どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

らんまん、その時代のシブヤ

2023年09月10日 17時22分00秒 | TV
明治時代の渋谷は東京市外の澁谷村で、街道筋の宿場町に過ぎなかった。

NHKで放送中の朝ドラ「らんまん」にて、寿恵子が新橋料亭女将の叔母から澁谷で商売をと勧められ、下見に訪れるというエピソード。

どんな風に当時の澁谷が描かれるのか楽しみだったが...。

あちゃ〜やっぱり狭っ苦しいスタジオ収録か〜(´д`)

ここは一つ、坂を感じさせる宿場町っぽい風景を野外ロケでやってほしかったものだが...。

まぁ...いろんな事情もあるんでしょうが...それを補うような演出が楽しい(^_^)

寿恵子を俯瞰に捉え、カメラが垂直に急上昇。



おおっ!がんばって当時の全景を再現しとる(*^o^*)

寿恵子は道玄坂に立ち、東の方向を向いていたワケね。

澁谷川に沿うように敷設された鉄道(現・JR線)と、今よりも恵比寿駅寄りにあった澁谷駅もちゃんと描写されて(^_^)

寿恵子が独自取材してまとめた手製の地図も面白い!

紹介された物件は円山町なのかな?後に百軒店として有名な繁華街に発展する地域ですな。

茶畑に囲まれた辺境の地、東京を追われた者の吹きだまり(^_^;

実際もこんなもんだし...(^_^;

そんな僻地で待合茶屋の出店計画は成功するや否や!

実際に渋谷出身の井上順さんを地元の有力者として出演させているのもニヤリポイント(^_^)

いよいよ終盤にかけてどんな展開になっていくか楽しみでございます\(^o^)/



動物に少子化は無い

2023年08月18日 20時20分00秒 | TV
もう3週間ほど前になるが、朝まで生テレビ!「激論!少子化ニッポン」で司会の田原総一郎さんが盛んに、何度も何度も繰り返していた言葉。

議論を焚きつけるためにワザと言っているのか、ボケているのか不明だが、妙にその発言だけが印象に残ってしまった(^_^;

もちろん他の論者は社会政治をベースとして真面目に思考し取り組んでいる方々なので、苦笑するばかりで正面から答えられない。

でも皆、心の中では判っている。

人間の歴史は社会を形成し、宗教を生み、道徳・規範・法律・倫理などなどで自らを縛り、人権とか多様性をもって互いに尊重する道を辿ってきた。

だが裏を返せば、それらは本能で生きる「動物」からの脱却で、だからこそ「人間」なのだ。

「動物に少子化は無い」はイコール「人間は少子化する」という事になるんだろう。

本能のままに生きれば、それ即ち「動物」であり、「人間」であることをやめることになる。

われわれ「人間」は今、良かれと思ってきたことが、枠や枷としてガンジガラメとなり、どんどん息苦しくなってきているのかもしれない。

そんなことを考えさせられている討論内容だった。



たった1人の過ちのために

2023年06月30日 20時25分00秒 | TV
毎度のことながら残念な気持ちにさせられる。

またもやこんな事を一方的に行っている。

こんな意味のない愚行をいつまで続けるのかと、怒りさえおぼえる。

放送ならば「公共の電波」を使って云々なのは、疑問もありつつ...まぁ理解できる部分はある。

ある一定の時間帯にたまたまチャンネルを合わせたら、該当の人物が目に入ってしまう...それを不快と感じる人もいるだろうから。

でもネット配信の場合はどんなもんだろう?

配信のために料金を支払って、選択した上で初めて視聴できるものなのにも関わらず、あまりに「配慮」や「忖度」の度が過ぎないか?

観たいと思う層に対し、根こそぎ的に機会を奪ってしまうのはいかがなものか?と思わずにはいられない。

映画作品にしても同様で、選択した上で観るワケでしょう?

観たくない人は最初から観ないのに...。

こんな事して誰が喜ぶのだろうか。



舞台「東京物語」を観て

2023年06月26日 19時55分00秒 | TV
BS松竹東急での収録映像で、10年ほど前のものらしい。

脚本・演出は映画監督の山田洋次さん、演ずるのは劇団新派の方々。

収録時間はタップリ2時間あったが、それなりに観ていられるクオリティだった。

...がしかし。

アレンジは多々あるものの概ね小津版映画と同じ...だが舞台は終始、長男・幸一の家に限定され、次女・志げや三男嫁・紀子それぞれの住居でのエピソードは全て演者の後語りで済まされ、絵的にとても窮屈に感じた。

終盤における母・とみのエピソードはどうするのかと思っていたら、これも長男宅で...(このあたりのアレンジは山田洋次監督作『東京家族』と同じだ)。

紀子はほぼ同じではあるものの、「晩春」や「麦秋」での紀子を合成したようなキャラで、義父母へ供す店屋物は天丼から鰻丼に、手土産は高級菓子となり、こりゃ「東京物語」での平事務員ではなく、「麦秋」の重役秘書やってる紀子だなと(^_^;

義父・周吉もコワモテで、思ったことはハッキリ言うタイプの人物となり、笠智衆さんの表向き穏やかだが諦念タップリな内面の良さは見事に消え失せていた。

舞台演劇なので仕方ないことではあるが、演者それぞれが仰々しく喜怒哀楽も強く押し出している感があり、話しの筋は同じでも観ていて辛くなってしまう。

その上、山田洋次さんお得意の下町人情テイストが強く足し付けられてキツい...(´д`)

小津安二郎さんのインタビューでこんなのがある。

 性格とは何かというと――つまり人間だな。人間が出てこなければダメだ。これはあらゆる芸術の宿命だと思うんだ。感情が出せても、人間が出なければいけない。表情が百パーセントに出せても、性格表現は出来ない。極端にいえば、むしろ表情は、性格表現のジャマになるといえると思うんだ。───「性格と表情」キネマ旬報 1947(昭和22)年12月

