ドキュメンタリー
「アニメ師・杉井ギサブロ-」(7/28公開)
と合わせて観るといいかもしれません。
「グスコーブドリの伝記」37点★★
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イーハトーヴの森に、両親と妹と幸せに暮らしていた
ブドリ(声・小栗旬)。
だがその年、森を冷害が襲い
畑も森もダメになったブドリたちは
日々の食べ物も得ることができず、貧窮してしまう。
進退窮まった両親は家を出て、
さらにブドリの愛する妹も
謎の男コトリ(声・佐々木蔵之介)にさらわれてしまう。
失意のなか、森を下りたブドリは
火山局で気象や冷害について学び始める。
しかし、再び世界を冷害が襲った。
そしてブドリはある決断をすることに――。
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東映アニメから手塚プロを経て
日本アニメーション界の一端を担った重鎮
杉井ギサブロー氏が
「銀河鉄道の夜」(85年)に引き続き
宮沢賢治世界をアニメ化した作品です。
すごく雰囲気はいいんですが、
現代のスピードから観ると
まず
テンポもモーションもスロー過ぎて、
正直かなりかったるい。
試写室でも隣のおじいさん、ずっと大イビキでした・・・(失笑)
全体的に
描くところ、描かないところの選別が悪く、
リズム感がよくないんですよ。
台詞が詩的でやや不可解な賢治調なのも
かったるさの一因だし、
主人公ブドリの声が少年っぽくないのも厳しい。
まあブドリのセリフって
「はい」「ん‥」「あ」の三種類ほどしかないんですけどね(笑)
そもそもの基本、
ブドリが父母、妹を亡くすという
究極の喪失から物語が出発している割には
それについての感情描写がはっきりと描かれないのも、
入り混みにくい一因かもしれません。
ラストもなんか拍子抜けでしたねえ。
おまけに小田和正が流れてきちゃなあ……
と、全体にどうにも時代とのズレを
感じずにはいられませんでした。
天候に左右される農業の大変さは、
ものすごっく伝わりましたけどね。
★7/7(土)から全国で公開。
「グスコーブドリの伝記」公式サイト