新座で割引価格1000円で観てきた。
客入りはこんな感じ。
やはり、ほぼ中高年の男性。
北野武さんが30年暖め続け、黒澤明さん存命中にもプロット?など見せ、「七人の侍」以上の作品になるかも...と太鼓判をもらったという。
北野さんが時代劇作品を撮るのは二作目だし、一作目の「座頭市」は面白かったので、今回も期待した。
ストーリーは織田信長をめぐる明智光秀・羽柴秀吉・徳川家康などの重臣が右顧左眄しながら、裏で色んな謀をしあう...まぁこれだけなら散々今まで大河なんかの時代劇でやり尽くしてきたテーマだ。
この映画の主旨はそこにではなく、タイトルにもある通り斬首などのストレートな描写や、当時は普通に行われていたという武将間の同性愛を大胆に織り込んでいるところ。
武士道や特有の忠誠心は恋愛も大きく影響していただろうけど、明治以降はタブー視され、隠された関係性だ。
そこを切り口にしたのはとても興味深いし、期待もしていた。
だが...う〜む...どうも作品全体のテンポというか、テンションの上げ下げが平板で、観ていて引き込まれていく感じが薄く、中盤あたりから眠気を催してしまった(^_^;
斬首も含め、流血シーンも淡々と行われていくため、見慣れていくと刺激の度合いも薄れていく。
北野さんも「風雲たけし城」の殿にしか見えず、秀吉に見えない。
原作は北野さん自身によるものだが、あえて出演せず監督に徹した方が良かったんじゃないかなとさえ思った。
加瀬亮さん熱演の信長も狂気が過ぎて、なんだか空回りしていたなと。あんなんじゃ誰もついていこうと思えない。
対して浅野忠信さんの黒田官兵衛と、木村祐一さんの曽呂利新左衛門は役柄がとてもマッチしていて好感がもてた。
黒澤作品の影響も随所で感じられたが、作風の違いもあって上手く機能していたとは言い難い。
総じて...ハードルを上げすぎたためか、期待外れだったというのが正直なところだ。
物語として、どのキャラに感情移入できるでもなく、ドタバタやって、あっさり死ぬ。
臭いドラマが欲しいワケではないが、もう少し心に迫る何かが欲しかったなと。
北野さんのキレが鈍ってきているのか、囁かれている角川とのイザコザが影響しちゃったのか...。
まぁ...いずれにせよ1000円で見れてトントンって感じかな(^_^;