この演出上の指向性があるから普遍性があり、何度でも観たくなるものがある。

だから小津映画作は名うての監督らが挑戦してはきたが、どれだけ深掘りしようとも、現代版にアレンジしようとも、上手くいったことはないと感じている。

だから「東京物語」をはじめとする小津安二郎作品群は、脚本・演出・撮影・編集...どれを欠いても陳腐で不完全なものとなり、他者が手を付けない方が良いのだ。

例えが的確かどうか判らないけど、モナ・リザの絵をリメイクして誰が喜ぶのか?というのと同じだ。

レオナルド・ダヴィンチの手によるタッチ・構図・書き込みが完全無欠なのであって、それ以外の要素を足しても引いても意味が無いのだから。

今年生誕120年没後60年を記念して、WOWOWでこんな企画があるそうな。

ファンとしては嬉しい反面、やめておいた方が...と思ってしまう(^_^;



グレースの履歴

2023年05月09日 19時27分00秒 | TV
なかなか良質なドラマだった。

旅行先で事故死した妻が遺したクルマに乗り、そのカーナビ履歴を辿って行きつつ、徐々に秘密とその想いに触れていくというもの。

典型的なロードムービー形式なのだが、とにかく丁寧に作られていて、国内各地の美しい自然なんかも写し出され楽しめた。

基本ミステリーではあるが、亡妻の独善的行動がちょっと鼻につき、ラストの強引さもちょっとねぇ...という感じはあったけどね(^_^;

でも見ていく内に、この作者は小津安二郎好きだなと大いに感じ、そこが引き込まれるポイントでもあった事に気づいた。


決定的だったのはこの会話シーン。

小津作品でよくある対面する二者のカットバックね。

目の位置までキッチリ合わせて、絵作りのコダワリも感じ取れた。

作風から察するに、これは「麦秋」なのだなとも。

同作は霊体視点と思われるカメラワークが特徴的なのだが、このモチーフが取り入れられている。

小津作品のそれに比べて、本作は説明過多でアカラサマなんだけどね(^_^;

大河ドラマは?

2023年03月18日 21時10分00秒 | TV
好きとかじゃないんだけど、枠としては存続してほしいし、肯定しているという感じ。

1年1作品じっくり時間をかけてテーマとなる時代を追う...。

そんなシリーズは他に存在しない。

もちろん好みというものはあるので、ハマる時もあれば全く見ない時もあって。

シリーズのエポックとなった「龍馬伝」、とても新鮮で新たな可能性さえ感じた「いだてん」、そして三谷幸喜さんの脚本と制作・演出陣が理想的とも言える形で昇華した「鎌倉殿の13人」...素晴らしい作品と出会えた時の喜びは計り知れないものがある。

はたして現在放映中の「どうする家康」は如何に?



男女逆転の世界

2023年03月06日 19時05分00秒 | TV
NHKで放送中のドラマ「大奥」を楽しんでみている。

江戸時代の最初期、赤面疱瘡なる架空の伝染病によって男子の人口が極端に激減、男の役割の大部分を女が担う世界を描いている。

徳川将軍家も世継ぎで悩まされ、家督・将軍職を女も継承していくのだが、単純に逆転といっても容易にいかない部分もあり、そこにドラマが生まれていく仕掛け。

面白いのだが、やはり子作りにおいて女性のリスクは圧倒的に高いものだし、もしこれが現実に起きたら、人口は減少の一途を辿り、滅んでいく方向に進んでいくんじゃないかなぁ...と考えてしまう。

男の場合はそれこそアッチコッチにタネばらまいて、多産していくのは可能だが、逆ってのはないもんだしなぁ...。

それにしてもNHKは映像表現を大夫チャレンジしていて、夜中の22時台の放送とは言え、濡れ場のシーンは割とストレートで驚いた(^_^;

性描写への対応を俳優とカウンセリングするインティマシーコーディネーターも据えて体制を整えているそうだ。

映画などでセクハラ被害も横行しているのが話題にもなったが、これからはこういうポジションも重要視されていくのだろう。



テレビ放送開始から70年

2023年01月29日 16時15分00秒 | TV
NHKなど、盛んに特番を組んで張り切っている。

「絵の出るラジオ」とか「電気紙芝居」などと揶揄されつつも、次第に映画業界に脅威を与え衰退へとおしやった存在。

自分の幼少期には「一億総白痴」とかカラー放送に対しては「目が悪くなる」とされて、常に危険視されていた記憶も。

それだけ映像のインパクトは強烈で、抗えない中毒性があった証左なのだろう。

その絶対的な地位もインターネット、そしてスマホの膾炙により、かつて自らが映画業界に与えたダメージを被っている。

歴史は繰り返し、淘汰されていくということか...。

それにしても無線で映像を飛ばすなどと、荒唐無稽な仕組みをよくも実現できたものだと改めて思う。

高柳健次郎博士の功績はもっと評価されて良い。

戦争とその敗戦に影響されなければ、テレビ技術は日本が中核を担っていた可能性もあるのだから。



NHK、飴と鞭

2023年01月21日 21時02分00秒 | TV
受信料...拒否していた時期もあったが、今は支払っている。

結局、録画してまで視る(質・価値ともにある)のはNHKくらいしかないのだ。

で、その受信料が10月に1割程度値下げされるという。

あらゆる物・サービスが値上げでヒーヒー言わされている中、有り難い話しではある。

...が、それでもモヤモヤは拭えない。

相変わらず義務化一辺倒な発想だし、拒否への報復...鞭の力の込めようはどうだ。

どこまで行っても中途半端な存在だなと思うばかりだ。