国民宿舎 波戸岬の宿泊は、本館の禁煙の洋室です。
部屋は普通のツインルーム、それほど新しい感じではありませんがよく手入れされています。
部屋の窓はこれだけしかありません。
理由はビューバスがついているからです。
窓の外にはコテージ棟があります。カーテンをしていないとコテージ棟に出入りする人からは部屋の中が丸見えです。
この宿は温泉ではありません。公共の宿の宿命で立ち寄り湯も営業しており、しかも海水浴帰りの客が多い時間帯と思われるので、部屋の風呂に入ることにしました。窓を開けると風が入ってきて、露天風呂並に気持ち良いです。網戸があるので虫も気になりません。
15時~17時の間はビールが安く、しかも部屋まで持ってきてくれます。
しばし部屋でゆっくりした後、夕食に向かいます。
ゆったりした造りの廊下を通り、レストランに向かいます。
レストランからも海が見えます。この宿はどこでもオーシャンビューの贅沢な造りです。
本日の夕食のお品書きです。今回はこれにウニのついたプランで予約しています。
メニューだけではなく、箸置きもイカです。
まずは珍味。イカとんび塩辛、ホタテ明太、野沢菜イカ山葵。
確かに珍味ですが、ここの食事の中ではわき役にすぎません。
嶺岡豆腐、くこの実、山葵、銀アン。
嶺岡豆腐とは何ぞや、と調べてみると、牛乳を寒天で固めたもののようです。
嶺岡は酪農発祥の地、千葉県の嶺岡で、八代将軍吉宗が嶺岡を訪れた時に豆腐が食べたいといったので、代わりに牛乳を寒天で固めたものを出したのが発祥ということです。
今日の日本酒は唐津の鳴滝酒造の太閤という銘柄です。
佐賀県は九州では唯一、焼酎よりも日本酒の消費が多い県です。
煮物、唐津産栄螺旨煮。サザエ小屋のサザエに比べかなり大きいです。というか、栄螺を旨煮にする発想が我々にはありません。味がしみていて、味付けもちょうどよく、非常においしいです。
そして、やってきました。イカ活造里+ウニ。昼に食べることができなかった活イカ刺身です。
この透明なイカを食べるために呼子までやってきました。この透明なイカだけは産地に来ない限り食べることはできません。イカもウニもまだ動いています。
ウニはムラサキウニだと思います。色白の身で淡泊な味わいですがやはり獲れたては格別です。
イカはこうして撮影している間にも透明度が失われていきますが、透明な時にコリコリした食感が、ねっとりした食感に変わっていき、それはそれでおいしいのです。
蓋物、もろこし饅頭。
そろそろ日没の時間なので、食事は一時中断です。
馬渡島に夕日が沈んでいきます。
富士山に沈むように見えませんか?
夕食に戻ります。台物は呼子名物イカ焼売です。
ほんのりイカ風味という感じです。
蒸し物は茶碗蒸し。
これは普通の茶碗蒸しです。
先ほどの活イカのゲソとエンペラは天ぷらか塩焼きにしてくれます。
一人ずつ別でも可です。
天ぷらは柔らかく、衣も上品でおいしいのですが、ここに来ての油ものはさすがにちょっとヘビーです。
御飯はイカ釜飯。30分ほどかけてじっくり炊き上げます。
吸物。
デザートは加部島名産甘夏ゼリー。先ほど加部島へ行ったときには店が休みだったので、ここで食べることができてよかったです。
この時期に宿泊してこの料理を考えると、非常にお得だと思います。公共の宿ならではです。
コテージ棟があるため宿泊客は家族連れが多いですが、部屋数が少なく、レストランも大浴場も余裕があるため煩わしさは感じませんでした。
ここまで来るのが大変ですが、またいつか来てみたいと思える宿でした。
<2日目に続く>