熊川宿から国道303号線を東に進み、近江今津にやってきました。
近江今津は湖西北部で最も大きい町で、北国らしい雰囲気のある古い町です。また、琵琶湖に面した港町でもあり、湖産の魚の店も多くあります。
そんな近江今津で立ち寄ったのは、池本酒造。古い商店街のなかに酒蔵があり、道路に面して小売の店舗があります。
ここの銘柄は「琵琶の長寿」。かなり酸の立った太い味が特徴です。これに合う肴は間違いなく鮒寿司と思われます。
近江今津の湖岸は湖水浴場になっています。海とは違う雰囲気があり、海ほどの混雑ではなく優雅な感じがあります。
湖岸沿いの道路を南下し、「高島市新旭水鳥観察センター」にやってきました。
ここは建物の中が二つに分かれており、入って左が観察センター(有料)、右がHULLカフェという喫茶コーナーになっています。
丁度お昼時なので、カフェで昼食をとることにしました。
カフェコーナーからもこのように琵琶湖を眺めることができます。
ランチメニューは地元の野菜を使ったもので、夏の間の特別メニューとのことです。
夏野菜のカレー。
冷静パスタとレンコンのスープ。
意外にもかなり本格的で、美味しかったです。あと、自家製ソースのかき氷がメニューにあり、食べてみたかったのですが、これはまたの機会に。
さらに湖岸沿いを南下し、安曇川下流の三角州地帯に入ります。
山が湖岸まで迫っている琵琶湖西側では最大の平地で、広大な田んぼが広がっています。その中を一列に並ぶ並木を発見。
近くで見ると銀杏並木でした。
さて、この地域は歴史的にもかなり興味深いところで、遺跡も結構あります。大陸系の冠と沓が出土したり、またこの数日前にも他では例がないという大陸系のオルドス式という剣の鋳型が発掘されたというニュースが報道されました。
安曇川の地名からも、古代海洋民族の安曇族と関連があるのは間違いなく、小浜や越の国を経由して大陸と交流があり、独自の文化が栄えていたのかもしれません。
第26代継体天皇の父はこの地の豪族といわれており、相当の力があったものと思われます。
現代でこの地域独特の文化といえば、川端(かばた)があります。この辺は比良山系の湧水が豊富なところで、家の中に湧水があり、この湧水を生活用水として使用しています。そして、家の中に引き込まれた用水路に流れていく仕組みになっています。
そして、水のきれいなところに銘酒あり、ということで、「不老泉」の上原酒造に立ち寄りました。
ここは酵母を添加しないで発酵させるという非常に時間のかかる醸造を行っている数少ない蔵ということです。
この建物の中に、かばたがありました。
湧水を飲ませてもらいましたが、ミネラル分や金気がないやさしい水でした。
ここで購入したのは、「山廃純米吟醸 亀の尾 火入れ」。
この酒は、やはり滋賀の酒らしく酸が効いています。しかし、濃厚系の酸ではなく、意外とさわやかな酸味なので、夏場に冷やして飲むのに適していると思います。
さらに湖岸を南下し、近江高島駅近くの高島びれっじにやってきました。ここは、古い建物を利用していろいろな店舗が集まっている施設です。しかし、月曜日はほとんどの店が定休日でした。
その高島びれっじのそばに立派な酒蔵があったのでよってみました。
「萩の露」の福井弥平商店です。
ここでは地元を中心に出荷されているらしい、まごころという純米酒を購入しました。すでに一升瓶を3本購入しているので4合瓶にしましたが、1000円という安さ。
しかし味は確かでした。やはり酸が強い感じですが、さっぱりしていて非常に飲みやすいです。
湖西は日本酒パラダイスです。
ここからさらに南下し、本日の宿に向かいます。
途中、琵琶湖に浮かぶ鳥居で有名な白鬚神社に立ち寄りました。
ここは道路の山側に駐車場や本殿があり、鳥居に行くには国道を渡らなければなりません。しかし、非常に交通量が多いうえに近くに信号もないため速度も速く、おまけにカーブの頂点にあるため見通しが悪く、危険を感じたためわたるのを断念しました。
ちなみに全国の白鬚神社の総本社で近江最古の神社、本殿は1603年建造の重要文化財です。
<その4に続く>