていたのだろうか、和音君は二つを瞬く間に平らげてすやすやと寝てしまった。和音君にとっては初めての登山体験なのでした。
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夕方、娘夫婦から誕生日のお祝いとしてスパークリングワインとヌーベル月桂冠をプレゼントされた。その日の朝、妻と今晩は美味しいお酒が飲みたい、と話をしていたところなのでちょうど良かった。山登りで疲れた身体に沁み込むようで、実に美味しかった。
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