久しぶりに素敵な本に出会えたって感じがしてます。
ボイジャー社の電子書籍サイト、
BinB。
専用アプリを使わず、SafariなどのWebブラウザーで読める電子書籍サービスをポリシーとしている同社ですが、黒澤明に関する検証本も自らリリースしていて、ファンには堪らないって感じです(^_^)
今回新たに新刊「
木で戦艦をつくった男」をリリース。ボイジャーの社長でもある萩野正昭氏が自ら取材・執筆した力作です。
本のタイトル通り、映画「トラ・トラ・トラ!」の美術チーフとして、あまりにも有名な実物大の戦艦長門と空母赤城を建造・指揮した近藤司氏を取材し、インタビューをまとめた一冊です。
近藤氏から所蔵する当時の写真が豊富に掲載されて、あの長門や赤城があらゆる角度で見ることができ、スゲースゲー!の興奮状態です(*^o^*)
今ではこの映画をBlu-rayの高画質で観ることもできる分けですが、判っていても木で作られているなんて信じられないクオリティですよ。
アドバイザーとして参加した元海軍参謀の源田実もこのセットを見て触って思わず「懐かしいー」と漏らしたと言うんですから、立派なお墨付きが有ったわけですよね(^_^)
数年前に映画「男たちの大和」でも実物大の戦艦大和を部分的に再現ってのがありましたけど、頑張ってるな~と感じたものの、質感は「トラ・トラ・トラ!」の長門には劣るなぁと思わされましたね(^_^;
最初電子書籍版を購入したんですが、これは
紙版も手元に置いておきたいと思い、そちらも購入してしまいました(^_^;
近藤氏への取材は今年1月に行われたものだそうです。
そして?同氏はついこの間でもある10月に鬼籍に入られたとのこと。
黒澤明が「虎 虎 虎」として土台を造り、謎の監督降板があった曰わく付きの「
トラ・トラ・トラ!」。
以前、
田草川氏による著作も読みましたけど、もう45年も昔のこととなり、近藤氏のような直接の関係者も失いつつある今、こういう記録は本当に貴重なものだと思います。
改めてスタッフロールを確認しましたが、美術監督の村木与四郎の名はあっても、その下で従事した近藤氏の名前はありませんでした。
昔の映画って、俳優や監督・プロデューサーなどメインスタッフ程度の表記に止まる程度なんですよね?。
そんなある意味無名な現場の人を、採り上げるすばらしさ!
奇跡的な出会いから生まれ、凄い発掘をしたこの一冊は派手さはないものの、まさに宝物だなぁ?と思います。