一夜明けても、昨夜の腹立たしさはおさまらない。
「ルール」だからと擁護する日本のメディアの論調も情けない。
「名こそ惜しけれ」
これこそ武士、サムライではないのか。
これこそ日本人が愛する、日本人の美徳ではなかったか。
「醜悪な勝利より美しき敗戦」
空飛ぶオランダ人、ヨハン・クライフの名言である。
負け惜しみと揶揄する声もあるが、本来スポーツとはそういうものであるべきなんだと思う。
恥も外聞もかなぐり捨てて、まるで棚ぼたの如く手中に収めたベスト16。
とてもみすぼらしい。
結果として予選を勝ち抜けたから、あのみすぼらしい闘いも戦術として評価する声もあるが、もしセネガルが同点に追いついていたなら、これほど醜悪な選択はなかっただろう。
それこそ切腹ものである。
神は本来、努力する者に微笑むはずだが、昨日は違った。
最後まで必死に食らいついたセネガルにこそ微笑むべきだったと思う。
これまでの闘いで、少なからず世界のサッカーファンの賞賛を浴びていたサムライブルーだったが、これで一気に世界を敵に回してしまった。
このマイナスイメージを払拭するには、次のベルギー戦で「美しく勝つ」しかない。
完全アウエー状態の中でベルギーに勝つこと以外に、この「醜悪な戦術」が世界から認められることはない。