どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

再放送の効果

2024年11月04日 18時30分00秒 | アニメ
氷川竜介さんの「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」についての考察を聴いて、あ〜なるほど確かに!と膝を打つ。

再放送は本放送視聴を逃した人が作品に接する機会...というのは当然だし、70年代は17時台にバンバン流していたものだ。

それで出会った作品も多かったように思う。

だが氷川さんの見解はもっと深い。

ヤマトやガンダムのような濃くて連続性のあるドラマの場合、週一よりも毎日短い間隔で視聴する方がストーリーの理解が深まると。

確かに自分もその効果によって、朝ドラみたいに毎日途切れなく耽溺できたんだなぁと。

ヤマトの場合、本放送は特別で別格の鑑賞体験だったが、再放送で復習することで作品への親しみも増したと感じている。

今は配信という仕組みがその役割を果たしていると思うが、ビデオ録画もない時代の再放送は本当に有り難かったものだ。



あの出会いから50年か...。

2024年10月06日 18時25分00秒 | アニメ
1974年10月6日19時30分、自分の人生にとっても革命的な日だった。

意外と同年代のオタク・マニアでさえ、この日の第1話を見逃していた人は多い。

自分はその前週までやっていた「侍ジャイアンツ」を見ていて、来週から始まるというその予告を見ることができ、しっかり初回から鑑賞できた。

そう...視聴ではなく、鑑賞だった。

12歳、小学生最後の秋。

毎回、映画を観ている心持ちで、部屋の照明を落として画面に集中していたことを昨日のことのように憶えている。

あの日から半世紀が経ったのか...愕然とするばかりだ。

自分は何をしてきたのか。何ができたのか。何を捨ててきたのか...。

ぼんやりと特設サイトを眺めながら、物思いにふけるばかりだ...(´д`)

朽ちた巨艦を前に呆然と立ち尽くす、古代と島の如く、50年経ってしまったのだなと。



アニメに関する二つのメモリアル

2024年07月21日 16時30分00秒 | アニメ
「太陽の王子 ホルスの大冒険」56年前の今日公開か...。

漫画映画からアニメーション映画へとジャイアントステップを遂げた歴史的作品だ。

二律背反に悩み苦しむ姿を切なく描写したヒロインのヒルダ...今となっては典型的なキャラクター造形の一種ではあるが、当時は生みの親である高畑勲さん以外、誰も理解できる人がいなかった。

そのキャラクターデザインを多くの若手アニメーターが挑むも適格に表現できたのは、ベテランの森やすじさんだった。

今観ても、その完成度は素晴らしい...ヒルダというキャラが創出されなければ、セイラ・マスも綾波レイも存在しなかっただろうと思う。

そして忘れてはならないアニメーター・金田伊功さんの命日でもある。

15年前、57歳で鬼籍に...あまりにも早い死にその当時も強い衝撃を受けたが、何年経とうともその想いは変わらない。

晩年はその個性を今の作品にどう活かすか試行錯誤されたようだが、その壁をどう乗り越えていくか...もっと観ていたかった。

ホルスも金田さんも自分の人生に大きな影響や刺激を与えてくれた存在で、同じ時代に触れることができた事に感謝したい。



金田伊功さんの存在感

2023年07月21日 19時17分00秒 | アニメ
あれからもう14年にもなるのかと...。

享年57歳...自分はもうとっくに越えてしまい、あらためて若すぎる死に愕然とするばかりで。

参加権が無いにもかぎらず、手を合わせないではいられなくて、お別れの会々場にも行ったな。

その作画手腕とセンスは宮﨑駿さんにも愛され、「原画頭」として貢献された。

自分の中では79年の「銀河鉄道999」でのクライマックス、惑星崩壊シーン。

これを越えるカタルシスは今に至るも目にした憶えは無い。

先日鑑賞した「君たちはどう生きるか」において、宮﨑さんの金田さんへの想いも仄かに感じられるものがあった。

自分にとっても...その存在感は10年経とうが20年経とうが薄れることはないだろう。

少々臭い言い方だが、青春の象徴とも言えるし、本当に感謝に堪えない。



うる星やつら

2022年10月25日 19時38分00秒 | アニメ
深夜アニメとして、41年(!)を経てリメイク。

リアルタイムで見ていた世代だが、あまり響いてくるものが無いなぁ〜という印象。

すごく丁寧に作っているし、あらゆる方位への配慮もなされている。

声優のセレクトも旧版に近いものがあり、よく考え抜かれているのがわかる。

これなら文句いう人も多くはないだろうなぁと感じる...けど、気を遣いされ過ぎちゃって全てが予定調和的で大人しく見えてしまう(´д`)

