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碑文谷アピアに2ヶ月に一度出演する二人楽団でたんの大きい方。スカイツリーが見える町に住む。

紅三

2008年08月19日 23時57分00秒 | 関心事
でたん江東支部から少し歩いた、隅田川にほど近い辺りに「ベニサンスタジオ」ってぇところがあるんです。

てか「ベニサン」って何すか?て感じですが、元々ここは1875年創業の染色会社「紅三」の工場跡地。創業者の阿部三之助氏が紅染めを主体とした絹染業を興こして「紅屋三之助」と名のり、これが縮まって「紅三」になったんだとか。

で、その紅三が昭和30年代前半に建てた本社工場の跡を改造、松竹と提携して「ベニサンスタジオ」を新規事業として開始し、翌々年には隣接のボイラー室を改装して「ベニサン・ピット」てな芝居小屋をオープン、柿落とし興行は坂東玉三郎がつとめたりしたんだそうな。意外とやるヤツなんですわ。

その後も蜷川幸雄が主催する「ニナガワ・スタジオ」が本拠地にしてたりと長年にわたり演劇界を支えて来たんだそうですが、今日の日刊スポーツによると、そんな下町の小劇場が建物の老朽化により来年1月に閉鎖、建物自体も解体になるんだとか。

Kanother的には、お芝居を観に行ったりなんてぇことは普段からあんましないワケですが、このベニサンスタジオは江東支部周辺のぶらり散歩時に偶然前を通りがかって以来、凄ぇ雰囲気のある建物なんでちょいと気に入ってたんでした。例えて言うなら松田優作の『探偵物語(TVドラマの方)』のロケで工藤探偵事務所として使われてた建物「同和病院」のような感じと言えば、分かるヒトには分かって頂けるでしょうか。

しかも周辺は民家、商店、町工場などが混在する、典型的な墨田~江東辺りの下町風景。そんななかの古びた工場が実は芝居小屋ってぇ意外性のあるシチュエーション。それって、ちょっと素敵やん(島田紳助風)?

Kanother個人としてはここに芝居観に来たことは皆無なワケですが、何しろ隅田川からこっち側の下町エリアってのは、向こうっかしに比べて文化施設が少ないんでそういった意味でも、また戦前戦後の江東エリアの産業を支えた企業の歴史建造物としても、区として意味のある建物なんでないかねぇ。何より味のある佇まいやし。区で何とか出来んのかなあ。勿体ねぇなあ。

でもしょうがないんかねぇ・・・てか、入ったことすらないもんが何言うてんの?て言われちまえば、全くその通りなワケなんですが。同和病院も既にないんよなぁ。形ある物は消え行くってぇことっすね。諸行無常やなぁ・・・