東京五輪が閉幕した夜、台風は九州に上陸した。
台風の直撃を受けた人々にとっては五輪よりもコロナよりも台風。
つまりそういうことだ。
人は所詮、身近な出来事しか実感できない。
いつでも「問題は今日の雨」だし「傘がない」ことなのだ。
日本でコロナの感染者は100万人を超えた。
1億3千万分の100万。
1%にも満たない数字に、日本中が過剰に反応しパニックになっているのがコロナ禍の実相ではないか。
インフルエンザのような治療薬がないというコロナの特異性がパニックを引き起こしているのだが、五輪も終わり責任転嫁できる「悪役」がいなくなった。
結局、感染を抑えられるのは自分たち自身でしかないというシンプルな真実に気づくだろう。
17日間の休戦期間が終わった。
多くの日本人が五輪の感動に酔いしれた(多分)。
選手たちの五輪にかけるエネルギーに比べれば、コロナ禍で国民が強いられる努力などたかが知れている。
パラリンピックまで2週間。
コロナ禍において2週間はキーワード。
今の行動が2週間後の未来を作るなら、今度は国民が頑張る番だ。