あたる母の「産むんじゃなかった」も

好みは別れるところだが...やはり押井守のような毒が欲しくなるんだよな。

30代前半の次女の感想は「面白かった〜!」であった(^_^;

90年代生まれなので、全く触れてないのだが、そういう世代には新鮮ってことなのかねぇ...。



ククルス・ドアンの島、冒頭10分

2022年05月27日 20時35分00秒 | アニメ

公開された。

想像していたのと違った。最初からドアンザクが派手に撃退する様子を見せちゃうのか...。

個人的にはオリジナルのミステリアスな始まり方が好きなんだけどなぁ。

アムロ達も同じ目に遭うんだろうなってのが読めちゃう...まぁどんな作品になるのかは観ないと判らない。

 

 

 


ルパン三世、放映から50年!

2021年10月24日 18時05分00秒 | アニメ
1971(昭和46)年の今日だったのか...自分が9歳の時。


リアルタイムでなのか、再放送でなのか、記憶は曖昧になっているけど、小学生の自分にとってはあまりにアダルト且つアンニュイな作風でドキドキしっぱなし、たまたまTVの前で親と一緒な時に限って不二子のヌードシーンになったりして、もう居たたまれない思いをした記憶が先に立つという...(^_^;

あれから半世紀も経っちゃいましたか...。

それを記念しての「カリオストロの城」を上映したり、2週連続で日テレ・金曜ロードショーで「ルパンは燃えているか....?!」や照樹務演出2話がまとめて見ることができて、嬉しさを感慨深さに満たされ...。

そして極めつけは、この一冊!「ルパン三世 PART1 絵コンテ集 「TV 1st series」秘蔵資料コレクション

旧ルパン全23話の中からパイロットフィルムを含む6本の絵コンテを紹介、叶精二さんによる詳細な解説付きでジックリ味わうことができる素晴らしさ(*^o^*)

原版は青焼きによるもので、現在のコピー機に比して不鮮明、さらに経年でかなり劣化してしまってるみたいで、調整に苦心されたのが見て取れます。

正直絵コンテ4枚を1ページに納めているため、老眼が進んだ我が身には厳しいのですが、パージ数やコスト面で諸々断念...贅沢言えば切りが無いので、この構成も致し方ないというところ...。

叶精二さんの裏話はこちらにて...。


それでも貴重な資料に目を通すことができるのは至福の喜びというものです(*^o^*)

過去のルパン関連書籍に新たな一冊...大切に読みたい次第。



富野由悠季という人、そしてイデオンという特異点

2021年09月20日 18時15分00秒 | アニメ
スタジオジブリの機関誌「熱風」の特集インタビューが面白い。

幅も広く奥行きが深いため、私のような凡人には掴みきれない人物ですが、これほどまでに高畑勲さんに囚われ影響を強く受けていたとは。

「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」でコンテマンとして参加していたのは有名ですが、納品したコンテをそのまま使われることはなく、修正されたり削除されたり...怒りや諦念をこめて語ってますが、思えば師匠として勉強させてもらったのだなと感慨深く...。

「赤毛のアン」をもって、宮崎駿さんも富野さんも高畑さんから巣立ち、独自の世界を展開していったとも捉えられる。それはある意味で卒業だったのか。

ネット配信で久しぶりに「伝説巨神イデオン」全39話と映画版「THE IDEON 発動編」を一気観してしまった...。

「機動戦士ガンダム」の次作で、当時リアルタイムで観たけれど...あらためて想う...よくもまぁ40年も前にこんなトンデモな作品を生み出せたものだなと。まさに特異点だなと...。

そして...広げた凄まじく大きな風呂敷を逃げること無くキチンと畳む大人の技量...どこかに高畑さんの影を感じもした。

インタビューの中で特に印象的だったのは「赤毛のアン」でアンの声をあてた山田栄子さんを「イデオン」のバンダ・ロッタに起用した件。
キャスティングが失敗だった。僕はアンをそのまま持ち込もうと思ったんだよね。だけど「イデオン」の中のキャラクターとちょっと違うんだよね。発声してもらった瞬間「わーっ!」て。やっぱり呼んじゃいけなかったとわかった。<< 中略 >>まさに失敗した部分を埋め合わせようと思ったんだけれど、ミスキャストはミスキャストなんですよ。それが高畑監督の「アン」のときには図星だった。まわりがみんな大反対しているところに...。

