想像と、ちょっと違ったのです。
「ローマ法王の休日」64点★★★
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ローマ法王が死去し、
ヴァチカンでは次期法王を決める選挙
“コンクラーヴェ”が行われていた。
世界各国から集まった枢機卿たちは
外部と完全に遮断された礼拝堂で、
厳かに、新法王になる心の準備をしている――と思いきや、
実はみな必死に祈りを捧げていた。
「神様、どうか私が選ばれませんように!」――。
そんななか、メルヴィル(ミシェル・ピコリ)が
次期法王に決定する。
心の準備もないまま
彼は民衆の前に立たねばならなくなるが――?!
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ナンニ・モレッティ監督×名優ミシェル・ピコリ。
タイトルやプロットからして
もっとコミカルでほんわかした人生讃歌かと
勝手に想像していたので、
意外にシビアな観賞後感にびっくりしました。
コンクラーヴェで選ばれた新法王が、
重圧に耐えかねてローマの街へ逃げ出すなんて
すごいおもしろい設定だし、
んで、町でいろんな人々に出会って、
自分を取り戻してめでたしめでたし……?
なーんて展開が浮かんでたんですが、
実際のところ
主人公の状況はけっこう深刻で、
そうそう安易な展開にはならなかった。
確かに
コンクラーヴェ中に隣の人の書く名前をカンニングをしたり、
チラチラとまわりを伺ったり
「選ばれませんように……」とみんなが願うシーンなど、
ユーモラスな所は多々あるんですけどね。
それに逃げ出した新法王より、
ヴァチカンに残された100人超の枢機卿たちが、
町の精神科医(演じるのはナンニ・モレッティ監督)の音頭で
生き生きと変化していく様子のほうが楽しげなので、
正しくは
「枢機卿たちの休日」じゃないかと思いました。
★7/21からTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
「ローマ法王の休日」公式サイト