新潟県の松之山温泉に、ちょっと気になる宿があり、予約が取れたので行ってきました。
午前中用事があり、お昼前に家を出ます。
関越道でまだ渋滞が残っているようなので、東北道~圏央道経由で関越に向かいます。圏央道、北関東道開通により渋滞回避が可能となりました。昔と比べて便利になったものです。
関越道では結局渋滞にはまることなく順調で、上里SAで昼食をとります。
上里SAは、今の車に買い替えるきっかけとなった、前に乗っていた車のエンジンが故障した因縁の場所ですが、今回は無事にエンジンが始動し、順調に進みます。
赤城高原SA。標高の高いところでは紅葉の盛りは過ぎていますが、ここではまだ残っていました。
天気が良く、この時期にしては暖かい日でしたが、ここまで来ると風が強く、冷たいです。
関越トンネルを抜けるとかなり激しく雨が降っていましたが、塩沢石打SAでは晴れ間も見えてきました。
新潟に車で来るのは、多分2010年のファーム日本選手権を見に来て以来だと思います。
ここで高速を降り、国道353号線で松之山温泉に向かいます。
この辺りは結構棚田が多く、有名なもの以外でもいたるところで普通に見ることができます。
16時前に松之山温泉に到着。山あいなのですでに日は陰っています。
松之山温泉には過去に宿泊と立ち寄りで各一回づつ来ていますが、15年近く前であり、久しぶりです。
本日宿泊するのは「酒の宿 玉城屋」です。
名前は普通の宿のようですが、東京の有名フレンチレストランからやってきたシェフによる里山フレンチを楽しむことができます。
さらに、若旦那はソムリエと酒匠の資格を持っており、料理にはワインのみならず、日本酒を合わせることもできます。
日本酒の在庫は地元新潟を中心に100種類とか。日本酒好きとしては非常に気になる宿なのです。
建物は、昔からある宿の建物を改装しています。
内部はシンプルでセンス良くまとまっています。
ロビーです。部屋にも浴衣はありますが、ここで選ぶこともできます。
ウエルカムドリンクはおちょこでお茶が出されます。
宿は全部で12室とこじんまりした宿です。この手の宿の場合、増築改築を繰り返して複雑な構造となっている宿も多いですが、温泉街の中にある宿であり、増築の余地はないため、非常にシンプルな四角い建物です。
一階と四階に温泉付きの部屋が4室、三階に風呂なしの和室が8室あり、今回は普通の和室にしました。
部屋は8畳ですが、玄関スペースが広く、二人であれば十分な広さです。
洗面台もいたって普通の造りですが、改装されたばかりのようで非常にきれいです。
今回は道路側の部屋なので、窓を開けると向かいの宿が見えます。
この宿は「ひなの宿 千歳」、前回松之山温泉に来た時に宿泊した宿です。ただ、残念ながらどんな部屋で、どんな食事が出たのかとか全く覚えていません。お湯が良かったのは覚えています。
この宿は、ロビーがあるのが二階で、一階に露天風呂付の大浴場があります。大浴場といってもこじんまりしていて、露天風呂は一人、内湯は三~四人程度の広さです。洗い場は四か所ありますが、間隔が狭く満員だと窮屈な感じです。もっとも、滞在中三回入浴しましたが、そのような情痴になることはありませんでしたが。
松之山温泉は日本三大薬湯の一つとされ、太古の海水が地下で加熱変成されたものといわれています。少し白濁した、青味がかったお湯で、新潟の温泉特有の石油、ガス様の臭気があります。
かなり塩気の強いお湯ですが、関東や海辺でよくある食塩泉に比べまろやかな感じがします。そして、塩気と同じくらいの強い苦味、渋みがあります。成分に含まれる珪酸、硼酸あるいはカルシウムイオンに起因するものと思われます。源泉が高温なので加水することはあるようですが、当然源泉かけ流し、しかも自噴とのことです。
かなり強いお湯でもあり、体が弱っている状態で入ると返ってやられてしまうかもしれません。
塩分を多く含むお湯なので非常に良く暖まります。しかし、風呂上がりにべたついたり、臭いが体やタオルに残ったりすることはなく、今までに入ったことのある温泉では文句なしにトップクラスの良いお湯です。
さて、大浴場の入り口には冷蔵庫があり、冷たい水、アールグレイティー、そして日本酒を無料で飲むことができます。
水は非常にまろやかで、とろみさえ感じます。アルコールの入っていない大吟醸、といった感じです。日本酒は、訳ありということで、開栓したものの時間が経ってしまい、商品として出すには適さないと判断されたものがこちらに回ってくるとのことで、品質に問題があるわけではありません。普通であればそのまま充分おいしく飲むことができるレベルです。
温泉に入って部屋でゆっくりして、夕食の時間を待ちます。
<その2に続く>