当時観ていて、あぁアンの人を招き入れ、名作アニメのテイストを注入したんだなと思いましたけど、個人的に山田さんの起用は良かったと感じてますけどね(^_^)

それにしても...。

当時浴びせられたイデのエネルギーは、今もって廃れることなく語り継がれている...大したものだ。



いろんなタイプのガンダムオタク

2021年09月12日 18時07分00秒 | アニメ
紆余曲折を経て40年以上も続くシリーズなので...。

とても把握しきれない(^_^;

この動画で判断する限り、自分は「宇宙世紀厨」の「初代派」になるらしいです。

7年を経て製作された「機動戦士Zガンダム」ですら、あまりに作風が変わり受け入れられなかった...「初代」にはあった暖かさやしなやかさが失われ、ただただトゲトゲしくヒリヒリとした人間模様に嫌気がさしてしまって...。

監督の富野由悠季さん自身、続編否定であり、7年の間に作った「伝説巨神イデオン」を初めとする数多くのタイトルが不振で挫折感いっぱいの中、ビジネス的判断で無理矢理作らされてる感が伝わってきて、見るのも辛い...。

今回「閃光のハサウェイ」があまりにも良い出来具合で、遡るように「逆襲のシャア」や「機動戦士Zガンダム」劇場三部作も見返したけど...やっぱり、受け入れがたい作風だなぁ...としか言いようがなかったです...(´д`)

まぁ...それでも良い悪いは言いようがない。

これだけ長いシリーズだと、世代の幅も拡がってるし、その人がどの作品で「ガンダム」に出会ったかで大きく左右する。

他にも「ウルトラマン」や「仮面ライダー」など何十年も続くシリーズは存在しますが、みんな違って、みんな良いと寛容な気持ちでいるのが一番なんでしょうね(^_^;

動画をみて、いろんな想いが蘇った次第です。



エフェクト・アニメーションとして見る、宇宙戦艦ヤマト

2020年01月19日 20時05分00秒 | アニメ
アニメ・特撮研究家・氷川竜介さんによる「ロトさんの本Vol.42『宇宙戦艦ヤマト 1974全話解説 放送開始45周年記念』」を購入。

タイトル通り、1974(昭和49)年10月から半年に渉って放送されたTVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の第一シリーズ・全26話を丹念に解説されています(^_^)

アニメや特撮に関しては、ほとんどの人がストーリーやドラマ、あるいは時代性やテーマなど、文芸批評のアプローチで語るのが常です。小説や漫画と同じ俎上に乗せることに、もちろん意味はあります。だとしても、ホントにそれだけでいいのか。何か重要なことが見逃されていないのか。エフェクト、特撮がまるで料理のトッピングのように扱われるのに、常々疑問を抱いています。自分にとっては「映像自体が感動の源泉」なのですから。

そう言われれば、映像表現の技術解説ってありそうで無かったなぁと。

本書はその批判にのっとり、氷川さんがこれまで見聞きし、調査・研究した結果をまとめ、各話においてどのような手法で映像表現されたのかを丁寧に教えてくれる一冊になっています。

あの場面、どうやって撮っているんだろう...それはデジタル技術に依らない、現場の職人芸の数々で、特撮と同じノウハウの塊なんですよね。

こういうのが読んでみたかったという本です(^_^)

この本と一緒に手持ちのBlu-ray BOX を並行して鑑賞してますが、オプティカル・プリンターまで使っているのは知りませんでしたし、物凄く手の込んだ透過光も時にはチカラ技で作られていることが判って...惹きつけられる映像ってこういうものなんだよなぁと...。

同作テクニカル・ディレクターの石黒昇さんも「いい映画には匂いがある」と語り、特に第1話には「匂い」があると...。

当時小学6年生だった自分も、そのなんだか判らないけど「匂い」を感じ、「これは単なるTVマンガじゃない、映画だ!」と感想し、部屋の照明を消して、映画館のスクリーン上映のようにして見ていたことを思い出しました(*^o^*)

あらためて「宇宙戦艦ヤマト」というのは超絶な作品だったんだなぁと噛みしめています。